↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
111/134

ジョージ殿下とサリーのIFストーリー~ジョージ視点~【2】

「…殿下、起きて下さい。ジョージ殿下!」


 パチリと目を覚ますと、見覚えのある天井が。


「殿下、やっと目覚められたのですね」


「君は…」


 20年前に亡くなった執事が、目の前にいる。それも随分若い。一体何が起こっているのだ?私は今さっき、息を引き取ったはずなのに。ここは天国なのか?


「どうして君がここにいるのだい?もしかして私は、夢を見ているのか?」


 あれ?声が幼い気がする。それに手も皺ひとつないし…


「ジョージ殿下、寝ぼけていらっしゃるのですか?それとも既に陛下になられたおつもりですか?とにかく、今日は王宮でお茶会が行われる日です。明日には殿下の16歳のお誕生日兼、婚約者の発表の日ですよ。寝ぼけていないで、すぐに準備をして下さい」


 はぁっとため息をつきながら、執事があり得ない事を言いだしたのだ。


 明日は16歳の誕生日だって…あり得ない。だが…


 飛び起きると、急いで姿鏡の前に立つ。


「あれ?幼い…」


 明らかに若返っているではないか。これは一体、何が起こっているのだ?やはり夢を見ているのか?だが…


「明日は僕の16歳のお誕生日だと言ったね。それは本当かい?」


「殿下、まだ寝ぼけられていらっしゃるのですか?本当にもう…はい、そうでございますよ。とにかく今日は、王宮でお茶会がございますので、ご準備をお願いいたします。それから殿下、メリンダ嬢と婚約をしたいと陛下に直談判に行ったそうですが、あなた様が婚約されるのは、サリー様です。


 これはもう、決定事項なのです。ですのでもう二度と、メリンダ嬢と結婚したいだなんて愚かな事をおっしゃるのはお止め下さい。分かりましたね」


 この言葉…


 確かに16歳の誕生日の前日、執事に言われた言葉だ。だがあの時の僕は、執事の言葉を煩わしいと感じ、適当に返事をしてあしらっていた。


 あの時の僕は、本当に愚かで…て、今はそんな事を考えている場合ではない。どうやら僕は、誕生日の前日に戻った様だ。


 これは夢か?


 そっとほっぺたをつねる。


「痛い…」


「殿下、何をなさっているのですか!バカな事をなさっていないで、すぐに着替えて下さい」


 どうやら夢ではない様だ。という事は…


「すぐに着替えさせてくれ!今すぐだ」


 何度も何度も過去に戻れたら…そう願った事か。もし過去に戻れたら、こうしたかった。ああしたかったと、何度も妄想した。50年間、ずっと…


 着替えを済ませると、あるものを取り出し胸に付けた。


 さらに…


「今日はサリーもお茶会に来る予定になっていたよね。悪いがサリーに、護衛を1人付けてくれるかい?サリーにバレない様に頼む。それから護衛には、サリーの様子をずっと撮影する様に伝えてくれ。もちろん、お茶会の間だけでいいから」


「サリー様をですか?」


 怪訝そうな顔をする執事。


「ああ、そうだよ。ちょっと気になる事があってね。いいかい、もしサリーの様子がおかしかったりしたら、すぐに僕に報告してくれ。そう伝えてくれ」


「承知いたしました…ですがサリー様のあら探しをしようとしても、無意味かと…」


 どうやら執事は、僕がサリーのあら探しをしようとしていると思っている様だ。


「何か誤解している様だから言うが、どうやらサリーは、伯爵以下の令嬢から暴言を吐かれている様でね。そもそもサリーは、公爵令嬢で僕の婚約者候補だ。そんな女性に暴言を吐くだなんて、許しがたい事だからね。


 だから証拠を握りたいだけだよ。協力してくれるかい?」


 昔あの女…メリンダ嬢が言っていた。サリーはずっと、陰で伯爵以下の令嬢から、暴言を吐かれていたと。その言葉がずっと引っかかっていたのだ。


 もしも…もしも過去に戻れるのなら、全てのものからサリーを守りたい。この50年、何度も過去に戻り、サリーを助ける妄想をした。もちろん、決して叶う事はなかったが…


 だが、ひょんなことから、過去に戻れたのだ。きっと神様が、僕の妄想を試してみろと言っているのだろう。


 50年間温めてきた僕の思いを、今度こそぶつけるときが来たのだ。絶対に今度は、僕の手でサリーを幸せにして見せる。


 絶対に…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。