↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/71

第19話:やるべきことをやって行きましょう~アマリリス視点~

「お義兄様、サリーの荷物を取りに参りました」


「ああ…分かっている。サリーの荷物は、根こそぎ持って行ってもらって構わない」


「分かりました、あなた達、サリーの荷物を運び出して」


「「「承知いたしました」」」


 このまま運び出した荷物は、一足先にマレリス王国に運ぶ予定だ。


「奥様」


 私に声をかけてきたのは、サリー専属の使用人たちだ。


「あなた達、これからどうするか気持ちは固まった?もしまだ固まっていないのなら、もう少し考えてもいいのよ。家族がいるという人は、マレリス王国で住処も準備する予定でいるし。要望があれば、遠慮なく言ってちょうだい」


 出来れば彼女たちを、マレリス王国に連れていきたい。彼女たちは、ずっとサリーを支えてくれた。サリーにとって、家族も同然なのだろう。とはいえ、彼女たちにも色々と事情がある。無理強いは出来ない。


「私は、お嬢様と一緒にマレリス王国に行きますわ」


「私もです。ただ、年老いた両親が居りますので、その両親も一緒に連れ行っていただければ…」


「もちろん、それは構わないわ。家族がいる人たちは、お屋敷の近くに家を借りられるように手配するわ。家族も安心して連れて来てちょうだい」


「私共も家族と一緒に行きたいのですが、夫がこの家の庭師をしておりまして…その…」


「まあ、そうなの?お義兄様、庭師も一緒に連れて行ってもよろしいですか?我が家で働いてもらいたいので」


「ああ…構わない…好きにすればいい」


「とのことだから、ぜひ旦那様も一緒に連れてきてちょうだい。ちょうど我が家では、庭師を探していたの。助かるわ」


「ありがとうございます」


「「「私共も一緒に、お嬢様と参りますわ」」」


「そう、皆来てくれるのね。ありがとう、サリーも喜ぶわ。もちろん、我が家に来てくれるのだから、好待遇で働いてもらうつもりよ。もし何か不便な事があったら、遠慮なく言ってちょうだい」



「「「はい、ありがとうございます」」」


 結局マリーの専属メイドは、全員我が国に来てくれることになった。サリー、きっと喜ぶわね。


 さて、サリーの荷物もある程度運び出したし、サリー専属メイドも私たちと一緒のタイミングで、マレリス王国に来てくれることも決まった。


 後は養子縁組の承認が下り次第、マレリス王国に向かうだけね。


「お義兄様、それではサリーの専属使用人とその家族は、我が家で引き取るという事でよろしいですね」


「ああ…構わない。アマリリス…その…サリーは…元気にしているのか?」



 ポツリと呟いたお義兄様。殺したいほど憎かったはずの娘なのに、今更何を聞いてくるのかしら?とはいえ、昨日私の話を聞き、かなり動揺していた。その上、写真には衝撃的なものが写っていた様だし。


 正直私は、この男が許せない。ただ…マリアはこの男の事を、どう思っているのだろう…同じ双子でも、私とマリアは、性格が全く違う。


 私ならこの男を恨み続けるだろうが、マリアは…


 ふとお義兄様の手に握られているものが、目に入った。あれは昨日、私が持ってきた写真だ。


 再びその写真を見つめるお義兄様。


「写真を見つめているのですか?私はあなたがした事を、決して許すことはできません。その写真も返してください!と、言いたいところですが…その写真は、ここに置いていきますわ。もう私には、必要ない物なので」


 その写真を見つめながら、せいぜい後悔すればいい。サリーが15年間受けてきた孤独と苦しみ、そしてその姿をただ見つめる事しかできなかったマリアの苦痛を…


「ありがとう、アマリリス。私は、間違っていたのかな?」


「それはご自身で判断してくださいませ。とはいえ、もうサリーはあなたの娘ではなくなるのです。どうかサリーの為にも、二度と姿を現さないで下さいね。それでは失礼いたします」


 もう二度と、この人に会う事はないかもしれない。私の大切な姉、マリアが愛した男。きっとマリアを失ったショックで、正常な判断が出来なくなっていただろう。


 だからと言って、サリーを傷つけていい理由にはならない。


 さようなら、お義兄様。


 そっと心の中で別れを告げ、公爵家を後にしたのだった。

長くなりましたが、次回サリー視点に戻ります。

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。