ハンバーグ屋さんの準備
ドラゴンステーキ、凄く美味しいけど、少し飽きてきた。贅沢な話だけどね!
私とヨナは、昼からは薄くスライスした竜の肝臓を陰干ししているのを、毎日下にあるのを上にしたりして、全部が乾くようにしている。
サリーは、この頃ジミーとヨナに刺激されたアリエル師匠が狩りブームになったのと、トレントの糖を取るために、昼からは森に出かけている。
これは、大歓迎だ! 糖分は料理に使えるからね。それに、蜂蜜だけでは足りなくなっているんだ。
お酢の消費も多いからね! マヨネーズ、すごく人気だからさぁ!
だから、木の家には、オリビィア師匠と私とヨシがいることが多いんだ。
「そろそろ乾いたようだね。万能回復薬を作るから、見ておきなさい」
万能回復薬は、オリビィエ師匠しか作れない。
エルグレースの師匠も薬師だけど、万能回復薬は作らないんだ。何故なら、竜を討伐しないから。
普通の薬師は竜を討伐しないんじゃないかな? と私も思っているよ。
「南の島は、こちらの大陸とは季節が逆だと商人達は言っている。つまり、これから夏になり、風土病の季節が来るのさ」
アリエル師匠が止めるから、オリビィエ師匠は南の島に行かないけど、本当は現地に行きたいんじゃないかな?
私は……ちょっと行きたくないな。森の人は、病気にも罹り難いけど、罹らないわけじゃないもの。
転生して丈夫な身体になったから、長生きしたいんだ!
「ミク、これを瓶に入れてくれ」
私が手伝うのは、瓶に入れるぐらい。
「ヨシは、瓶をマジックボックスに入れてくれ」
マジックボックスは内緒だけど、商隊が来るまで時間停止させておきたいみたい。
「それと、商人に売る時の箱も作らなくてはね!」
それは、ヘプトスの師匠に作って貰うみたい。
「前は、商人さんが箱に入れて、緩衝材を瓶の間に詰めていたような?」
「ああ、今回は量が多いからね」
確かに! 前は一頭分だったけど、今回は四頭分だからね。
これで、オリビィエ師匠のお手伝いは終わり。
「ヨシは昼寝をしなさい」
「もう昼寝をしなくても大丈夫です!」
ヨシは、少しずつ体力がついてきているけど、オリビィエ師匠は譲らない。
「昼寝を少しした方が、良いんだよ」とベッドに行かせた。
「私は、畑に行ってきます!」
マジックバックがあるから、一人でも収穫できる。
夏野菜を食物育成スキルをフルに使って、トマトを実らせたんだ。
「大きいのは少ないけど、美味しそうだわ」
赤くなったトマトから取っていく。きゅうりも、夏ほどは太くならないけど、ピクルスにするなら、小さい方が良い。
これにもお酢が大量に必要なんだよ! サリー達に期待しちゃう。
ルシウス師匠にミンサーを頼んでいるけど、できるまで木の家で試作品を作ろう!
森歩き組が帰ってくる前に、昼寝から起きたヨシと一緒にお風呂を二つ沸かしておく。
トレントを討伐したのなら、きっと泥だらけだろうから。
やはり皆、泥んこだ。アリエル師匠は綺麗なままだったけどね。
「お風呂を沸かしているわ!」と声を掛けたら、サリーとヨナが喜んだ。
でも、アリエル師匠も入ったけどね。ジミーも風呂に入らせて、洗濯はサリー。
討伐したトレントを水車小屋で絞るのはジミー。
つまり、手の空いたヨナとヨシを助手にして、屑肉と脂身をミンチにしていく。
「ビッグボアの肉も混ぜたら良いかもね?」
脂身が多すぎる気がするので、マジックボックスからビッグボアを取り出して加える。
台所からは、トントントントンと包丁の音が響いている。
「このくらいで良いの?」
ヨナの手元の肉は、かなり細かいミンチになっている。
「ヨシ、そのくらいで良いよ」
ヨシのは、少し荒いミンチだけど、混ぜたら良い。
「予め、パンをミルクに付けていたから、それとみじん切りして炒めた玉ねぎと混ぜて……」
七人分、それも一人二つを考えたので、かなり量が多い。
「混ぜたら良いのね!」
ヨナは、弓スキルだけど、身体強化も上手い。力強くハンバーグのタネを混ぜていく。
「それで十分だわ! あとは、十四個に分けて、丸めて、平たくするの!」
これは、ヨシも手伝ってくれる。平たいパットに十四個並べて、準備はお終い。
サリーが洗濯から帰ってきたので、そろそろ焼き始めても良さそう。
水車小屋にトレントをセットしたら、アリエル師匠とジミーも帰ってくるだろうから。
「ねぇ、今日のハンバーグ、少し小さく無い?」
サリーは、ハンバーグは食べたことがあるので首を傾げている。
「今日のは、ハンバーガー! このバンズに挟んで食べるんだよ! フライドポテトの付け合わせに合うレモネードを作ってよ!」
炭酸水も何処かにあるのかもね? 後で師匠に聞こう! レモネードも美味しいけど、やはりシャパシャパしたのを飲みたい。
ソーダ系も禁止だったんだ。糖分が凄く入っているからね。一口飲ませてもらったけど、舌が変な感じだった。
「フライドポテトは、皮を良く洗ってくし切りにするの!」
意外とジミーが役に立つんだよね。ヨナより料理のセンスがあるみたい。
それを脂身で作った脂で揚げていく。ジュージュー! 揚げたら、塩をパラパラ!
私は、フライドポテトはジミーとヨナ組に任せて、パティをフライパンで焼き、バンズに挟んでいく。
「ねぇ、バンズにハンバーグ、きゅうりのピクルス、玉ねぎのみじん切り、トマトソースを入れたら良いんだよね」
挟むのは、ヨシも手伝ってくれるので、私は焼く方に集中する。
木の家だけなら、フライパンで焼いても良いけど、ハンバーガー屋をするなら、鉄板が必要だ!
今回の試作でわかったよ! ルシウス師匠に頼もう!
「変わった料理だなぁ?」
オリビィエ師匠がクビを捻っている。
「サンドイッチに似てるけど?」
アリエル師匠も知らないみたい。
「ハンバーガーと言います! 熱いうちにどうぞ!」
ハンバーガーとフライドポテトとレモネード! それに、皆でわいわい食べるの楽しい!
「これを今度売ろうと思っているのです」
「そりゃ、大勢が押し掛けそうだ!」
オリビィエ師匠も気に入ったみたい。
その前に、鉄板とフライヤーを作って貰わなきゃね。
だって、フライドポテトの無くなり方、凄く早かったんだ。
フライヤー、四角の箱に脂を入れて、網で引き上げる感じだったよね?
また、ルシウス師匠にケーキ焼いて行かなきゃ!




