ジョージ殿下とサリーのIFストーリー~ジョージ視点~【6】
急いでサリーのいる部屋に入る。するとそこには、何と母上の姿が。サリーのベッドの近くに置いてあったイスに座り、サリーと話をしていたのだ。
「母上、なぜあなたがここにいるのですか?勝手にサリーの部屋に入らないで下さい!」
「ジョージ、戻って来たのね。私はただ、サリーちゃんが心配で見に来たのよ。まさかあなたが、サリーちゃんを気遣うだなんて。一体何を企んでいるのかと思ってね」
企んでいるだって?いくら母上でも、失礼すぎるだろう!そう言いたいが、今までの僕の行いを考えれば、疑われても当然だ。
「別に何も企んでいませんよ。サリーは明日、正式に僕の婚約者になる女性です。ずっと体調が悪そうにしていたサリーを気遣うのは、当然でしょう。サリー、目が覚めたのだね。すぐに食事にしよう。
母上、邪魔なので出て行ってもらえますか?」
シッシッと母上を追いかえそうとするが、なぜか出ていかない。
「せっかくだから、私も一緒にこの部屋でサリーちゃんと食事をするわ。大勢で食べた方が、食事も進むものね。あなた達、すぐに食事の準備をして頂戴」
母上が勝手に使用人に指示を出したのだ。勝手な事ばかりして!だが、サリーはなんだか嬉しそうだ。
仕方なく、3人で食事を摂る事にした。
「サリー、君はあまり動かない方がいい。僕が席まで連れていくね」
「そこまでして頂かなくても…」
遠慮するサリーの言葉を遮るように、サリーを抱きかかえた。その瞬間、言葉を失う。なんて軽いんだ…まるで人形を抱いている様な、それほどまでに軽い。
「ジョージ、サリーちゃんを抱きかかえたまま何を固まっているの?早くサリーちゃんを椅子に座らせてあげて」
母上の言葉にハッとし、急いでサリーを椅子に座らせた。見た目以上にサリーは痩せていたのだな…こんな状況になるまで放置していただなんて…申し訳なくて、涙がこみ上げてくる。
「サリー、まだあまり食欲がないだろうから、具がたくさん入ったスープを準備したよ。少しでもいいから、食べて」
「ありがとうございます、頂きますわ」
「僕が食べさせるよ。何が食べたい?スープかい?果物かい?」
「ありがとうございます、ジョージ様。ですが自分で食べられますわ。ジョージ様も、どうかご自分の食事を進めて下さい」
「いいや、僕が食べさせたいんだ。君は僕の大切な人だから」
「大切な人…」
ポツリとサリーが呟いた。そして美しい瞳からポロポロと涙を流したのだ。
「サリー、どうして泣くのだい?もしかして僕が食べさせるのが、嫌だったのかい?そうだよね、君はもう15歳だ。それなのに、子ども扱いをしてすまなかった」
どうしよう、サリーを泣かせてしまった。オロオロとする僕に対し、サリーは
「そうではないのです、私、嬉しくて…ジョージ様にも嫌われてしまったと思っていたので。ですがこんな風に優しくして頂けるだなんて…なんだか昔に戻った様で」
そう言うと、サリーが泣きながらもにっこりとほほ笑んだのだ。
「サリー、今まで本当にすまなかった。僕のせいで、サリーはずっと苦しんできたのだよね。本当に僕は、どうしようもない男だ。これからはずっと傍にいて、君を守るから。だからどうか、もう泣かないで」
サリーを抱きしめ、必死に訴える。少し優しくしただけなのに、泣くほど喜んでくれるだなんて。今までの僕は、どれほど酷い男だったのだろうか。申し訳なさすぎて、涙がこみ上げてくるのを必死に堪えた。
「サリーちゃんにはいつも辛い思いをさせてしまって、ごめんなさい。ジョージもやっと、目が覚めた様ね。さあ、ジョージもサリーちゃんも、食事を続けましょう。せっかくの料理が、冷めてしまうわ」
「そうだね、サリー、食べよう。たくさん食べて、早く体調を戻そう」
「はい」
その後もサリーの世話を焼きつつ、食事を進めていく。お昼とは違い、夜はたくさん食べてくれたサリー。もちろん完食とまではいかないが、それでもデザートまで食べる事が出来た様だ。




