↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
95/134

第94話:不安で押しつぶされそうだ~ルーカス視点~

「サリー、今日は疲れただろう。ゆっくり休んでくれ」


「ありがとうございます、ルーカス様。それではこれで、失礼いたしますわ。おやすみなさい」


「ああ、おやすみ」


 サリーを部屋まで送り届けると、自室へと向かう。


 今日、サリーは元婚約者候補でもあったジョージ殿下の視察に付き合うため、朝から外出をしていた。サリーは僕が贈ったドレスに身を包み、出掛けて行った。


 元婚約者候補に会う日に、僕が選んだドレスを着てくれたサリー。きっと大丈夫だ、そう自分に言い聞かせながら、サリーの帰りを王宮で待っていた。


 それでも心配で、部屋の中をうろうろと歩く。


「サリーの事が心配なの?大丈夫よ、ローレンが傍にいるから。あの人、サリーの事をとても可愛がっているのよ。昨日もサリーを視察に連れて行かなければいけなくなったことを、非常に気にしていたし。


 それに今日、サリーは自らの意思であなたが贈ったドレスを選んで着たと、使用人が話していたわ。ジョージ殿下がどんなに訴えても、サリーを裏切った事には変わりはないのですもの。


 サリーは賢い子よ。変な情に流されたりは…しないと思うわ…」


 なぜか最後の方、叔母上は自信を無くした様に小声になった。サリーは確かに賢いが、誰よりも優しい子だ。幼い時から人の顔色を窺い、我慢する事が当たり前の世界で生きてきた。自分が我慢すればいい、その考えがそう簡単に抜ける事はないだろう。


 それに何よりもジョージ殿下は、サリーが好きだった相手だ。魔力を4年もの間提供し続けるくらい…幼い頃はジョージ殿下との仲も良好だったようだし。もしサリーが、ジョージ殿下を選んだら…


 考えただけで、胸が張り裂けそうになる。


 何度も何度も窓の外を眺める。今頃サリーは、何をしているのだろうか…ジョージ殿下と笑い合っているのだろうか…


 ついそんな事を考えてしまう。


 待っている時間は、まるで地獄のような時間だった。そんな中、やっとサリーが帰ってきたのだ。すぐに家に帰ろうとしたのだが、サリーは自分が去った後のミレンズ王国の事が気になるとの事で、ジョージ殿下の話を聞く事になった。


 その話は、あまりにも身勝手な話だった。皆後悔をしているだって?出来る事なら国に戻って来て欲しいだって?どこまで身勝手な奴らなんだ。散々サリーを傷つけておいて、今更どの面下げてそんな事が言えるのだろう。


 サリーを何だと思っているのだ!怒りからつい、ジョージ殿下に強い口調で話してしまった。絶対にサリーをミレンズ王国になんて返さない、そう思っていたのだが、叔父上も叔母上もサリーの気持ちを一番に考えたいと言ったのだ。


 サリーの気持ちを一番に…


 その言葉が、僕の不安をさらに強めた。サリーはずっと、自国で虐げられてきた。ずっと1人だった。そんな中、自分の事を心配してくれていた人がいた事。ずっとすれ違っていた家族との和解。


 さらにかつて愛していた男からも、思いを伝えられた事。もう一度自国で、一からやり直したいとサリーが考えたら…


 ダメだ、つい良くない方向に考えてしまう。もしサリーがミレンズ王国での生活を望んだら、僕は素直にサリーを送り出してやれるのだろうか…


 サリーは僕にとっても、かけがえのない大切な子だ。彼女のお陰で、僕は今生きている。だからこそ、僕の手でサリーを幸せにしたい。


 分かっている、僕が抱く感情は一方的なもので、サリーは望んでいないかもしれないという事を。それでも僕は、サリーと離れたくはない。


 もしサリーを失ったら、僕は一体どうやって生きていけばいいのだろう。


 その日は不安と恐怖から、ほとんど眠る事が出来なかった。


 翌日

 いつも通りサリーの部屋の前にやって来た。サリーももしかしたら、昨日の夜は酷く悩んでいたかもしれない。サリーもどうしたらいいのか分からず、悩んでいるかもしれない。


 出来るだけサリーの負担にならない様に、いつも通りサリーに接しよう。そう心に決め、サリーを待ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。