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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第105話:何となくわかっていたけれど~ジョージ視点~

「ジョージ、これで諦めがついたでしょう?サリーちゃんはもう、この国で新しい人生を歩み始めているのよ。アマリリスの話では、この国に来てからずっと、ルーカス様が傍に寄り添い、サリーちゃんを支えていたそうなの。


 もうあなたが入り込める隙は無いの。


 それにしてもサリーちゃんは、本当に優しい子ね。あんな酷い事をしたのに、責める言葉も不満の言葉も漏らさずに…私だったら嫌味の一つでも言ってしまうわ」


 母上の言う通りだ。サリーは終始、僕に申し訳なさそうな顔をしていた。僕の事を最後まで気遣ってくれていた。4年もの間、僕は魔力を提供してくれていたサリーに対し、冷たい態度をとり、他の令嬢にうつつを抜かしていた最低な人間なのに。


 思い返してみれば、僕がメリンダ嬢と婚約したいと言い出した時も、あなたが幸せになれるのでしたら、そう言って身を引いたのだ。


 サリーは最後まで、僕の事を思い考えてくれていたのだ。こんなにも素敵な女性を、僕は自らの手で手放しただなんて…


 分かっている、自分が何をしなければいけないかは。サリーはもう、この国でルーカス殿との未来を見ている。僕なんて、とても入り込める隙など無い事くらい。


 それでも僕は…まだサリーとお別れする決心がつかないのだ。もう1ミリも僕の元に戻って来てくれることはない。それでも僕は…


「王太子殿下、今回の件、本当に申し訳ございませんでした。どうしてこのような事になったのか、早急に捜査をいたします。あの女は北の国の修道院で生活をしていたのに、どうやって逃げだしたのか。


 そしてどのようにこの国に入国して、どのように王宮に忍び込んでいたのか。その件を徹底的に解明するまで、どうか僕をこの国に置いてくださいませんでしょうか?」


 散々彼には迷惑をかけた。その事は重々承知している。だが!あの女だけは、絶対に許せないのだ。もうあの女はこの世にはいない、魂までも消滅したため、今後生まれ変わる事すらない。


 だが、このまま有耶無耶にすることなんて、絶対にできない!もしかしたら、自国にあの女の協力者がいたのかもしれない。


 全貌を徹底的に暴かないと!


「もちろんです、私も協力いたします。どうやって修道院を抜け出したのか、そしてどうやってこの王宮に入り込んだのか!我が国の王宮使用人は、身分がしっかりしている者しか雇う事はありません。


 それに必ず紹介状が必要なのです。その条件をクリアしたもののみ働ける王宮に、どうしてその様な女性が潜り込めたのか。王宮の安全面を揺るがす大事件ですので、徹底的に解明しましょう」


「ありがとうございます、あなたには、いつも助けられてばかりですね」


「それはお互い様です。ミレンズ王国のお陰で、我が家は随分潤っておりますので」


 そう言って笑った王太子殿下、本当に彼は素敵な人だ。


 せっかく王太子殿下のご厚意で、この国に留まりあの女の事を調べる時間を与えられたのだ。早速動き出さないと!それから、今回の件を、父上にも伝えよう。


 そして自国に残っている者たちにも、協力してもらわないと!


 その日から、あの女の調査が開始された。ミレンズ王国での調査はもちろん、マレリス王国でも大捜査が開始された。有難い事に、ミレンズ王国ではサリーの兄、サレオ殿が積極的に動いてくれた。


 公爵が今、酷い怪我でマレリス王国で療養中という事で、公爵家の仕事を一手に引き受けているサレオ殿。ただでさえ大変なのに、そう思いやんわりと断ろうとしたのだが


 “大切な妹と父を酷い目に遭わせたあの女が許せないのです!ですから、どうか私にも協力させてください”


 そう言われたのだ。少し前まで、家族なんて興味がありませんみたいな顔をしていたのに。きっと彼を変えたのも、サリーなのだろう。


 そしてマレリス王国では、サリーの叔父、グラッサム公爵とルーカス殿も積極的に調査に参加してくれている。


 ルーカス殿は非常に優秀な様で、彼のお陰で調査もかなり進んでいる。ただ、あまり家を空けたくはないのか、王宮での調査が終わると、一目散に帰ってしまう。きっとサリーの事が、心配なのだろう。


 正直サリーの事を考えると、胸が締め付けられる。だが、今はそんな事を考えてはいられない。


 僕も寝る間も惜しんで、調査に参加する。膨大な資料を確認しながら、指示を出す。


 そんな日々が1ヶ月ほど続いた。


 そして、全ての全貌が明らかになったのだ。

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