表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/15

第1話:彼の為に

 うす暗い寝室、今日も苦しそうに眠るジョージ様に、一気に魔力を込める。その瞬間、ジョージ様の体がピンク色の光に包まれた。呼吸は落ち着き、スヤスヤと眠り始めた。


 よかった、今日も成功した様だ。


 一気に体の力が抜け、その場にへたり込む。


「お嬢様、大丈夫ですか?こんなにハイペースで魔力を注入していては、お嬢様への体の負担は膨大です。とにかくこちらへ」


 使用人が心配して飛んできたのだ。使用人の手を借り、ソファに腰を下ろした。


 ローレティエン公爵家の娘でもある私、サリー・ローレティエンは12歳の時、この国の王太子でもあるジョージ様の最有力婚約者候補になった。


 なぜ最有力者婚約候補かというと、我が国では王太子殿下との婚約は、殿下が16歳にならないと結んではならないという決まりがあるからだ。


 他の国では幼い時に婚約を結ばせる事も少なくはない事を考えると、王族としては異例の遅さと言っても過言ではない。


 ただ…それには理由があるのだ。


 我が国の人々は、皆多かれ少なかれ魔力を持っている。ただ、なぜか王族の男児だけが、魔力が不安定で、一定期間魔力を提供してもらわないと生きていけない。


 その魔力提供者も誰でもいい訳ではなく、16歳以下の女児からの魔力しか、吸収しないという厄介なものなのだ。


 とはいえ、魔力提供は初めての発作が起こってから殿下が16歳の誕生日を迎えるまでの間のみ。大体初めての発作が12~13歳くらいで起こるため、長くても4年提供すれば問題ない。


 だが、誰も魔力を無償で提供などする物好きはいない。魔力を相手に提供するという事は、自分自身も激痛を伴ううえ、体力もかなり削られる非常に危険な行為なのだ。


 その為、次期王妃という座を与える代わりに、王太子殿下に魔力を提供する様王族側が求めているという訳だ。


 そしてその勤めを受け賜わったのが、私だ。ジョージ様が12歳で初めて発作をおこしてからずっと、魔力を提供してきた。


 正直あまりの激痛に逃げだしたい時もあった。


 それでも…


 スヤスヤと眠るジョージ様を見つめる。


 幼い頃から私の傍にいて下さったジョージ様。母親を殺した私は、幼い頃からずっと孤独だった。そんな私の唯一の支えが、ジョージ様だったのだ。


 彼の為ならこの命、なげうっても構わない。私にとっては、ジョージ様は生きる希望だから。彼が幸せならそれで私も幸せなのだ。


「サリー様、お疲れ様でした。今殿下の魔力を確認しましたところ、非常に安定しておられます。殿下の年齢と魔力の安定具合からいって、サリー様が魔力を提供されるのも今日で最後で問題なさそうです。


 これで殿下も、もう二度と発作を起こすことはないでしょう」


「それではもう、ジョージ様が発作で苦しまれる事もないのですね、よかった…」


 これでジョージ様の魔力も落ち着いた。本当によかった。


「ジョージ殿下は、眠っているうちに発作を起こされておりますので、本人には苦しみや痛みなどは感じられておりません。それよりもあなた様への体の負担の方が、非常に大きいのです。


 ジョージ殿下は今までの王族よりも魔力が不安定で、サリー様にはかなりの負担がかかっていた事でしょう。どうかこれからは、ご自分のお体を一番に考え、お過ごしください。ご自分で感じられている以上に、体は消耗しておりますから」


 ジョージ様専属のお医者様。少しぶっきらぼうな方だが、私の事も心配してくださる優しい方。王宮には優しい方が、沢山いるのだ。


「はい、承知いたしました。ありがとうございます、それでは私はこれで、失礼いたしますわ」


 あまりこのお部屋に長居するのもよくない。まだ頭がフラフラしているが、使用人に支えられながら立ち上がると、お医者様に一礼した。


 そして使用人に支えながら、部屋から出たのだった。

新連載始めました。

よろしくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ