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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第4話:私は令嬢としての魅力がありません

 少し休憩した後、ゆっくりと立ち上がり姿鏡の前に立つ。


 確かお父様やお兄様の言う様に、真っ青な顔をしている。頬も若干こけているし、お世辞にも可愛いとは言えない。


 こんな顔色の悪い令嬢と結婚するだなんて、ジョージ様も嫌なのかもしれない。思い返してみたら私、ここ数年あまり体調が良くなかったせいか、お茶会も夜会も、思う様に体を動かすことが出来なかった。


 最初は気にかけてくれていたジョージ様も、次第に呆れだしていた。こんなにも不健康そうな私に、ジョージ様も嫌気がさしたのかしら?


 いいえ、ジョージ様はそんな人ではないわ。それに王妃殿下も私の事を、大切に思ってくれている。きっと大丈夫だ。


 さあ、そろそろ準備を始めないと間に合わない。


 湯あみを済ませ、ドレスに着替える。


「お嬢様、顔色がまだ悪いようですが…本当にお茶会に参加されるのですか?この前のお茶会も、途中で倒れてしまわれましたし…」


 心配そうに使用人が声をかけてくれる。彼女たちはいつも、私の事を心配してくれる。


「皆、ありがとう。ジョージ様への魔力提供も終わったし、今日を乗り越えれば少しずつ体調も戻ってくると思うわ」


 そう、今日を乗り越えればきっと、大丈夫だ。それに明日には正式に婚約者も発表される。私が正式にジョージ様の婚約者に内定すれば、お父様やお兄様も少しは喜んでくれるかしら?


 天国のお母様にも、顔向けが出来るかしら?


 お母様…


 お母様もきっと、私の事を恨んでいるだろう。だって私のせいで、命を落としたのだから…それでも少しはお母様にも、許してもらえると嬉しい。


 さて、そろそろお茶会に向かわないと。


 ふらつく体を必死に動かし、馬車に乗り込んだ。そしてさっきまでいた王宮へと目指す。窓から差し込む日差しが痛い。早く休みたい、でも、そんな我が儘は許されない。


 王宮に着くと、ゆっくり馬車を降り、今日の会場でもある王宮の中庭にやって来た。既にたくさんの貴族たちが集まっている。


 その中には、ジョージ様の姿も。元気そうでよかった。


 ただ…やはり傍には、メリンダ様の姿が。ジョージ様に寄り添い、楽しそうに話しをしている。ジョージ様も愛おしそうにメリンダ様を見つめていた。


 美しい桃色の髪にくりくりの水色の瞳。白く透き通った美しい肌、健康的なメリンダ様は、私から見ても魅力的な令嬢だ。


 常に魔力が欠乏しているせいで、血行が悪くやせ細っている私とは大違いね。


 その時だった。


「ジョージ殿下とメリンダ様、本当にお似合いね。まさに美男美女だわ」


「本当よね。でも、ジョージ殿下はサリー様と婚約なさるのでしょう?お可哀そうに。正直サリー様は、いつも顔色が悪く、痩せていらっしゃるでしょう?令嬢としての魅力は…ねえ…」


「この前も倒れられたでしょう?あんなんで、世継ぎを生めるのかしら?」


「あら、もしかしたら演技かもしれないわよ。ほら、ジョージ殿下は優しいから、そうすれば自分を気にかけてくれると思っていらっしゃるのかもしれないわ。ジョージ殿下、いつも顔が引きつっていらっしゃるのにね」


 そう言って笑っている令嬢たち。彼女たちは皆、伯爵令嬢だ。自分よりも身分の低い令嬢にまで、この様にバカにされているだなんて…


 私、本当に令嬢として魅力がないのだろう。


 再びジョージ様を見つめた。今までに見た事のない様な、ジョージ様の幸せそうなお顔。ここ数年、あんな風にジョージ様が私に笑顔を向けてくれた事など、あったかしら?いつも少し困った顔で、私を見つめていた。


 自分でもわかっている、本当は私の様な魅力のない令嬢が、ジョージ様と婚約をしてはいけないのだという事を。ジョージ様もきっと、私との婚約を望んでいないだろう。


 でも私は…


 それでもジョージ様が大好きだ。いつか昔のように、私に笑いかけてくる日が来るかもしれない。そんな淡い期待を、どうしても抱いてしまう。


 とはいえ、あんなにも幸せそうなジョージ様の姿を見たら、2人の仲に割って入る勇気はない。


 結局この日は、1人静かに中庭の隅で過ごしたのだった。

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