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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第75話:皆様ご立腹です

「グラッサム公爵、待って下さい。サリー嬢の件は私も聞いております。ですが我が国にとって、ミレンズ王国と今後の関係を強固にしていく事は、非常に重要な事なのです。


 どうかあまり、ミレンズ王国の王太子殿下を刺激するような事は…」


「お言葉ですが王太子殿下!そのミレンズ王国と今、良好な関係を築けているのは誰のお陰ですか?私の妻、アマリリスのお陰でしょう。アマリリスが母国ミレンズ王国とのパイプ役になった事が、そもそもの発端です。


 そのアマリリスの姪でもあるサリーを犠牲にしろと、あなたはおっしゃられるのですか?あなたがこの国を良くしようとしている事は、私も重々承知しております。ですが、自国の民を犠牲にしてでも成し遂げないといけないのですか?


 サリーは既に、我が国の住民です。サリーがミレンズ王国で、あの王太子にどんな扱いを受けて来たか!私は何があっても、サリーをミレンズ王国に返すつもりはありません。もちろん、アマリリスも同じ気持ちです。それではこれで、失礼いたします」


 いつも穏やかな叔父様が、珍しく強い口調で王太子殿下に意見をしている。私のせいで、叔父様の立場が危うくなったら…


「あの…私は…」


「サリー、帰ろう。それでは失礼いたします」


 叔父様に連れられ、そのまま馬車に乗り込んだ。


「叔父様、私の為に王太子殿下にあのような事をおっしゃられて、よかったのですか?もし私のせいで、叔父様に迷惑が掛かったら…」


 叔父様には、今まで沢山助けてもらった。そんな叔父様に対し、恩を仇で返すような事になったら、申し訳なさすぎる。


「サリーがそんな事を気にする必要はないよ。陛下や王太子殿下にも、サリーがこの国に来る前に、どのような状況だったのか話しておいたんだ。それなのに、ミレンズ王国の王太子殿下を招き入れた、我が国の王太子殿下が悪いのだからね。


 それにしても、なんて図々しい男なんだ。あれほどまでにサリーに酷い事をしておいて、のこのこと会いに来るだなんて。それも自国に戻れだって!ふざけるのも大概にしてもらいたいものだ」


「叔父上の言う通りです。あの男、4年もの間、サリーに魔力を提供させたあげく、別の令嬢にうつつを抜かし、その令嬢に乗り換える様な尻軽な男なのでしょう。そんな男の元に、誰がサリーを渡すものか!


 叔父上、確かあの男の母親と叔母上は友人でしたよね。叔母上経由で、あの男の母親にクレームを入れましょう。


 あの男、絶対に許せない!」


「そうだな、アマリリスに話したら、きっと激怒するだろうし、私たちが何かしなくても動くだろう。とにかくサリーをこの国の政治の道具にするような事だけは、絶対に避けよう」


 叔父様もルーカス様も、非常にご立腹だ。叔父様やルーカス様が私の為に動いてくれているのは有難い。


 でも…


 ミレンズ王国に比べ、マレリス王国は非常に小さな国だ。ミレンズ王国が本気を出せば、あっと言う間に潰される様な国。


 もし私のせいで、2国の関係が悪化したら…


 考えただけで申し訳なくなく。叔母様が何年もかけ、築き上げてきた2国の関係を、私のせいで壊してしまっていいのだろうか…


「サリー、大丈夫だよ。君は僕たちが必ず守るから。とにかくサリーは、何も心配しなくてもいいし、自分の事だけを考えればいいから。屋敷に着いたよ、ルーカス、悪いがサリーの事を頼む。


 私は今からもう一度、王宮に行ってくるから」


「もちろんです、叔父上、しっかり抗議をしてきてくださいね」


「ああ、分かっている。サリー、こんな事に巻き込んですまなかったな。それじゃあ、行ってくるから」


 私とルーカス様を馬車から降ろすと、そのまま叔父様は行ってしまった。叔父様、大丈夫かしら?あまり王族の方に歯向かうと、公爵家の立場も危うくならないかしら?


 何だかものすごく不安なのだが…

次回、ジョージ視点です。

よろしくお願いします。

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