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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第82話:愚かな自分【その7】~ジョージ視点~

「はい、もちろんです。そもそも私は、5年前殿下の婚約者候補を辞退した時点で、メリンダが王妃になる事はないと思っておりました。


 まさかメリンダが、サリー嬢を押しのけて自分が王妃になりたいと思っていただなんて…私の教育不足が原因です。本当に今回の件は、申し訳ございませんでした」


 すっと立ち上がり、深々と頭を下げるファッショレ侯爵。


「ファッショレ侯爵、頭をあげてくれ。メリンダ嬢だけが悪い訳ではない、婚約者候補がいならが、他の令嬢にうつつを抜かしたジョージも同罪だ。


 どうやら私も、教育を間違えてしまったようだ…本当にすまなかった。皆にも多大なる迷惑をかけて、すまなかった。すべて父親でもある、私の責任だ」


 父上も皆に深く頭を下げている。僕は本当に何をやっているのだろう。国王でもある父上に、頭を下げさせるだなんて。


「皆様、僕が愚かだったばかりに、本当に申し訳ございませんでした。全て僕の責任です。本当にごめんなさい」


 僕も皆に頭を下げた。こんなどうしようもない王太子では、皆不安だろう。


「陛下も王太子殿下も、どうか頭をあげて下さい。過去は戻せませんから。ジョージ殿下は非常に優秀な方だ。今回は過ちを犯してしまったかもしれませんが、きっとこれからは、この国をより良い方向に導いてくれると信じていますよ」


「そうです、殿下。どうかそんなに落ち込まないで下さい」


「皆様…」


 皆が温かいまなざしを向けてくれている。彼らの忠告を無視し、散々やりたい放題してきたのに…


「ありがとうございます。これからは皆様の期待に応えられる様に、精一杯精進して参りますので、よろしくお願いいたします」


 再び頭を下げた。するとどこからともなく温かい拍手が沸き上がった。我が国の貴族たちは、こんなに寛大だったのだな…



「皆様、メリンダの件ですが、どうか重罪に問う事だけはご勘弁願えないでしょうか。メリンダは5年前、王太子殿下の婚約者候補の辞退を、書面にて記載しております。


 国家との約束を破ったのですから、それ相応の罰を受けるのは当然です。ですが…どうかお命だけは、お助けいただけないでしょうか?メリンダには一生、修道院で生活させますので。そうか寛大な処置を」


 話しに入って来たのは、ファッショレ侯爵だ。必死に頭を下げている。確かにメリンダ嬢の行動は、本来なら処罰される対象になる。実際裏で貴族たちが、メリンダ嬢を裁こうと動いていたと言うし…



「修道院ですって!国家反逆罪は本来なら重罪です。それも王太子殿下の婚約者を決めるための、重要な契約を破ったのです。これは前代未聞の事ですぞ。さすがに修道院というのは、軽すぎるのではないでしょうか?」


「私もそう思います。王太子殿下と違い、メリンダ嬢は全てを知っていたうえで、王太子殿下の婚約者になるべく動いた。これは重罪ですぞ!最低でも、国外追放が妥当かと」


 次々に貴族たちが声を上げていく。そんな中、声を上げたのがサリーの父、ローレティエン公爵だ。


「皆様、落ち着いて下さい。きっとサリーは、メリンダ嬢の厳罰を希望しないでしょう。それに契約書には、破った時の具体的な罰則が書いてありませんし。父親でもあるファッショレ侯爵の言う様に、メリンダ嬢には修道院に行ってもらうという事でよいのではないでしょうか」


 ローレティエン公爵の言葉に、貴族たちが黙り込む。


 そして…



「ローレティエン公爵殿が、そうおっしゃるなら…」


「私共も、それで構いません」



 次々と貴族たちから同意の声が上がった。


 その結果、メリンダの修道院入りが決まった。さらに今後は、契約を破った時の罰則も明記する事も決定された。今後は契約を破った場合は、一生修道院で過ごすこと、さらに悪質な場合は、国外追放もありうるという文面が追加される事になった。


「それでは今日の会議はここまでにしよう。皆、忙しい中集まってくれて申し訳なかったな。これからも力を貸してくれ」


 父上の言葉で、会議がお開きになった。


「ローレティエン公爵殿、皆様、寛大なご対応ありがとうございます。早速メリンダには、この事を伝えて参ります。それでは私は、これで失礼いたします」


 ファッショレ侯爵が頭を下げて、会議室から出ていく。それに続いて、他の貴族たちも出て行った。


「ジョージ、お前はサリー嬢に未練があるようだが、お前のやった事を考えると、やはりもうサリー嬢に関わるのはやめた方がいい。サリー嬢にとって、お前は辛い過去を思い出させる存在だろうから。


 私の方で、よさそうな王女を探してみるから、ジョージも他国の王女を迎え入れるつもりでいなさい。とにかく、もうサリー嬢の事は忘れなさい。いいね」


 そう言うと、父上も部屋から出て行った。


 父上の言っている事は、ごもっともだ。


 だが…


 僕の為に命を削っていたサリー、そうとも知らずに僕は!せめて彼女に謝りたい。たとえそれが、サリーにとって迷惑な事だったとしても、このまま何もしないなんて嫌だ。


 たとえ許してもらえなかったとしても…

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