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アルカディアの子ども  作者: 梨香


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念願のハンバーガー屋さん

 あれから、ルシウス師匠にハンバーガーの試作品を持っていたら、甘味が好きな師匠にも好評だった。


「これなら、皆が食べたがるだろう! 鉄板とフライヤーだったか? そっちはガリウスで作れるだろう!」


 ミンサー、簡単に解体して洗えるようにしてくれている。確かに、その方が衛生的だよね!


 鉄板とフライヤーは、鉄を伸ばしたり、四角い鍋と金属のザルを作るだけなので、ガリウスが引き受けてくれた。


「ハンバーガーを作る時は、予め教えてくれよ!」


 人気になるのは、ガリウスの中では確定みたい。ほぼ、材料費だけで作ってくれたので、ハンバーガー屋をする時は、教えると約束した。


「明日、するよ!」と告げて木の家(アビエスビラ)に帰る。


 何故、今日じゃないか? バンズをいっぱい焼かなきゃいけないからだよ!


 あれから何回も試作を続けて、バンズを予め焼いて置いて、半分に切ったのをハンバーグを焼く時に少し焼いた方が簡単で美味しかったんだ。


 それに、玉ねぎのみじん切り、大量に作らなきゃいけないからね。


 フライドポテト、木の家(アビエスビラ)のメンバーで食べる程度なら、くし切りで良かったけど、揚げる時間が掛かるんだ。


 細切りで試したけど、皆はくし切りの方が好きみたい。


「これは、これで美味しいけど、オヤツか酒のつまみだな。食事としてならくし切りの方が良い」


 オリビィエ師匠の言う通りだと思ったけど、絶対に揚げるのが間に合わない。


「湯がいてみようか?」


 早く揚がるけど、何か違う! 


 料理スキルがピンときた!


「蒸せば良いんじゃない?」


 肉まん用に蒸籠はいっぱいヘプトスに作ってもらっているんだ。


 くし切りにした芋を蒸籠で蒸して揚げる。


「うん! これで良い!」


 木の家(アビエスビラ)のメンバーが失敗しても、次々と食べてくれるから助かったよ。


 私は、揚げ過ぎて、ちょっと良いかなって気分。


 バンズは、小さめの丸い形。いつものパンは、人の頭ぐらいだからね。


 パンだねを捏ねるのは、力の強いジミーが大活躍。発酵させて、丸める時は、皆に手伝って貰った。


 ハンバーグにも玉ねぎのみじん切りを入れるから、全員が涙を流しながら切る。


 トマトソースは、前に作ったのを使うけど、収穫したのもソースにしなきゃね。


 ハンバーガー屋さんをする日は、学舎から帰ったら全員で準備だ。


「ジミーは、ミンサーで肉を挽肉にしてね!」


「ヨナとヨシは芋をくし切りにして!」


「サリーは、玉ねぎのみじん切り! それと、レモネードを作ってね!」


 私は、芋を蒸したり、パテを作っていく。


「皆が来る前に、食べましょう!」


 旗を揚げる前に、木の家(アビエスビラ)で食べる。


「これは?」


 アリエル師匠がハンバーガーとフライドポテトを入れた木のザルを不思議そうに持ち上げた。


「こうやってセットにして売るつもりです。木のザルは回収しますけどね!」


 前世のハンバーガー屋さん、テレビで見たけど、プラスチックの籠に入っていたんだよね。その前に紙で包んであったけど……? 違ったかな? フライドチキン屋さんだったかも?


 紙で包むのは、良いけど……勿体無いんだよね。普段は、サンドイッチは葉っぱで包んでいるんだけどさ。

 

 今回は暖かいから、葉っぱで包むとフライドポテトやバンズが湿気ちゃうんだ。


 ピザはお持ち帰りの人は皿を持参してもらうし、肉まんは蒸しているから葉っぱで湿気ちゃう心配はない。


 この木のザル、ジミーに木を細く割いて貰って、全員で編んだんだ。


 だから、準備に時間が掛かったけど、ドラゴンステーキ祭りが終わって、少し待った方が良かったんだよ! 


 まぁ、これはアレコレ後から考えて時間が掛かっただけなんだけどさ。


 特に、ザルは予め用意しておけば良かったんだと反省! ジミーに細いヒゴ状にして貰うのも時間が掛かったけど、それを籠に編むのも慣れないうちは大変だった。


 ヨナとヨシは、上手になって、内職にしようと笑っていた。


 サリーは、ヒゴで大きめのバッグを作っていたよ。マジックバッグがあるけど、洗濯物を取り込む時に使うそうだ。


 背負い籠はあったけど、こんな小さなザルはなかったので、アリエル師匠は凄く興味を持ったみたい。


「やはり美味しいな!」


 オリビィエ師匠は、サッサと完食だ。私達もサッサと食べる。


 アリエル師匠は、ワインを片手にフライドポテトを摘んでいる。


「このザル良いわね!」


 一番、ザルを活用しているのかもね!


「さぁ、旗を揚げよう!」


 木の家(アビエスビラ)の前に鉄板を置いて、下には火を起こしてある。


 フライドポテト用のフライヤーも温まっているし、芋は蒸してある。


 私は、ハンバーガーパテとバンズをを焼いていくし、フライヤーはジミーに任せる。


 そして、ヨナとヨシが焼いたバンズにパテを挟んで玉ねぎのみじん切り、きゅうりのピクルス、トマトソースを挟んでハンバーガーを作る。


 サリーは、それをザルに入れて、フライドポテトと一緒に運び、レモネードと一緒に売る。


「ミク、師匠と来たよ!」


 予め教えておいたから、ガリウスとルシウス師匠が一番乗りだ。


「やはり、揚げたては美味しいな!」


 ルシウス師匠、フライドポテトにハマったみたい。


「ハンバーガーだったっけ! 凄く美味しいよ」


 ガリウスは、ハンバーガーが気に入ったのか、お代わりした。


 学舎の友だちも次々にやってきたけど、私は焼くのに忙しい。


 大人達もやってきて、酒と食べたいからお持ち帰りをする。


「メンター・マグス、ザルは後で返して下さいね。ここの返却箱に入れておいてくれれば良いから」


 お持ち帰りが、こんなに多いとは思っていなかったな。今度からは、皿を持参して貰っても良いかも? フライドポテトを零さない感じのスープ皿なら大丈夫じゃないかな? 


「ザルをもっと作った方が良いな!」


 ジミーは、ザルの増産を考えているみたい。


「フライドポテトだけでも売れそうね!」


 今夜、ハンバーガー屋をするのを知らなかった人達は、夕食を食べていたんだ。


 それでも、フライドポテトは、酒のアテに食べるみたい。


 森の人(エルフ)は、活動量も多いから、夕食を食べてもハンバーガーを食べる人が殆どだったけどね。


 バンズとパテが無くなったから、ハンバーガー屋さんは閉店!


 一セット、銅貨六十枚! 強気の価格設定だったけど完売だ。サンドイッチは、銅貨二十枚、ピザは五十枚。だから、ポテト分高くしたんだよね。ポテトだけなら、十枚かな? それか、量を多くして十五枚? 


 これは、売れ行きを考えて決定するつもり。


「皆で売り上げを分けましょう!」


「材料費とかミクの働き分は取っておかなきゃ!」


 サリーは、私よりしっかりしている。


「それを言い出したら、肉は師匠達が取って来たんだよね。でも、ルシウス師匠やガリウスに払った分は貰っておくよ」


 ほぼ材料費だけで作ってくれたけど、ミンサーは結構な値段になったんだ。


 それぞれ、銀貨三枚ずつ配った。残ったのは、次のハンバーガー屋さんにプールする。

 何故なら、チーズバーガーが食べたくなったんだよ!

 でも、チーズは買わなきゃいけないからね。その為に貯めておく。

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