表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

閑話休題(前編)

 昼下がりの午後、彼は人気のない大きい木陰にバスケットを膝に乗せて座っていた。


 中には、バスケットより少し小さい人形とサンドウィッチ。



 心地良い風が頬を撫で、ふわりと揺れた髪が鼻をくすぐる。


 針の筵のような生活をしている彼にとっては、束の間の休息であった。



 バスケットから人形を取り出し、自身の横に置き、反対側に籠を置く。



 木の幹に凭れ目を閉じると、思いの向くままふわりと指で空に描く。



 そっと目を開けると、人形が手を伸ばし、楽しげにシャボン玉で遊んでいた。


 トテトテと可愛らしく歩く様子に、思わず笑みが溢れる。



 転びそうになったところを、両手で抱え膝に乗せる。



 人形は振り返り不思議そうにじっと見るも、またすぐにシャボン玉に興味が移る。


 彼の膝の上で立ちながら、シャボン玉に手を伸ばす姿を微笑ましく眺めていた。


 籠に手を伸ばし、サンドウィッチを取るともぐもぐと食べる。




 このままここで1日過ごすのもいいな……なんて思って。




 突然、影が差し肩が跳ね、背筋が凍る。

 咀嚼していたものを飲み込み、素早く人形を隠す。


「お昼、見かけないなと思ったらここで食べていたんだね」


 恐る恐る顔を上げるとジークハルトが立っていた。


 顔は青褪め、唇は震える。


「な、なんですか。用が無いなら帰ってください」


 ぎゅっとバスケットを抱え、動揺を隠せないまま小さく威嚇する。



 ジークハルトは微笑み、そっと彼の横に腰を下ろす。


何も言わずただニコニコとジークハルトに見つめられ、身じろぐ。


 目は泳ぎ、頬が赤く染まる。




 立ち上がろうとした彼の正面に、ジークハルトは体を滑らせる。





 彼を囲むように木に手を付き、顎に手をかけた————


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ