ジョージ殿下とサリーのIFストーリー~ジョージ視点~【4】
サリーがいる部屋の前までやって来た。この部屋に、サリーが…
50年もの間、ずっと会いたかったサリー。そんなサリーが、この部屋の奥にいる。夢にまで見たサリーが…
ゆっくりとドアをノックし、ドアノブに手をかけた。心臓がバクバクして、手が震える。それでもドアを開けると、そこには頬がこけ、目にクマが出来、真っ青な顔をしたサリーが立っていたのだ。
ガリガリに痩せ、髪も艶がなく、今にも倒れそうなサリーの姿を見た瞬間、涙が込みあげるのを必死に堪えた。
「サリー」
サリーに駆け寄ると、そのまま抱きしめた。今にも折れそうなやせ細った体、こんなにもボロボロになって、全て僕のせいだ!こんなにも酷い状況なのに、彼女はずっと僕に魔力を提供してくれていた。
それなのに僕は…
抑えていた感情が一気にあふれ出し、涙が次から次へと溢れだす。サリー、すまない!僕のせいでこんな姿になってしまって、本当にすまない。
「ジョージ様、一体どうされたのですか?」
しまった、つい興奮してしまった。
「すまない、急に抱きしめたりして。それにしても、随分体調が悪そうだね。その格好では苦しいだろう。すぐに楽な格好に着替えないと。君たち、サリーを楽な格好に着替えさせてくれ。着替えが終わったら、一旦サリーをベッドに
僕も用事を済ませたら、すぐに戻って来るから」
「ジョージ様、私は…」
「君は僕の婚約者候補だ。明日には僕の正式な婚約者になるのだから、気にしないでくれ。君たち、すぐに頼む」
「「「承知いたしました」」」
サリーを使用人に託し、一旦部屋から出た。すぐに執事を呼び出し、サリーに栄養のなる食べ物を準備する様に伝えると同時に、ある人物の元へと向かった。
「ローレティエン公爵殿、お忙しいところ申し訳ございません。サリーの事なのですが、体調が悪そうですので、しばらく王宮に泊まらせようと考えております。サリーの専属メイドたちも一緒に連れていきたいのですが、よろしいでしょうか?」
そう、サリーの父、ローレティエン公爵の元だ。
「サリーをですか?どうぞ好きになさってください」
そうポツリと呟くと、すぐに書類に目を向ける
「ありがとうございます。それでは失礼いたします」
予想通り、あっさり許可が下りた。ローレティエン公爵…あの男も何とかしないといけないが…今はサリーの体調を戻すことが専決だ。
急いでサリーのいる部屋に戻る。するとベッドの周りをウロウロとしているサリーの姿が。
「サリー、どうしたのだい?ベッドで休んでいる様に、使用人には伝えていたのに。とにかくベッドで休んでくれ」
今にも倒れそうなほど、体調が悪そうなサリーの手を引き、そのままベッドに寝かせた。
「ジョージ様、私は大丈夫ですわ。そろそろお屋敷に戻らないと」
「その件なのだが、さっき君の父親に話しをして、体調がよくなるまでは王宮で暮す旨を伝えて来たよ。君たち、しばらくサリーは王宮で過ごすことになるだろうから、屋敷に戻って必要な物を持ってきてくれ。
それから、サリー専属のメイドたちも、サリーと一緒に王宮で面倒を見るから、そのつもりで」
「承知いたしました。すぐに手配をいたします」
近くに控えていたサリー専属使用人の1人に伝えた。一瞬大きく目を開いた使用人だったが、すぐに僕の言った事を理解した様で、部屋から出て行った。
「あの…ジョージ様、私が王宮で過ごすとは一体…」
「サリー、今まで君には寂しい思いをさせてしまってすまなかった。こんな僕だけれど、これからも傍にいてくれるかい?」
昨日の夜、サリーは僕に最後の魔力提供を行った。そのせいで、今日は一段と顔色が悪い。もし魔力提供をする前に戻れていたら、サリーに痛い思いも苦しい思いもさせずに済んだのに…
その為に何年もかけ、薬を開発した。だが、残念な事に、僕の2度目の生は、魔力提供が終わった日から始まってしまったのだ。
…いいや、文句を言うのはお門違いだろう。どんな形であれ、僕に2度目の生を与えて下さったのだから、神様には感謝しないと!
「ジョージ様、一体どうされたのですか?もちろん、ずっと傍におりますわ。ですが、王宮でお世話になる訳には…」




