ジョージ殿下とサリーのIFストーリー~ジョージ視点~【3】
「サリー様が、伯爵以下の令嬢から暴言をですか?その様な事でしたら、ぜひ協力いたします。ですがあなた様は、メリンダ嬢の事が…」
「確かにこの前は、父上にメリンダ嬢と婚約したいと愚かな事を申し出たのは確かだ。だが、よく考えたらあんな女よりも、サリーの方が魅力的だと気が付いたのだよ。それに元々メリンダ嬢が、しつこく僕の婚約者になりたいと迫って来たからね。
あまりにもしつこいから、つい父上にあのような愚かな事を言ってしまっただけだよ。とにかくもう二度と、そんな愚かな事は言わないから、安心してほしい」
「なんと!メリンダ様が、殿下にその様な事をですか!」
口を押えて固まっている執事。
「それじゃあ、行ってくるよ。それから、護衛に伝えてほしい。もしサリーがお茶会を途中で抜け出そうとしたら、その時は王宮にあるサリーの為に準備した部屋に連れて来て、休ませてやってくれ。
その後僕も、サリーに会いに行くから。いいね、絶対だよ」
「承知いたしました。護衛に伝えておきます」
執事に指示を出すと、そのままお茶会の会場へとやって来た。すると
「ジョージ様」
一瞬で背筋が凍り付くような嫌悪感が襲う。この声、間違いない。メリンダ嬢だ。
気持ちの悪い笑みを浮かべながら、こちらにやって来てそのままくっ付いて来た。一気に背筋が凍り付く。すっとメリンダ嬢から離れた。
「もう、ジョージ様ったら、急にどうしたのですか?それよりも、私との婚約の話、陛下にして下さいましたか?」
上目使いで、僕を見つめるメリンダ嬢。改めて思うが、僕はどうしてこんな女を好きになったのだろう…自分が情けない。こんな女、さっさとあしらいたいところだが、今は我慢だ。
「その件なのだが、父上から婚約者はサリーだ、メリンダ嬢との婚約なんて認めない!と言われてね。やはり君との婚約は、無理なのかもしれない。そもそもサリーは、本当に僕の事を嫌っているのかな?」
「まあ、陛下ったら酷いですわね。私とジョージ様は愛し合っているのに。もう、ジョージ様ったら、急にどうされたのですか?サリー様は体調を崩されるほど、ジョージ様との婚約が嫌なのですよ。ジョージ様の婚約者候補だって、父親に無理やり言われて仕方なくなったのでしょう。
そんな方と婚約をしても、ジョージ様は幸せになれませんわ」
「でも、サリーに実際聞いたわけでもないし、やはり一度サリーに本心を聞いた方がいいのかもしれないね」
「その必要はありませんわ。実は昔、サリー様と話す機会があったのです。その時本人の口から、はっきりとジョージ様との婚約を望んでいないと聞きましたわ」
この女、よくもそんな出鱈目を!こみ上げる怒りを必死に堪える。
「それじゃあサリーは、やっぱり僕の事が嫌いなのだね…メリンダ嬢は、僕の婚約者になりたいのかい?」
「もちろんですわ。私はジョージ様の婚約者になりたいです。ジョージ様の傍にいて、あなた様を支えたいと思っておりますわ」
「…僕を支えたい…ねぇ」
「ジョージ様?」
「いいや、何でもないよ…すまない、明日の準備があるから、そろそろ行くね。また明日」
「もう行ってしまわれるのですか?寂しいです。ジョージ様、予定通り、明日私と婚約する旨を、皆様に話してくださいね。私、ジョージ様と婚約できるのを、楽しみにしておりますので」
「…そうだね。その準備もあるから、そろそろ行くよ」
この女、好き勝手言って!だが…以前の僕は、この女の言う事を鵜呑みにして、明日この女と婚約をしたいと皆の前で申し出るのだったな…本当に、どこまで愚かだったのだろう。
だが、今回はそんな愚かな事は絶対にしない!
ふと令嬢たちの視線を感じた。今日も婚約者候補に名前が挙がっていた令嬢たちが、こちらを見てヒソヒソとしていた。心底僕を軽蔑する様な眼差しを向ける彼女たち。
そんな彼女たちから目線をそらし、王宮へと向かった。そしてすぐに執事を呼び出した。
「サリーは今どこにいるのだい?王宮で休ませているのだよね?」
「はい、今サリー様のお部屋にいらっしゃいます。護衛の話では、最初は遠慮していた様ですが、殿下の指示だと話すと、素直に応じて下さったようです。それからこちらが、護衛から入手した映像です」
「ありがとう。助かるよ。それじゃあ僕は、サリーの元に向かうから」
執事からデータを受け取ると、そのままサリーの元へと向かったのだった。




