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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第2話:王妃殿下との時間

「サリーちゃん」


 心配そうに部屋の外に立っていたのは、王妃殿下だ。王妃殿下もジョージ様と同じく、私に優しく接してくれる人。


「王妃殿下、今日も無事魔力を注入できましたわ…これでジョージ様もきっと」


「フラフラじゃない!とにかく、一度こちらで休んで」


 王妃殿下に連れられ、隣の部屋にやって来た。


「これを飲んで。ごめんなさい、ジョージのせいであなたには随分苦労をかけてしまって…どうやら魔力の提供も、今日で最後との事ね。サリーちゃん、本当に今までありがとう。あなたのお陰で、ジョージは今まで元気に生きる事が出来たわ。


 痛みも苦しみも知らずに。その裏で、あなたがどれほど苦しんだか…考えただけで、申し訳なくて…


 あなたとジョージが婚約を結んだら、ジョージにもやっと本当の事が話せるわ。本当に今まで、よくやってくれたわね。ありがとう」


 我が国では、王族が令嬢に忖度をしない様に、正式に婚約が結ばれるまでは、魔力の提供の話は一切本人にはしない決まりになっている。


 その為、ジョージ様は私が魔力を提供している事、そもそも自分の魔力が不安定で夜な夜な発作を起こしている事すら知らされていないのだ。


 とはいえ、私はそれでいいと思っている。もしジョージ様がその事を知ったら、きっと私に申し訳なく思ってしまうだろう。私はジョージ様と、対等な立場でいたい。


「王妃殿下、どうか婚約後も、私が魔力を提供していたことは、ジョージ様には内緒にしてほしいのです。あの方はお優しいから、きっと私に申し訳なく思ってしまうでしょうし…私はジョージ様には何の気兼ねもなく、生きていってほしいのです」


「あなたって子は…本当に、どうしてこんな優しい子に、あの人たちは…きっと天国のマリアも、嘆き悲しんでいる事でしょうね…」


 なぜか王妃殿下が涙を流しながら、私の手を握ったのだ。手から伝わる温かい感触。もしお母様が生きていたら、こんな風だったのかしら?


「王妃殿下、いつも私に優しくしてくださり、ありがとうございます。王妃殿下と母は、親友だったのですよね。親友を殺した私にまで、こんなに優しくしてくださるだなんて」


「あなたはマリアを殺してなんていないわ。どうかその様な悲しい事を言わないで。私はあなたの事を、本当の娘のように思っているの。あなたが王宮に嫁いでくるのを、心待ちにしているのよ。


 それでね、サリーちゃんとジョージの婚約披露パーティの時に着るあなたのドレスを、私に作らせてほしいの。既にデザイナーは手配してあるのよ」


「そんな、婚約披露パーティだなんて。まだ気が早いですわ。それにこそまでして頂かなくても…」


「いいえ、それくらいさせてちょうだい。私には、息子しかいないでしょう?だから、私にできる事は、何でもしたいのよ。とりあえず最低でも3着は準備しましょう。サリーちゃんは、マリアに似てとても美人だから、何を着ても似合うわよ。


 他国から最高級の絹も手配しているのよ。あなたはジョージを救ってくれた、命の恩人なの。どうか大きな顔をして、受け取ってちょうだい。もちろん、あなたの好きな色やデザイン等もあるでしょうから、その点はちゃんと考慮するつもりよ」


「王妃殿下…」


 心優しい王妃殿下、いつか彼女の娘になれる、それが嬉しくてたまらない。


「それではお願いいたしますわ。私は王妃殿下が、私の為を思って作って下さったドレスでしたら、どんなものでも嬉しいので」


「まあ、可愛い事を言ってくれるのね。ありがとう。それじゃあ、ドレスは私に任せてくれるという事で」


 嬉しそうに笑う王妃殿下を見ていると、なんだか私の心の奥も、温かいもので包まれるような感覚を覚える。これからはきっと、幸せになれる。


 そうであったらいいな…

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