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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第30話:それでも私は…

 叔母様が必死に止めてきた。


 確かに魔力提供自体、体への負担は大きい。痛みや苦痛はもちろん、体調不良が続く事もある。とはいえ、同じ相手に魔力を提供する分には、命に関わる事はない。なぜか魔力は、人それぞれ特徴が違う。


 その為初めての相手に魔力を与えた時が、一番ダメージが大きいのだ。私自身も初めてジョージ様に魔力を提供した時は、今までに感じた事のない激痛と苦しさが体中を襲い、3日間意識を失ったくらいだ。


 それでも2回目以降は、相手の魔力の特徴を体が覚えている為、最初ほどの負担はないのだ。


 そんな中、また違う人間に魔力を提供するという事は、相当体への負担が大きいと言われている。実際、2人以上に魔力を提供した場合の致死率は、60%とも言われている。


 ただ…


「サリー、ダメだ。もしルーカスに魔力を与えたら、君は死んでしまうかもしれない。ルーカスには、別に魔力を提供してくれる人を今、当たっているところだから。だからどうか、早まらないでくれ」


 叔父様も、必死に訴えかけてくる。


 さらに…


「僕に…魔力を提供しては…ダメだ…君は…散々…苦労したのだから…今度こそ…幸せに…」


 声にならない声で、必死に訴えかけてくるルーカス様。相当お辛いはずなのに、こんな時まで私の事を気遣って下さるだなんて…


「叔父様、叔母様、私はあなた達に、命を救われました。この1ヶ月、本当に毎日が幸せで、初めて家族の温もりを知ることが出来たのです。もちろん、ルーカス様にも感謝しておりますわ。


 急にやってきた私を、戸惑いながらも必死に受け入れようとしてくれた事、毎日気にかけてくれ、沢山話しかけてくれた事。まるで実の兄のように接してくれて、本当に嬉しかったのです。


私はミレンズ王国では、父からは殺したいほど憎まれ、兄からも恨まれ、好きだったジョージ様にも邪魔者扱いされました。


 そんな私を受け入れて下さったこの家の人たちに、恩返しがしたいと思っておりました。今がまさに、その時なのです」


「ダメよ、サリー。お願い、止めて」


「サリー、止めるんだ」


「叔父様、叔母様、あなた方も分かっているのでしょう?魔力が提供できるのは、ある程度魔力量を持った16歳未満の少女のみ。そう、ある程度地位がある貴族令嬢しか、提供できない事を。そんな人間は、そう簡単に見つかるものではありません。


 このまま放っておいたら、ルーカス様のお命が危険です。ルーカス様は、既に16歳を迎えている。一刻も早く、魔力を提供しないと…


 確かに2人以上の魔力提供は、リスクも大きいですし、致死率も高いです。ですが、必ず命を落とす訳ではありません。どうか私を、信じて下さい。


 叔母様、叔父様、私の事を本当の娘のように接して下さり、ありがとうございます。私、本当に幸せでしたわ。だからこそ、ルーカス様を、失いたくはないのです」


「…サリー…ダメだ…」


「ルーカス様、初めて名前を呼んでくださいましたね。ありがとうございます。どうか、生きて下さい」


 一気に手に魔力を込め、ありったけの魔力をルーカス様に注ぎ込む。その瞬間、体が引きちぎられる様な激痛が襲う。


「うぅぅぅぅっつ」


 ジョージ様に初めて魔力を提供した時とは比べ物にならない程の激痛に、ついうめき声が漏れる。


「止めて、サリー!」


「止めるんだ」


「サリー…ダメだ」


 3人が必死に止めるが、やめるつもりはない。


 私は絶対に、ルーカス様を守りたい。叔父様や叔母様を悲しませたくはない。だからこそ、絶対にルーカス様を助ける。


 そんな思いで、一気に手に魔力を込めた。その瞬間、ルーカス様の全身が、ピンク色に光ったのだ。


 よかった…

 成功したのね…


 体中から力が抜け、そのまま意識を飛ばしたのだった。

次回、ルーカス視点です。

よろしくお願いします。

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