第六航空遊撃隊
読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!
訓練を終えた三機は、期待通りに無事に着陸する。手早く機体のチェックを終えた彼らは一路、司令室へと向かった。司令室への入室許可を得て、気密隔壁を開けばそこには満足そうな表情のレギュータスが座っている。
「ホルン、グレン、リベット。本日の訓練は終了だ。諸君らの実力は評判通りだったようだな。このままいけば予定通りに実戦部隊への配備となるだろう。このまま励め。」
「はっ!ありがとうございます!」
「教官、訓練はこのまま予定通りの進行ですか?」
「あぁ、特に遅れもないからな。着実に行くぞ。」
「了解しました。」
「それでは諸君、解散!」
「「「失礼します!!」」」
「っと、待った。すまない諸君、伝達事項を忘れていた。」
「と、言いますと?」
「本日付で第五番惑星より、第六航空遊撃隊が本基地に合流する。」
「第六航空遊撃隊・・・ですか。ホルン、知ってるか?」
「いや、聞いたことがない。」
「二人すら知らないとなると、新設の部隊でしょうか?」
「その通りだ。部隊編成を記憶しているとは、勉強熱心だな。」
約三百年前、『慣性航行システム』の誕生という技術ブレイクスルーを迎えた後、この恒星系は同星系に存在するいくつもの惑星に植民を繰り返し、いくつもの組織が生まれた。いつしか、いくつもの惑星を束ねる星間連邦が樹立。
だが、植民から始まった拡大故にいくつもの内乱が生まれ、そしていつしか、連邦主導で平和のための宇宙艦隊が多く生まれていた。幾度かの戦乱や探査中の事故、革命などで編成と改組を繰り返し現在の形に落ち着く。
「よければ、その部隊についてお聞きしても?」
「あぁ。構わない。今度、第七艦隊が第二艦隊と入れ替わりで超長距離の探査航海に出るのは知っているだろう?」
「はい。異星人との接触を目的とした大規模探査航海ですよね。」
「なんでも超長距離の電波通信のようなものを探知したとか?」
「その通り。その第七艦隊の空母に精鋭として搭乗する部隊が第六航空遊撃隊になる。新規編成の部隊故、実戦に先立ち連携訓練をするそうだぞ。」
「なるほど、ありがとうございます。」
「部隊には第二次内惑星動乱の若きエース、フィオや最強のバディと名高いレベラが編成されている。話せるのは今の内だぞ。」
「ありがとうございます。彼らの強さを盗めるだけ、盗んで見せます。」
「ふっ、期待しているぞ。」
若き三人が楽しそうに言葉を交わしながら部屋を出ていく。
彼らが戦場に出る日が来ない方が良いのだが…。そうなったとき、彼らが三人変わらず笑っていられるように、墜とされぬように鍛えるのが教官たる、彼の仕事だった。
ふと、改めて決心を固めている時、司令執務室のドアがたたかれる。
「第六航空遊撃隊、着任挨拶に参りました」
「入れ!」
「「失礼します」」
「隊長のフィオです。本日付けで、第六航空遊撃隊、第十二番惑星外縁防衛プラットフォームに着任しました。」
「同、副隊長のレベラです。よろしくお願いします。」
にこやかに敬礼を見せる二人に、椅子から立ち上がって敬礼を返す。
そして、握手。
「ようこそ、最外縁のプラットフォームへ。基地司令官のレギュータスだ。第二次内惑星動乱の英雄の二人にお目見え出来て光栄だね。」
「うれしいことをおっしゃる。ですが、大佐こそ伝説のエースとして名を馳せているじゃないですか。」
「そうですよ。第一次内惑星動乱からの伝説的戦闘機乗りでしょう?」
「そうでもない。何より自分だけの戦果でもないからな。君たちの様に。」
小隊長のフィオは、五年前に勃発した『第二次内惑星動乱』に初陣を飾り、その勢いのまま三機撃墜、装甲戦闘車四両破壊の大戦果を挙げ、最年少エースと呼ばれている。
その後ろを飾る副隊長、レベラもまた、フィオと共にバディ機として第二次内惑星動乱の戦場を駆け抜け、一機撃墜、対空戦車一両破壊と、フィオに比べて華やかな戦果ではないもののフィオの華々しい活躍を陰から支える立役者。
戦乱から五年経った今となっても現役最強コンビとの話は絶えず、本編成完了次第、第七艦隊の最新鋭航空母艦の乗員となることが決定している。
「ふふ、恐縮です。そういえば、この基地には訓練兵が配備されているとか?」
「あぁ、俺の教え子たちだな。ぜひ、いろいろ教えてやってくれ。」
「了解です。ここを発つ前に一人前にしてしまいましょう。」
「頼もしい限りだが、君たちに教え子を取られてしまわないようにしなければな。」
「あら、司令にはかないませんよ。」
「いうじゃないか。そういえば、他の部隊メンバーはどうした?」
「二人とも疲労がたまっていそうだったので先に食堂です。呼び立てましょうか?」
「いやいい、疲れてまで上官と話すものじゃないさ。」
「ははっ、司令官ははっきりものをいうお人だ。」
「では、小官たちも皆と共に食事をしてまいります。」
「あぁ、訓練についてはまた話そう。」
「はい、それでは」
二人もまた、食堂へと向かっていった。
第二次内惑星動乱。アレの勃発要因を考えれば、この連邦の亀裂はもはや最高潮に達している。もう僚機、部下を死なせるわけにはいかない。命は変わりが効かないのだから。
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