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Elevator_Girl  作者: 深町珠
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33/66

落語


「なんだ?」と、松之は面食らう。



「洗濯屋さんはランドリー、

芸事、家元、本家に名トリ」


「わはははは。」

調子よく続くので、松之は愉快になった。



「ようやく笑ったか。」と、深町は笑顔でそう言う。


官庁街の向かい、お城跡公園前の舗道で

楽器を抱えたまま、こんな事をしていたので

新しいパフォーマンスか、と、人だかりがしてきてしまった。


そう言えば、この街はパフォーマンスの祭りがあるのだった。と、深町は思い出した。


「ご来訪、ありがとうございまーす。じゃ、次の曲。」



と、深町は、なぜか「サザエさん」のテーマを弾き出したので、松之は慌てて。

この日はアコーディオンをサークルから借りてきたのでそれで、バッキング。



....なんか、調子良い奴だけど。

シュウと居ると、なんか楽だな。

松之は、友人の思いやりに感謝しながら

なれないアコーディオン、左手でコード、

右手でオブリを入れた。

なかなか、風を送りながら弾くのは

難しいな、と思いながら。



もう、お堀端の桜も散り、今は藤の季節...

雨の季節ももうすぐだな..

松之は、遠い空の向こうの雨の匂いが

感じ取れたような気がしていた。


Scene #14 cut #1


その日は、早めにバスキングを止めて

気分転換に、ぶらぶらしようか、と深町が言い

楽器をケースに納めて、駅のコンコースを抜け

たまたま来たバスに、飛び乗った。


どこへいくんだよ、と松之は尋ねるが

行き先を決めないから「旅」なんだよと

深町は、本当にあてもない様子だったので

なんとなく不安になる松之だったが....



ま、このくらいなら...。

気分転換に丁度良いかな、とも思っていた。



バスは、最初のうち南に向かって走っていたが

消防署のところで東に折れたので、深町は

なんとなくチャイムを鳴らし、降車した。



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