二回目の夏休み
忙しい春でも、変化はあった。狩人の村から来た子どもとは、あまり交流はなかったけどね。
ジミーがヴェルデさんに弟子入りしたからか、飼っている牛と山羊っぽい魔物を増やして、ミルクとバターとチーズが増えたんだ。
ただ、狩人達は、ミルクはあまり飲まないみたい。でも、私は嬉しい!
「ねぇ、サリーは氷は作れる?」
水を冷やすのはできていたけど、氷はどうかな?
「アイスクリームを作るのね!」とサリーは喜ぶ。それに、氷も作れると胸を張る。
卵、ミルク、ハチミツ、それにハーブで風味をつけたアイスクリームを作る。
前は、アイスクリームを作る樽だけしか作れなかったけど、師匠達はアルカディアの他の人達から文句を言われたみたい。
「ミク、アイスクリームをマジックボックスに保存して売ってはどうだい」
オリビィエ師匠は、甘い物が好きなルシウス師匠や、ガラス工房で暑い思いをしているウィトレウ師匠、それに狩りから帰って他の人がアイスクリームを食べたと聞いた狩人達から、かなり圧を受けたみたい。
金属の保存容器を冷やし、マジックボックスに何個か溜めてから、アイスクリーム屋を開く事にする。
金属の保存容器は、ガリウスに頼み、専用のマジックボックスの箱は、ヘプトスに頼んだ。
「ミク、マジックボックスの時間停止の魔法陣を教えよう!」
空間拡張は、今回は必要ないけど、時間停止は必須だ。冷やすだけの冷蔵庫でも良いのか悩むけどね。
これ、まだ私では難しくて、オリビィエ師匠に殆ど描いて貰った。
サリーとヨシとジミーに手伝って貰って、アイスクリームを何種類も作る。だって、ベリー類を入れたのも作りたかったから。
冷やすのはサリー、ベリー類を探して来るのはジミー。ヨシと私で、アイスクリームを作る。
「これだけ作れば、文句は言われないよね!」
ピザ屋の時は、生地が無くなったら「お終いだよ!」とオリビィエ師匠が追い返してくれたけど、森の人は甘い物に目がないからね。
ガラスの器をいっぱい作って売っても良いけど、わたし的にはアイスクリームはコーンに乗せて食べたい。
ついでに、ルシウス師匠にアイスクリームディッシャーを図に描いて作って貰った。
何個かは、ガラス工房で器も作ったよ。木の家で、食事の後のデザートでアイスクリームを食べる時は、コーンまで食べたいと思わないから。
コーンを焼く金属の型も、ガリウスに頼んだら、ルシウス師匠が横取りして作ってくれた。スイーツ関連は、張り切るみたい。
「いつ、アイスクリームを売るのだ!」
ありがたいけど、圧が強い。ルシウス師匠、顔も怖いからさぁ。
コーンは、本当に山ほど作る。時間停止のマジックボックスに、満杯になりそうなほど。
「ほら、空間拡張も付けて正解だろう!」とオリビィエ師匠が笑った。
最初は、アイスクリーム専用だから必要ないと思ったんだ。それに、魔法陣が複雑になるからね。やはり、二つの魔法陣を組み合わせたのは、まだまだ私にはむりだったんだよね。
でも、食料品を保存するのに絶対に必要だから、マスターしたい!
アイスクリーム屋の開始は、夏休みに入る日に決定。アルカディアに来て、二度目の夏休みも楽しくなりそう!




