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アルカディアの子ども  作者: 梨香


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ハンバーガー!

 師匠達が竜を四頭も討伐したので、アルカディアはドラゴンステーキ祭り状態だ。


 つまり、ピザ屋や肉まん屋は、当分はお休み。


 その代わり、商隊に頼まれていた万能回復薬を作る手伝いを、私とヨシはしている。


 サリーとヨナとジミーは、アリエル師匠の監督の元、皮の鞣し方を学んでいる。


「あまり竜の皮は触らせて貰えないの。師匠に言われて、鞣して乾かす枠を持ったりするだけなのよ。でも、ビックホアとかはやらせて貰ったわ」


 サリーは、これまで皮の処理はしたことがなかった。勿論、私もね。


「ラング村とはやり方が少し違うのよ。でも、アルカディアの方が皮が柔らかくて滑らかだわ」


 ジミーも頷いている。少しは喋る訓練をしないと、結婚相手は見つからないよ!


「竜の皮を扱えるようになりたいわ!」


 おお、サリーが積極的だ! と驚いていたら、竜の皮の値段を聞いて納得した。


「金貨三十枚以上!」


「「凄いわ!!」」


 でも、サリーに笑われちゃった。


「ミクがマジックバックを作れるようになったら、もっとお金が儲けられるでしょう。私は、皮の鞣し方をマスターして、独立資金を貯めたいの!」


 ヨナは人間の町で暮らす気はなかったので、考え込んでいる。


「結婚資金を貯めるのに人間の町に行く森の人(エルフ)がいるのは知っているけど、冒険者になってお金を稼ぐことしか考えていなかったわ」


「人間の町でお金が無かったら、汚い宿に泊まらなきゃいけないのよ! お風呂も高い宿にしかついてないんだって!」


 ヨナもアルカディアに来てから、毎日お風呂に入る生活だ。ラング村に戻ったら、お湯を沸かして拭く! と言っているけど、若者小屋でできるのかな?


「そうか……ある程度のお金が必要なんだね」


 サリーとヨナは金儲けについて話し合っているけど、ジミーは話に加わらない。


「ジミーもお金が必要になるよ」


「竜を狩るから良い」


 あんな竜を狩りたいだなんて、理解できない。


 今は、狩人の村の森の人(エルフ)は、七十歳を超えると急激に年をとって亡くなる。

 でも、光の魔法を使えば百歳を超えても若々しく長生きできるんだ。


 つまり、狩人の村に若者が家を持つのが難しくなる。

 結婚年齢も上がるかも知れないと、師匠達が言っていた。


 狩人の村では、ティーンエイジでの結婚も珍しくない。私のママは、十七歳ぐらいで私を産んだしね。


 それは、タイミングよく家が空いたし、パパとママが頑張ってお金を貯めていたから結婚できたそうだ。二人とも凄腕の狩人だからね。


 アルカディアは、若者は一旦は人間の町に出る事が多い。


 そして、結婚して子育て時代はアルカディアで過ごす。


 子どもが独立したら、また人間の町に行く森の人(エルフ)も多い。


 百歳を超えたら、アルカディアに定住する感じみたい。


 寿命の長いアルカディアの森の人(エルフ)だけど、やはり事故や病気で亡くなる事も多い。


 それと、人間と結婚したら、アルカディアには帰って来ないそうだ。寿命が違うのに、人間と結婚するのって難しいと思うけど……まぁ、私はまだ恋愛は理解できないね。


「売れるようなマジックバックが作れるようになるか分からないよ! だから、料理でお金を儲ける!」


 四頭の竜の解体も終わり、余分の肉はオリビィエ師匠が急遽作ったマジックボックスに入っている。


 ステーキに最適な部位は、ほぼ売り切れだ。


 でも、脂身や筋肉、屑肉だけでもマジックボックスにいっぱいあるんだよね!


 筋肉は、煮込んでシチューにする予定!


「脂身と屑肉をミンチにしたら、ハンバーグができるわ! それをパンに挟めば、ハンバーガーだ!」


 私が、皆が知らない料理を作っても、料理スキルのせいだと思われる。


 前世の私、ジャンクフードは禁止だった。心臓が悪かったからね。


 お母さんが、健康的な小さなハンバーグを作ってくれたけど、それじゃないんだ! と叫びたかった。


 友だちとファーストフード店で、わいわい言いながら、ハンバーガーに齧り付いて、脂で揚げたフライドポテトを摘みたかったんだよね。


 私が病弱なので、ママもパパも生活をかなり犠牲にしているのを察していたから、そんな我儘は言えなかったけどさ。


 今は、元気な身体に転生した! 狩人スキルがなかったのは、辛かったけど……こうして、オリビィア師匠の元で、自分で食べていく為の修業もできている。


 それに、学舎で友達もできた! 勿論、赤ちゃんの頃からの友達のサリーは、ずっと一緒だと約束しているしね!


「ハンバーガーを作るのには、ミンサーが必要だわ!」


 ジミーに肉を叩かせても良いけど、木の家(アビエスビラ)で食べる程度の量だよね。


 金属は、ルシウス師匠! 調理オーブンのお礼のスイーツ、今回は木の実入りのパウンドケーキを持って、頼みに行く。


「何だぁ? この絵は?」


「上から肉を入れて、このハンドルを回して肉を粉々にする機械が欲しいの!」


 ここで修業中のガリウスが目を輝かせる。


「ミク、何か美味しいものを作るんだね!」


 ルシウス師匠は、甘い物が大好きだけど、美味しい物も好きだ。


「よし! 作ってやろう!」


 これでミンサーはできるから、あとは、挟むバンズを作らなきゃね。


 ハンバーガー屋をやる前に、木の家(アビエスビラ)で練習しよう。



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