ジョージ殿下とサリーのIFストーリー~ジョージ視点~【9】
「皆の者、今日でジョージは16歳になった。ジョージがこの日を迎える事が出来たのも、皆のお陰だ。そして今日、ジョージの婚約者を正式に発表する。
ジョージの婚約者は、サリー・ローレティエンに決定した。まだまだ未熟な2人だが、どうか2人を支えてやってほしい」
父上が1度目と同じセリフを口にする。ただ、あの時と違うのは、最後まで父上が言い切った事だ。1度目の時は、僕が途中で遮ってしまったからな…だが、もちろん今回は、邪魔をするつもりはない。
父上の話が終わると同時に、大きな拍手が沸き上がった。
「皆様、本日は私の為に集まって下さり、ありがとうございます。今日という日を迎える事が出来たのも、全て皆様のお陰です。今後はサリーと共に、より良い国を作りたいと思っております。まだまだ未熟者ですが、どうかよろしくお願いいたします」
サリーと共に、2人で頭を下げた。さらに大きな拍手が沸き上がった。
“サリー、皆が僕たちの婚約を祝福してくれているよ。幸せになろうね”
そっとサリーの耳元でささやいた。少し頬を赤らめ、嬉しそうに“はい”と呟くサリー。そんな彼女を見たら、なんだか胸が熱くなった。
その後は予定通り、そのままパーティへとうつる。
「ジョージ殿下、サリー様、ご婚約おめでとうございます。今日のサリー様のドレス、殿下の瞳の色を意識されているのですか?とても素敵ですわ」
僕たちの元にやって来たのは、いつもこちらを睨んでいた公爵・侯爵令嬢たちだ。穏やかな表情を浮かべながら、こちらにやって来た彼女たち。
「ありがとうございます。このドレスは今日、ジョージ様が選んでくださいまして」
嬉しそうなサリー。その顔を見たら、僕まで嬉しくなる。
「サリー様の嬉しそうなお顔、久しぶりに拝見いたしましたわ」
「殿下、今後はどうかサリー様だけを、大切にして差し上げて下さいね」
「サリー様、よろしければ今後、我が家のお茶会にも来てくださいね」
「何か困ったことがあれば、いつでもご相談ください。それでは私共は、失礼いたしますわ」
笑顔で去っていく令嬢たち。彼女たちは1度目の生から、ずっとサリーを気にかけていた。確かマレリス王国では、サリーは友人たちが出来たと言っていた。この国でも、サリーには友人達とも楽しい時間を過ごしてほしい。
彼女たちなら、サリーの良き相談相手兼友人になってくれるだろう。
「サリー、今度彼女たちを呼んで、お茶会をしたらどうだい?きっと彼女たちとなら、仲良くなれるのではないかな」
「お茶会ですか?ですが、来てくださるかしら?」
「ああ、きっと来てくれるよ。段取りは母上に聞きながら進めるといい。君はもう、僕の婚約者だ。大きな顔をして、この王宮を使えばいいから」
サリーには1度目の生と同じものを…いいや、それ以上のものを与えてあげたい。そう思っている。
「あら、いいじゃない。あの子たちの母親とは私も仲良しだし、早速手配を進めるわね」
いつの間にか僕たちの傍にやって来ていた母上が、早速お茶会の準備を進めると言ってくれたのだ。
「ありがとうございます、ではお茶会の件、早急に進めて下さいね。サリーもそれでいいよね?」
「はい…」
嬉しそうに頷くサリー。
その時だった。
「ジョージさまぁ~~」
この声は…
嬉しそうな顔をして、こちらにやって来るメリンダ嬢。僕に抱き着こうとする彼女を、スルリトかわした。
「もう、どうしてよけるのですか?お可哀そうに、結局ジョージ様は、サリー様と婚約させられたのね。ジョージ様はずっと、私との婚約を望んでいたのに…」
この女は、一体何を言っているのだろう。そもそも君は、僕の婚約者候補を一番に拒否したくせに。それなのに!
「メリンダ嬢、僕は別に君との婚約を望んではないよ。だが…一度君とは話をした方がよさそうだね」
にっこり微笑みながら、はっきりとメリンダ嬢に告げた。だがこの女、何かを勘違いした様で…
「まあ、王宮にご招待して頂けるのですか?もちろん参りますわ。そうですわよね、陛下たちを説得するのには、少し時間がかかりますものね。私、どれだけでも待ちますから」
訳の分からない事を言っている。この女、頭は大丈夫なのか?あまりにも大きな声でメリンダ嬢が話すから、皆が注目している。
「何を期待しているのだい?メリンダ嬢は、何を望んでいるのかな?」
せっかくなので、彼女の気持ちを皆に聞いてもらう事にした。




