第2章 鹿野山九十九谷展望公園で人生を眺望する
第2章 鹿野山九十九谷展望公園で人生を眺望する
君津市には、鹿野山九十九谷展望公園がある。
朝霧がゆっくりと晴れ、折り重なる丘陵が幻想的な風景を作り出す。
展望台から見渡す九十九谷は、人生の軌跡を示すかのようだった。
オレは柵にもたれ、深く息を吸い込む。
眼前に広がる山々の稜線が、静かに問いかけてくる。
~人はどこから来て、どこへ向かって去ってゆくのか?
過去と未来が交差する処は、人生の眺望台だ。
人間はしばしば、目の前の出来事に囚われる。
遠くを見渡せば、すべての出来事がひとつの流れとしてつながる。
幸せも同じだろう。
人は長く生きてくると、歩んできた道を振り返る。
人生の街道全体を受け入れる。
そのとき、ようやく人生の本質が見えてくる。
オレはこれまでの人生を振り返る。
失敗も後悔も幾度となく訪れた。
経験してきた大きな苦しみや困難が人生のエポックメイキングになった。
喜びも悲しみもそのすべてが、展望台に立つ自分を形作ってきた。
小さな幸せは大きな幸せを呼ぶ。
九十九谷の山々は、オレの思索を包み込むように佇んでいる。
オレは視線をさらに遠くへ向け、心の中で問いかけた。
~この先、どこへ向かうのか?
丘陵を渡る風が背中を押す。
歩みを止めず、人生という旅路を続けること。
それこそが、自分の中にある幸せじゃないだろうか。
オレは再び帽子を正し、展望台をあとにした。
さあ、次の場所へ進もう。




