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空間起動訓練

読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!

時は連邦統一期一七九年、恒星『ホド』を中心とした恒星系。

此れは、宇宙の遥か遠く。恒星系の端から始まった、静かなる物語である。


「さて、防衛プラットフォームに配属された訓練兵諸君。おはよう。俺は、此れから君たちの訓練教官となるレギュータスだ。よろしく頼む。」


恒星系の最外縁に存在する、惑星軌道上に建造された防衛プラットフォーム。

この日、其処に四人の兵士が配属された。

一人は、複数回の動乱で名だたる戦果を残してきた熟練兵。残りの三人は、基礎訓練を終えたばかりの訓練兵たち。配属とは名ばかりの実地訓練。それほど、ここ最近の情勢は安定していた。


「君たちがこれから行うのは、初めての空間飛行訓練だ。今までの訓練と違って、これからのミスは死を意味する。浮かれる気持ちは解るが、心して臨むように。」

「「「了解!!」」」

「よし、いい返事だ諸君。まずはこのような作戦室で、作戦の説明を受け、乗機を言い渡される。大きい部隊なら編成も伝えられるだろう。」

「今回は違うのですか?」

「あぁ。小部隊であれば、編成は確定しているからな。作戦内容と乗機の確認のみとなる。」

「了解です。」

「今回は君たち三人、全員この基地にある訓練機体だ。出撃地点は此の周りだな。作戦目標は、全員の訓練完了と帰投とする。それでは諸君、出撃用意。」

「「「はっ!!」」」


三人は威勢よく、駐機されている乗機へと走り出した。

訓練学校時代と変わらぬ、一糸乱れぬ動きを以って。

コックピットに乗り込み、ベルトロックをかけ、素早く離陸確認を行う。


「右フラップ、スタビライザー、スラスターを確認せよ。」


命令通りに、確認を行う。


「左フラップ、スタビライザー、スラスターを確認せよ。」


此方も命令通りだ。異常は見られず、正常に稼働する。


「兵装システムチェック。HUDヘルメットとの同期に異常はないな?」


ヘルメットに表示される情報、電子兵装の残段、エネルギー量など、多くの情報がわかりやすくまとめられている。異常は見られない。


「オールグリーン、了解。機関銃を確認しろ。」


機関銃の安全装置を解除する。すぐに電子系が動き出し、射撃可能状態に移った。


「問題なさそうだな。ミサイルは大丈夫か?」


ミサイルシステムに切り替える。すると、特徴的な探知音が鳴りだした。映画などでよく聞く音だが、自分で聞いていると何とも不気味な気分になってしまう。


「ミサイルシステムの起動確認。最後に予備兵装とフレア、チャフの確認をしろ。」


フレア、チャフ。ミサイルがこちらに向かってきた際に用いる最後の砦。此れがなければもっと多くの航空機乗りが撃墜され、幾人ものエースが居なくなっていただろう。


「問題なし。兵装及び全システムの確認完了。エレベーター、フラップ、計器、すべて問題なし。全員、心の準備はいいな?」


教官の方を向き、皆がそれぞれ問題ないことを示す。


「ふっ、了解だ。それでは、一番機から離陸せよ。」

「了解!一番機、出ます!」


その言葉と共にエンジンを最大迄吹かす。加速は素早く、且つ無駄なく行われた。

一番機、搭乗員はホルン。報告の素早さ、正確さと記憶力に定評がある。


「二番機、離陸。」


離陸許可のライトを確認し二番機も加速していった。

二番機、搭乗員はグレン。モットーは「命令を必ずこなす事」。卓越した能力は観られないが、失敗した例もない。


「三番機、行ってきます」


二番機に続いて三番機も闇の中へ。

三番機の乗員は、リベット。きっちりした二人と相反する性格ながらも、成績は優秀。不思議な人材。


そんな新兵三人はついに、宇宙の闇の中で訓練を開始する。


「さて、新兵諸君。連邦航空宇宙軍の戦闘は基本分散して行われる。君たちの操縦スキルを見せてもらえるかな?」


教官の一言に従って、三機は三方向へ綺麗に散開する。そして、スラスターを用いた高速旋回、バレルロールを行い、三機編隊へとすぐさま戻る。


「素晴らしい。正確な基本機動だな。誰も曲芸飛行などに挑戦しようとしなかったのは上出来だな。」

「「為すべきを為し、空間を統べる。」ですよね?」

「連邦宇宙海軍航空隊のスローガン。忘れませんよ。教官。」

「ふっ、ホルン、グレン。いい心がけだ。では、次はシールドを上げてみろ」


シールド。此の宇宙拡大世紀に於いて非常に大切な装備の一つ。銃弾や、高速で飛翔する隕石からも守ってくれるそれが非常に重要なことは言うまでもない。


「訓練機にもシールドジェネレーターって装備されてるんです??」

「もちろんだリベット。その機体は君たちが軍に入隊する前からの現役機体だからな。君たちより先輩だぞ?」

「なら、女性の様に丁重に扱わなければなりませんね。」

「さて、雑談は此処迄だ。稀にシールドを無敵バリアと勘違いする馬鹿……いや、極めつけの愚か者がいるが、実態はもちろん違う。ホルン、弱点を答えてみろ。」

「シールドの中継器は継続的に負荷がかかると自動的にシールドがダウンします。」

「よろしい。その通りだ。あくまで凌ぐ為の装備と忘れるな。基本は当たらないような戦いを心がけろ。」

「当たるような事態が起こらない方がいいですが…。」

「リベットの言うことも尤もではあるが、戦いは突然起こるものだからな。平和の確約など、誰もできはしない。」

「そう、ですね。」

「さて、本日の訓練の最後だ。諸君、周辺宙域に標的デコイが敷設されている。誘導弾、機銃弾、どちらを用いても構わない。破壊せよ。」

「「「了解」」」


三機はすぐさまに散開。訓練とは言え、綿密な連携と正確な射撃を以って五分と経たず全デコイを破壊。彼らが訓練で優秀と言われていた所以を見せつけた。


「レーダーに標的、確認できず。」

「此方にもありません。」

「目視、問題ないですね。」

「確認を怠らない姿勢。素晴らしいな。では、全機、帰投せよ。着陸失敗で墜落なんてポカをしてくれるなよ。」

「「「了解!!!」」」


読んでくださりありがとうございました!

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