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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第23話:叔父様もルーカス様もいい人です

「あなた、少し落ち着いてちょうだい。まだルーカスとの挨拶が終わっていないわ」


「ルーカスとの挨拶は、馬車の中でもできるだろう?それに、サリーは魔力を無理やりむしり取られていたせいで、体調が良くないのだろう?早く屋敷に帰って、休ませてあげないと」


 魔力を無理やりむしり取られていた訳ではないが…なんだか話が大きくなっている気がするのは、気のせいだろうか…


「こんにちは、君がサリーだね。僕はルーカス。君の義兄だよ。それにしても、叔母上によく似ているね」


 銀色の髪にオレンジ色の瞳をした美しい男性が、話しかけてきたのだ。こんなにも美しい方が、私のお義兄様になるだなんて…


 ただ…何だろう、この違和感は…


「お初にお目にかかります、ルーカス様。今日からお世話になる、サリーです。どうか仲良くしてくださいませ。ルーカス様も、叔父様とよく似ていらっしゃるのですね」


「そうかい?そう言ってもらえると嬉しいよ。港から屋敷まで、馬車で3時間かかるんだ。あまりのんびりしていると、日が暮れてしまう。さあ、行こうか。叔父上、叔母上、行きましょう」


 ルーカス様が、まだ言い合いをしている2人に声をかけた。


「あら?もうルーカスとサリーの自己紹介は済んだの?それじゃあ行きましょうか」


「そうだな、屋敷に帰ろう」


 4人で馬車に乗り込んだ。


「サリー、改めてようこそ、マレリス王国へ。一応ミレンズ王国では既に養子縁組が終わっているが、マレリス王国でもまた、手続きをしないと行けなくてね。我が国では、子供の意見を尊重するため、君の同意書も必要になるんだ。この足で裁判所に向かうつもりだけれど、いいかい?」


「はい、もちろんですわ。叔父様、それにルーカス様、これからどうぞよろしくお願いいたします」


 優しそうな叔父様とルーカス様。2人ともとてもいい人そうだ。ただ…なんだかルーカス様の様子が少し変な気がするのは、気のせいだろうか…


 その後は終始和やかな空気のまま、馬車が進んでいく。そして途中、裁判所に立ち寄り、養子縁組の手続きを行った。こちらでも、受理されるまでに2~3日程度かかるらしい。


「さて、手続きも終わったし、やっと屋敷に帰れるわね。サリー、疲れたでしょう?」


「いえ、私は大丈夫ですわ。綺麗なマレリス王国の景色を見ていたら、なんだかワクワクして来て。本当に素敵な国ですね」


 白で統一された美しい建物、その近くには手入れされた木々や花々が。活気ある人々。見ているだけで、ワクワクしてくる。


「サリーが気に入ってくれてよかった。それに思ったより元気そうだね。実は、今夜ちょっとした宴を開こうと思って、ルーカスと一緒に準備をしていたんだよ。君が我が家に来てくれた歓迎会だ」


「まあ、私の為にですか!ありがとうございます。叔父様、ルーカス様」


 実の父親や兄からも毛嫌いされていた私の為に、会った事もなかった叔父様やルーカス様が歓迎してくれる。今まで誰からも必要とされていなかった私が…


 私にもこんな風に大切に思ってくれている家族が、やっと出来たのだ。


「サリー、急に泣き出してどうしたの?どこか体調が悪いの?」


 感情が高ぶり、一気に涙が溢れだしてしまった。


「申し訳ございません、急に泣いてしまって…ただ、今までこんな風に、誰かから大切にして頂けることがあまりなかったので。嬉しくて…つい…私の様な人間は、誰からも大切にされないと思っておりましたので。それも初めてお会いした叔父様やルーカス様にまでこんな風にして頂けたのが、特にうれしくて…」


 こんな私なんかの為に、宴を準備してくださったのだ。その上、港までお出迎えして下さるだなんて…私、この人たちに何もしてあげられないのに…


「そんな事、気にしなくていいのだよ。可哀そうに、長い期間ずっと酷い扱いを受けていたのだね。これからは、君は私達の大切な家族だ。どうか家族の温もりを、サリーには存分に感じてほしい」



「家族の温もり…」


 今まで無縁だった言葉。ようやく私にも、温もりを感じられる家族が出来たのだ。そうおも持ったら、胸の奥が熱くなったのだった。

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