ジョージ殿下とサリーのIFストーリー~ジョージ視点~【19】
翌日、全ての準備を整え、会議室へと向かった。僕が会議室につくと、既にたくさんの貴族が集まっていた。そしていよいよ、貴族会議がスタートした。
「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。今日はファッショレ侯爵家のメリンダ嬢の行いについて話し合いたいと思い、皆様に集まって頂きました」
早速メリンダ嬢の件について、話し始めると…
「私もその件に関して、一度話し合いたいと思っていたのです。メリンダ嬢は、サリー嬢が婚約者候補だった頃から、ジョージ殿下に近づき、必要以上に接触していた様ですね。本来婚約者候補がいる殿下に、必要以上に接触するのはいかがなものかと思っていたのです」
「私も同じ事を思っておりました。それもジョージ殿下のお誕生日兼婚約者発表の日での発言。あれはさすがに、容認できることではありません。そもそも、彼女は殿下の婚約者候補を選ぶとき、一番に辞退を申し出ていた様に記憶しておりますが?」
「確かにそうでしたね。“私は痛いのが苦手ですので”と、はっきりとおっしゃっていらっしゃいました。その上、婚約者辞退の契約書にもサインしていましたし」
侯爵以上の貴族を中心に、疑問の声が上がる。
「今回は伯爵の方も参加しておりますので、私から分かりやすくお話しましょう。知っておられる方もいらっしゃるでしょうが、私は魔力が不安定で、16歳まで令嬢から魔力を提供してもらわないと生きられない体でした。
その為、私の婚約者になる条件として、私の魔力が安定する16歳まで魔力を提供できる令嬢が、絶対的条件だったのです。メリンダ嬢を含め、令嬢たちが次々と辞退を申し出る中、唯一私の婚約者候補に立候補してくれたのが、サリーでした。
サリーは約束通り、4年もの間、私に魔力を提供してくれたのです。サリーが日々体調が悪く、ガリガリに痩せてしまっていたのは、全て私に魔力を提供し続けた結果だったのです。それほどまでに、魔力提供というのは、心身共に負担が大きいのですよ」
「何と…だからサリー様は、いつもあんなに体調が悪そうだったのか…」
何も知らない伯爵以下の貴族たちが、驚きの表情をしている。
「皆様、こちらをお聞きください」
記憶を取り戻したあの日、こっそりと録音しておいた音声を、貴族たちに聞かせた。その瞬間、ざわめきが起こる。
「ここに辞退した令嬢たちのサインがあります。もちろん、メリンダ嬢のサインも。本来なら彼女は、私の婚約者になる事は出来ないのです。それなのにメリンダ嬢は、私に近づいた。そう、彼女は魔力提供という辛い事だけサリーに押し付け、次期王妃という美味しいところだけ手に入れようとしたのです。
その上、私にサリーが私を嫌っていると、嘘の情報まで流して…お恥ずかしい事に、私は彼女の嘘を最初は信じ、サリーにつらく当たっておりました。ですが、途中で違和感を抱き、何とか間違いに気が付く事が出来たのです。
ですがもし私が、間違いに気が付かなかったら…本来サリーが受けるべき権利を、メリンダ嬢に奪われていたかもしれません。
そもそも、魔力を提供する者が王太子の婚約者になれるという、代々決まれられている法律を、こうも簡単に破るだなんて、許しがたい事です。その上、契約書までかわしているのに。これは立派な国家反逆罪です。また、サリーに関する悪い情報を流しただけでなく、自分こそが本来王妃にふさわしいと、触れ回っていたそうではないですか?
メリンダ嬢には、王妃になる資格すらないのに…これは立派なサリーに対する侮辱罪です。
こちらがメリンダ嬢が他の貴族にサリーの悪い噂や、自分が王妃にふさわしいと触れ回っていた証拠です。映像もあります」
早速証拠を皆に見せた。
「これはさすがに酷い…殿下のおっしゃる通り、立派な国家反逆罪であり、サリー嬢に対する侮辱行為に当たるな…」
「メリンダ嬢のやった事は、到底許される事ではない。こんな事がまかり通ったら、今後婚約者候補になってくれる人がいなくなってしまう。陛下、メリンダ嬢に厳しい処分を!」
「そうだな…まさか私も、メリンダ嬢がジョージに、その様な嘘を吹き込んでいただなんて。そもそも彼女は、一番に婚約者候補を辞退した。このままお咎めなしという訳にはいかないだろう…」




