第1章 濃溝の滝と光の道
第1章 濃溝の滝と光の道
君津市の奥深くには、神秘的な濃溝の滝がある。
この滝は、森に抱かれたように静かに佇んでいる。
滝壺は岩壁によって囲まれている。
岸壁に朝の光がゆっくりと射し込み、
水面に揺らぐ光の道が現れる。
オレは滝の前に立ち、しばらく幻想的な風景に見入った。
自然が作り出した偶然なのか、それとも必然なのか。
水が流れ、水面に光が映える。
その瞬間、オレは幸せという言葉を思い出した。
人は時折、何か象徴的なものを求めることがある。
幸せの青い鳥は、手の届かない大空を飛びまわっているのか?
すぐ目の前に現れるものではない?
ふと、胸の内に問いかける。
~水面の青い光が導くものは何だ?
波長が似るものは集まり合う。
青い光に青い鳥が集まり、青い鳥に青い人間が集まる?
だが、青い鳥は偶然に出会えるものではない。
日夜探せばきっと会える。
類は友を呼ぶ。
意識的に求めることで、出会えるものだ。
オレの人生もまた、幾度となく迷い転んできた。
だが、自然の美しさを前にすると、全ての経験が意味あるものに思えてくる。
~今この瞬間、私は何か大いなる世界に導かれていく?
水音が静かに響き、朝の空気が心を澄ませていく。
オレは深く息を吸い込みながら、幸せについての考えをゆっくりと巡らせた。
幸せとは、自分の魂が見い出すものだ。
この滝のように、人生もまた流れ続け、光を映し出す時が訪れる。
その時、人は自らの人生の意味が分かってくる。
オレは滝をもう一度眺め、静かに歩き出した。
次の新しい場所に向かった。
幸せの鳥を探し続けるのだ。




