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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第3話:この家に居場所なんてない

「随分と体調も良くなりましたので、私はお屋敷に戻りますわ。今日も王宮でお茶会がありますし」


「ごめんなさい、あなたと話していると、つい時間を忘れてしまって。サリーちゃん、本当に色々とありがとう。今日のお茶会は、無理して参加する必要はないのよ。最近特に、サリーちゃんの顔色が悪い様だし。ゆっくり休んで」


 心優しい王妃殿下、いつも私の体を考えてくれている。でも、王宮主催のお茶会に欠席するだなんて言ったら、お父様に何を言われるか分からない。


「お心使いありがとうございます。ですが私は、大丈夫ですわ。それでは失礼いたします」


 王妃殿下に頭を下げ、馬車に乗り込んだ。わざわざ門まで王妃殿下が見送ってくれた。彼女の顔を見ると、心が温かくなる。あと少し…あと少し我慢すれば、きっと私は幸せになれる。大好きなジョージ様と、婚約できるのだから。


 窓の外から朝日が差し込んできている。もう夜明けだ、少し仮眠をとりたかったが、そうもいかないようだ。このまま湯あみを済ませて、お茶会の準備をしないと。


 でも、体がだるくてたまらない。頭もボーっとする。まだ体の節々も痛い。辛くて馬車の中で少し横になる。こうやって横になっていれば、少しは体調も戻るかもしれない。


 なんてね、この程度では戻らない事くらい、私も分かっている。今までずっと、このだるさや痛みに耐えてきたのだから。それももうこれで最後らしい。やっとこの痛みからも、解放される。


 再び体を起こした。


 そうこうしているうちに、見慣れたお屋敷が見えてきた。フラフラの頭で馬車から降り、自分の部屋へと向かう。


「サリー、帰って来たのか。またそんな真っ青な顔をして、本当にお前の魔力は大したことないな。とはいえ、今日で殿下への魔力提供は終わりと聞いている。これで正式にお前も、王太子殿下の婚約者になれるのだな。


 お前は散々この家に迷惑をかけてきたのだから、これからはしっかり家の為に尽くせ。それにしても、今日は王宮でお茶会だというのに、その様なフラフラな姿だなんて情けない。


 いいか!お前は次期王妃になる人間だ。どんなに体がだるくても、凛としていないといけないんだ!それなのにいつも顔色が悪く、フラフラで…


 どうやら王太子殿下は最近、ファッショレ侯爵家のメリンダ譲と仲がいい様だな!お前がそんなんだから、殿下が他の女にうつつを抜かすんだ。本当に役に立たない奴だな!」



「申し訳ございません、お父様」


 お父様に頭を下げる。


「そうやって謝ればいいと思っていて、お前の顔を見ていると、本当に虫唾が走る。お前を生んだせいで、マリアは…とにかく、お前は王妃になり殿下の子を必ず産むんだ。間違ってもメリンダ嬢なんかに取られるのではないぞ!


 それがお前が母親を殺した、せめてもの罪滅ぼしになるのだから!」


 そう吐き捨ていると、お父様は去って行った。お母様を殺した私を、お父様は深く恨んでいる。私さえいなければ、きっとお父様も今頃幸せだったことだろう。


 お兄様だって…


「また陰気くさい顔をして、そんな所に立っているのかい?本当に目障りな女だな…」


 ハァっとため息をつきながらやって来たのは、お兄様だ。


「申し訳…」


「謝罪はいいよ。それよりも、父上がおっしゃっていた通り、どうやら殿下はメリンダ嬢に随分熱を上げている様だね。メリンダ嬢を婚約者にしたいなんて事を、言いだしているという噂もあるし。


 サリーによほど魅力がないから、そんな事を言われるのだろう?とにかく、母上の最後の願いでもある“お前を王妃にする”という願いだけは叶えろよ。それがお前が出来る、唯一の罪滅ぼしだからな。とはいえ…殿下の気持ちもわかるよ。こんなにいつも真っ青な顔をしている女が婚約者だなんてな…


 お前も殿下に愛されるように、少しは努力しろよ」


 そう言うと、お兄様も去って行った。2人ともいなくなったし、私も部屋に戻ろう。


 そう思い、部屋へと向かう。とはいえ、体が重くて、思う様に歩けない。それでも必死に自室へと戻ると、ソファに腰を下ろした。

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