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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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ジョージ殿下とサリーのIFストーリー~ジョージ視点~【20】

「お待ちください、皆様。確かに娘は、サリー嬢を傷つけ、ジョージ殿下に婚約したい旨を伝えたかもしれません。


 ですが、あの子も悪気があった訳ではないのです。きっと純粋に、ジョージ殿下を愛してしまっただけなのです。ですからどうか、ご慈悲を…」


 何を思ったのか、ファッショレ侯爵が必死に訴えてきたのだ。


「ファッショレ侯爵殿、メリンダ嬢が、私を本当に愛していたとお思いですか?これを聞いても、同じ事を言えますか?」


 “ジョージ様ったら酷いのよ、ずっと私の虜だったのに。私、絶対に王妃になりたいのよ。ねえ、あなた。協力してくれない?サリー様の悪い噂を流すのを。サリー様が遊び人だって噂を流してほしいの。お願い”


 服をはだけさせ、令息に迫るメリンダ嬢。


 “どうしてそこまでして、王妃になりたいのだい?ジョージ殿下をそこまで愛しているのかい?”


 “愛している?そんな訳ないでしょう。私はただ、王妃になって悠々自適に暮らしたいだけよ。だからお願い”


「この映像は、私の家臣でもある公爵令息に迫った時の映像です。もちろん、彼はその場で拒み、この映像を提供してくれました。この映像からもわかるように、メリンダ嬢は私を愛してなんかいなかった。王妃という座を、狙っていただけなのです。


 その上、罪もないサリーの悪評を流すように依頼までしている。これを見て、またご慈悲を!なんてふざけたことが言えますね。


 それから、この映像もご覧ください」


 今度は5年前、僕の婚約者候補を決めるときの映像だ。そこでは一番にメリンダ嬢が、辞退を表明している。それも心底嫌そうな表情で。さらにサリーが、僕に魔力を提供する映像も流す。


 激痛に苦痛の表情を浮かべながらも、必死に魔力を提供するサリー。この映像は、何度見ても辛い。


 だが、皆に現実を見てほしい、魔力提供が、どれほど辛い行為かを…


「これを見ても、まだメリンダ嬢に慈悲を与える必要があると、ファッショレ侯爵はお考えですか?」


 私の問いかけに、言葉を詰まらせるファッショレ侯爵。


「確かにメリンダの行いは…許される事ではありません。サリー嬢には、本当に申し訳ない事をいたしました」


 そう言うと、真っすぐローレティエン公爵の前にやって来た。


「ローレティエン公爵殿、メリンダが本当に申し訳ございませんでした。ですが、どうか同じ娘を持つ者として、ご慈悲を頂けないでしょうか?お願いします」


 俯いて動かないローレティエン公爵に、必死に頭を下げるファッショレ侯爵。


「…サリーは…こんなにも辛い思いをして、魔力を提供していたのか…マリアは、そんなサリーをどんな気持ちで見ていたのだろう…サリー、すまない。私が愚かだったばかりに、サリーを…」


 涙を流し、呟く公爵。


 そして…


「ファッショレ侯爵殿、あなたの娘が行った行為、私は絶対に許すことが出来ない。サリーがどんな思いで殿下に魔力を提供していたか。それも4年もの間もですよ!それなのに、そんなサリーから殿下を奪おうとするだなんて。それも己の欲望の為に!


 その上、サリーの悪口まで!ふざけるのも大概にしてくれ。陛下、私もメリンダ嬢の厳罰を望みます。サリーが安心してこの国で暮すためには、メリンダ嬢は排除しないといけない危険人物。


 これ以上サリーを傷つける者は、絶対に許さない!」


 涙を流しながら必死に訴えるローレティエン公爵の姿に、皆が一斉に固まっている。まさか彼が、サリーの為に怒りをあらわにするだなんて、皆思ってもみなかったのだろう。


「父親でもあるローレティエン公爵が、こう言っているのです。私もメリンダ嬢の厳罰を望みます」


「「「「私もです」」」」


 貴族たちが、次々とメリンダ嬢の厳罰に賛成の意を示したのだ。


「それでは、メリンダ嬢を正式に訴える方向で進めましょう。すぐにメリンダ嬢の逮捕状を作成し、メリンダ嬢を拘束してくれ」


「承知いたしました」


 近くに控えていた執事に指示を出す。


「お待ちください、どうかご慈悲を…」


 必死に叫びながら、部屋から出ていくファッショレ侯爵を見送る。これで正式にメリンダ嬢を裁く事が出来る。もちろん裁判が終わるまでは、油断できない。


 それでも大きく前進したことで、胸をホッとなでおろしたのだった。

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