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あなたに全てを捧げてきたけれど…これからは自分の為に生きます  作者: Karamimi


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第101話:色々あったけれど

「サリー、泣かないおくれ。サリーの涙を見ると、胸が締め付けられるんだ。私はもう平気だから」


 お父様がゆっくりと起き上がろうとしたのだが、フラフラと再び倒れ込んでしまった。


「お父様、ご無理をなさらないで下さい」


「ちょっとふらついただけだ、少し休めば元気になるよ」


 そう言って笑ったお父様。本当に大丈夫なのかしら?


「お義兄様ったら、無理をして。でも、2人とも助かって本当によかったわ。王太子殿下、お義兄様は我が家で一旦療養して頂きますわね。お義兄様もサリーも、それでよろしいですね」


「ええ、もちろんですわ。お父様は私のせいでこんな状況になってしまったのです。私がしっかりお世話をさせていただきますわ」


 任せて下さい!と言わんばかりに、胸を叩いた。


「アマリリス…本当にいいのかい?私を屋敷に招き入れるだなんて…」


「もちろんですわ、お義兄様、サリーを救って下さり、ありがとうございます。あなたはサリーの命の恩人ですから。すぐにお義兄様がグラッサム公爵家で療養できるように、準備をして頂戴」


「かしこまりました」


 叔母様が近くに控えていたグラッサム公爵家の執事や使用人たちに、指示を出す。すぐに動き出す使用人たち。


 お父様も使用人たちによって、担ぎ出されていった。


「それでは私共も、これで失礼いたします。ローレティエン公爵による治療を受けたとはいえ、まだサリーの体調も万全ではありませんので」


 叔父様が周りの人たちに挨拶をした。私も急いで立ち上がろうとしたのだが、立ち眩みがしてそのまま倒れそうになったところを、ルーカス様に受け止められた。


「サリー、君は今さっきまで命を落としかけていたのだよ。出血も酷かったし。何よりも、まだ顔色が良くないね。とにかく僕が屋敷まで運ぶから、動かないで」


 すかさずルーカス様に抱きかかえられたのだ。


「サリーちゃん、大丈夫?本当に顔色が悪いわ。まさかメリンダ嬢があのような事をするだなんて…マレリス王国の王太子殿下、我が国の人間があのような騒ぎを起こしてしまった事、本当に申し訳ございませんでした」


 王妃殿下が頭を下げた。隣でジョージ殿下も頭を下げている。


「お2人とも、頭をあげて下さい。こちらこそ、安全なはずの王宮で部外者を侵入させてしまった事、さらにサリー譲とローレティエン公爵殿に大けがを負わせてしまった事、本当に申し訳なく思っております。


 今後このような事がない様に、警備の徹底を行います」


 そう言うと、今度は我が国の王太子殿下が頭を下げたのだ。


「とにかく皆様、色々とお疲れでしょう。今日はどうかゆっくり休んでください。サリー嬢、安全なはずの王宮で襲われた事、本当に申し訳なく思っている」


 今度は私の方にやって来て、頭を下げる王太子殿下。


「どうか頭をあげて下さい。こちらこそ、ミレンズ王国の人間が多大なるご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございませんでした」


 とはいえ、メリンダ様が私を殺したいほど憎んでいただなんて…どうしてそこまで憎まれていたのか、原因がよくわからない。


 ただ…メリンダ様はもうこの世にはいないうえ、魂も消滅してしまった。彼女の気持ちを知る事は、今後一生ないだろう。


「それでは私たちはこれで」


 叔父様と叔母様、ルーカス様と一緒に部屋を出た。


 まさかお父様と王妃殿下が、わざわざこの国に来てくださっていただなんて、夢にも思わなかった。それにメリンダ様の事も…


 今日は色々とあったが、それでも全て解決した。ジョージ殿下にもルーカス様にも、きちんと私の気持ちを伝えられた。


 お父様ともこんな形にはなってしまったが、和解も出来た。まさかお父様が、私の為に命を懸けて下さるだなんて…


 何だか眠くなってきた…相変わらずルーカス様の腕の中は、とても温かい。今日はとても疲れた。


 まだ完全に傷が癒えていないうえ、安堵感も加わりそのまま眠りについてしまったのだった。

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