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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第16話:これからは私がサリーを守る~アマリリス視点~

 マーガレットと一緒に、サリーの部屋へと向かう。部屋に入ると、不安そうな顔で、こちらを見つめるサリーの姿が目に飛び込んできた。


 サリーの姿を見た瞬間、胸が張り裂けそうになる。そんな中マーガレットが、今の貴族の心情や王太子殿下との未来について話し出したのだ。


 マーガレットは、どうしても自分の息子とサリーを結婚させたい様だ。ずっと魔力を提供してきたサリーの事を思うと、このまま王太子殿下とその思い人を結婚させるのは、私自身も許しがたい。


 でも、当のサリーはそんな事を気にしていない様で、王太子殿下が望む様にしてあげたいと言ったのだ。サリーはやはり、マリアの子だ。マリアもそうだった、自分の事よりも、いつも相手の事を考えていたのだ。


 サリーには私の元で、幸せになってもらいたい。そんな思いで、サリーを私の養子にしたい事、マレリス王国で一緒に暮らしたい事を伝えた。最初は遠慮していたサリーも、最終的にはマレリス王国で私たちと暮すことを了承してくれたのだ。


 さらに優しいサリーは、自分に良くしてくれた使用人たちの行く末を心配していた。実の家族からは酷い扱いを受けていたサリーだが、使用人たちには恵まれていた様だ。彼女たちが望むのなら、もちろん我が家で好待遇で迎え入れるつもりだ。


 家族も連れてくると言うのなら、彼らの住む場所も提供する。サリーが望むことは、何でも叶えてやりたい。


 とにかくサリーが私との暮らしを選んでくれたのだ、こうしてはいられない。さっさとこの屋敷を出て、ホテルに向かおう。既に使用人が、ホテルを手配して待っている。もちろん、サリーの部屋も準備してある。


 早速サリーを連れて、屋敷を出た。やせ細ったサリーの手。本来公爵令嬢でもあるサリーが、使用人たちよりもやせ細っているのだ。15歳といえば、おしゃれを楽しむ年頃。それなのにこの子は、おしゃれを楽しむどころか、生命を維持するのにやっとなのだ。


 そんなサリーを見ていると、また涙がこみ上げてくる。ダメよ、今泣いたら。必死に涙を堪え、サリーを連れて玄関を目指した。


 外に出るとマーガレットがサリーを捕まえ、最後の挨拶をしている。あんなに酷い事をされたのに、サリーはマーガレットの事を慕っている様だ。きっとマーガレットなりに、サリーを大切にしていたのだろう。


 頭では分かっている、でも、どうしても心が付いていかないのだ。


 ふとマーガレットの後ろを見ると、お義兄様の姿が。あの男、図々しく外まで付いて来たのね。私の話が相当堪えたのか…それとも写真が相当インパクトが大きかったのか、ずっとうつむいて考えこんでいる。


 きっとあの写真には、マリアの無念さが強く憑りついているのだろう。


 お義兄様が変な事を言いださないうちに、さっさとサリーを連れて行こうとしたのだが、何を思ったのかサリーがお義兄様に挨拶をしたのだ。その瞬間、顔をあげ何かを言いかけたお義兄様の言葉を遮り、サリーを馬車に乗せた。


 もうこれ以上あの男に、サリーの心を踏みにじられたくはない。そう思ったのだ。すぐに馬車が走り出す。最初は不安そうな顔をしていたサリーだったが、ホテルに着くころにはすっかり落ち着いていた。


 サリーの為に準備した部屋を見るなり


「こんなに立派なお部屋、私が使ってもいいのですか?」


 そう言って、目を輝かせていた。この程度の部屋で、喜ばれるだなんて…胸がぐさりと痛む。


 とにかく今日は、我が家から連れてきた使用人に、サリーのお世話をする様に手配した。明日もう一度公爵家に出向いて、サリーについていた使用人を勧誘しよう。きっと彼女たちが傍にいてくれた方が、サリーも安心するだろうし。


 今はサリーが幸せに暮らせるように、できる事は何でもしないと。

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