第17話「黒の魔法少女」
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マサト達がレンカの罠によって連れ去られようとしていたのとほぼ同時刻。
ドカーン!と何かが爆発する音で飛び起きる緑川瑠璃博士。
「なっ!?何事だっ!?」
自身の研究室に備え付けている仮眠用のベッドから飛び起きた瑠璃は、即座に携帯用通信器で翠山瑠衣博士と碧風恵璃博士に連絡をするが、応答がない。
「通信障害…?いや、通信妨害か!?」
瑠璃は寝間着の上から白衣を羽織り、学園の状況を確認するために研究室を飛び出した。
「な…っ!?」
瑠璃が目にしたのは、屋外訓練施設あたりから立ち登る真っ赤な炎の柱だった。
「戦前の不発弾が残ってた…?いや、土地整備の段階でそんなものが埋まっていなかったのは確認済みだ!だとすると、敵襲か!?しかし、学園には魔法的セキュリティが、」
「それなら、私が無効化しておきましたから♪」
その時、瑠璃の独り言に答えるかのよつに、彼女の背後から若い女性の声がした。
「何っ!?」
瑠璃が振り返ると、そこには三人組の黒い装束を纏った少女達がいた。
「その姿…っ!?君達は、まさか…っ!?」
驚愕の表情を浮かべる瑠璃を見下ろしながら、真ん中の少女、先程瑠璃の疑問に答えた少女が再び口を開いた。
「緑川博士、我々がここに来た目的は一つです。それが果たされるなら、博士の命までは奪いません」
「その目的とは…?」
「それは………、」
黒装束の少女の言葉に、瑠璃は「やはりか…」と呟き、苦々しい表情を浮かべるのだった。
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「ちょっとやり過ぎなのでは?」
真っ赤な炎の柱をあげる屋外訓練施設を足下に見つめながら一人の少女がそう言った。
「いや、だって校舎の建物は〈対魔土〉のせいで魔法の効果が無いやん?やけん燃やすんなら校庭しか無いけん普通に校庭に魔法放っただけやし?」
対してもう一人の少女がそう言い訳を口にする。
「それにしても加減ってものが、」
「そんなん言われても私、この姿で魔法使うの初めてやし!ちょっと爆発させるだけのつもりが、まさかこんなんなるとは思わんかったし!」
第12魔法都市魔法師育成学園の上空にいる二人の少女、彼女達が着ている装束は魔法少女装束にそっくりだったが、全体が真っ黒で、胸に装着されているコンパクトとリボンにだけ色が付いていた。
「やっぱり、この姿だと魔法の威力が違うの?」
胸のコンパクトとリボンが水色の方の少女がそう尋ねる。
「うん!アンタも使ってみれば…、ってそうか、アンタは魔法師やないんやったっけ?」
コンパクトとリボンの色が赤色の少女、つまりは屋外訓練施設に魔法を放った少女が、水色の少女の疑問に答えた後に逆質問をする。
「うん、私は一般の高校に通ってて…、それで、」
「おっと、どうやら話はここまでみたいよ?」
赤色の少女の問に水色の少女が答えようとしていたところで、彼女らの周囲に人が集まって来た。
「これは、あなた達の仕業ですか?」
「っていうか、っていうか!?その姿!なんかローズ達にそっくりちゃんなんやけどどゆこと!?」
二人の少女を包囲する六人の魔法少女と魔砲少女、三年生の生徒会メンバーである【チーム雪月花】と風紀委員メンバーである【チーム松竹梅】。
彼女らを代表して、マジョリティローズとマギキュリィフィアが二人の黒装束の少女に尋ねる。
二人は余裕の表情を崩さずにこう答える。
「はい、その通りです」
「一発ド派手にやらかせば、この学園の最高戦力であるアンタ達をここに集めることが出来ると思ってね!まさに作戦通りってわけ!」
「なるほど?ボク達はまんまとおびき出されたわけか」
「しかし、たった二人で私達に勝てるとお思いで?」
芝居がかった口調のマジョリティウインディと、どんな相手に対しても丁寧語を崩さないマギキュリィゼクス。
「勝てるとは思ってませんが…、」
「負けなければいい話やけんね」
黒装束の二人が背中合わせになって構えたのを見て、マジョリティホークとマギキュリィフュンフの二人が核心を突く。
「なるほど…、要するにお二人は単なる陽動で、」
「目的は別にある、ってことっぽいー?」
「さて、どうでしょう?」
「それより、私達の正体、知りたくないと?」
核心を突かれても余裕の表情は崩さない二人は、自分達が時間稼ぎだと相手にバレていることを承知の上で、さらに会話を続けようとする。
「あら、教えてくれるのかしら?」
「まぁ教えてくれなくても、捕まえて吐かせちゃえばいいだけだしねー?」
ローズとフィアは時間稼ぎにつき合わされていると確信しながらも、二人の正体が分からぬ以上、迂闊に攻めることも出来ないと考え、慎重に受け答えをする。
彼女二人の姿があまりにも魔法少女過ぎている上に、屋外訓練施設から巨大な炎の柱をあげる程の威力の魔法を放ってのけた相手だ。
出来るだけの情報は仕入れておくにこしたことはない。
そんなローズとフィアの考えを知ってか知らずか、二人の黒装束の少女はこう続けた。
「私達は【魔女】様からの救済を受けし新生魔法少女!その名も〈マジョルキアアクア〉!」
「そして私は〈マジョルキアファイア〉!」
「「この世界に救済をもたらすべく、【魔女】様のご意思でこの学園を破壊させて頂きます!!」」
*
〈マジョルキアアクア〉と名乗った黒い魔法少女、水嶋静ともう一人の黒い魔法少女〈マジョルキアファイア〉が【チーム雪月花】と【チーム松竹梅】の六人と戦っている頃。
学園の他の場所ではさらなる混乱が起きていた。
「「「「「【魔女】様の救いがあらんことを!」」」」」
学園の敷地内に侵入した魔女教の信徒達が次々と魔獣人に変身し、学園の教師や生徒達を襲っていたのだ。
「一年生、二年生の皆さんは出来るだけ避難を!三年生の皆さんは教師の指示に従って応戦して下さい!くれぐれも勝手な判断での行動はしないで下さいね!!」
そんな中、女子寮の前で指揮を取りながら魔獣人達を相手に戦っているのは魔法師育成学園高等部一年の学年主任兼女子科3組の担任である焔優香だ。
ユイとユウの母親でもある彼女は、炎の魔法師としても優れた実力を誇っており、生徒達を守りながら魔獣人達数人を相手にしている。
その隣では彼女の夫であり、高等部男子科一年1組の担任である焔優弥が同じように生徒達を守りながら魔獣人達と戦っている。
彼も優秀な炎の魔法師であり、男子寮の生徒達を避難させた後で、生徒数の多い女子寮の方へと駆け付け、優香を手伝う形で魔獣人達を無力化していった。
「優香!通信は繋がったか!?」
五体目の魔獣人を無力化したところで、優弥は隣で戦う優香に尋ねた。
「駄目!通信妨害的な術式が学園全体にかけられてるみたい!」
優香達は屋外訓練施設での爆発音を聞いてから、すぐに教師寮から校舎の方へ駆け付けながら、他の教師達や学外の魔法都市守衛魔法師部隊の魔法師達に連絡を取ろうとしたが、あらゆる通信が使えず、やむを得ず現場リーダーとして学園内での指揮を執ることにしたのだった。
優香はまず教師達に校舎内に押し寄せてくる魔獣人達の相手を任せた上で女子寮へと向かい、戦闘可能な三年生の生徒達を校舎内にいる教師達の元へと向かわせて魔獣人対処の手伝いを任せ、戦闘の出来ない一、二年生の避難をさせていた。
「緑川博士達は大丈夫だろうか?」
戦闘能力の無い緑川瑠璃博士達のことを心配する優弥に対し、優香はこう答える。
「分からない。けど、マジョリティグリーン達をすでに向かわせてるから多分大丈夫よ!」
優香が女子寮に駆け付けた際、すでに変身して待機していた【チームグリーン】の三人、マジョリティグリーンこと緑川珊瑚と、マギキュリィゼロこと翠山紗々羅、そしてヴァルキリーリーフこと碧風咲楽の三人に命じて緑川博士達の捜索を命じていた。
「そうか。まぁ、緑川博士達のことだ、戦闘能力はなくともこの程度の有事でどうにかなることはないだろう。他の先生達も頼りになるしな」
「ええ。それに、ウチには優秀な生徒達も多いから!」
そう言って優香がチラリと視線を向けた先、激しい炎の柱があがる屋外訓練施設の上空には、謎の黒い衣装を纏った魔法少女のような二人組の少女達と戦闘を繰り広げる六人の生徒、【チーム雪月花】と【チーム松竹梅】の姿があった。
彼女達は優香が指示するより前に真っ先に現場に駆け付けていた。
彼女達は学生の身でありながら、その実力は教師達と同等かそれ以上のものがあるため、そちらは彼女達に任せ、自分達は実戦経験の少ない一、二年生の避難を最優先として任務に当たっていた。
「確かにな。他の三年生達も、先生方の指示に従って敵を食い止めてくれている」
「ええ、皆よくやってくれてるわ!」
優香が八体目の、優弥が六体目の魔獣人を無力化し、二人の周囲から魔獣人がいなくなったタイミングで、複数人の少女と一人の少年が走って来るのが見えた。
「母さん!」
「父さん!」
女生徒達の内の一人、優香と優弥の娘であるユイと、その弟であるユウが二人に声をかける。
ちなみに、ユイは魔砲少女装束を纏ったマギキュリィドライの姿で、ユウは対魔装束を纏っていた。
ユイ以外の少女達も、それぞれの魔砲少女装束や魔法少女装束、戦装束を纏っていた。
彼女達は爆発が起きたのとほぼ同時に寮を飛び出し、優香と合流したところで指示を受けて変身していた。
ユウに関しては男子寮前で優弥と合流し、女子寮へ駆け付けた後にユイ達と合流して、ある任務に当たっていた。
「おお、戻ったか!」
「それで、どうだった?マサト君達はいた…?」
優香が尋ねると、ユイ、マギキュリィドライとユウは首を横に振りながらこう答えた。
「だめ…、どの女子寮にもいなかった…」
「マサトだけじゃねぇ、マチとマリとマリア、それにレンカの姿も無かったっ!」
「それだけじゃねぇ!二年生の魔法少女クラスの三人ともいなかった!!」
ユウ達のセリフに続くように、ユウト、マジョリティレッドが悔しげな表情を見せながらそう叫んだ。
彼女達は優香と合流する前にマサト達の部屋を訪れたのだが返答が無く、鍵がかかっていたために一度寮を出て、優香の指示を受けて再びマサトの部屋を訪れて扉を魔法少女達の力(魔法では破壊出来ないため、強化された筋力)で強引に突破して部屋に入ったのだが、マサト達の姿はなく、部屋の窓が開け放たれた状態だった。
その後マリとマリアとマチ、そしてレンカの部屋も同様に探してみたのだがマサトを含む五人の姿は何処にも見当たらなかった。
さらに、避難している二年生の中に魔法少女クラスの三人もいなかったため、二年生女子の菊寮の部屋を訪れたのだが、三人とも部屋にはいなかったのだ。
「マサト君達だけじゃなく二年生の魔法少女達もいないなんて…」
「おいおいおい!?まさか魔女教の連中に拐われたんじゃねぇだろうな!?連中、マサト達のこと狙ってたみてぇだし!」
「落ち着け、ユウ!だとしても今はまず目の前のことに対処すべきだ!」
マサトが拐われたかもしれないという怒りで全身を震わせるユウに、優弥は冷静になれと言う。
「マサト君達のことが心配なのは幼馴染の彼女達も同じだろうし、もし魔女教連中が彼らを拐ったというのなら、コイツらを生きて捕縛して情報を聞き出すんだ!」
以前、魔獣人達を捕縛した際には、全員が舌を噛み切って自殺してしまったせいで情報を聞き出せなかった。
だから今回は猿轡をするなどして容易に自殺されないよう対策している。
「く…っ!?分かったよ、父さん…!」
「よし、ならユウは俺と一緒に来てくれ!ここは落ち着いたから、他の現場の手伝いに向かうぞ!」
「ユイちゃんとフレンダさんは私と一緒に【チーム雪月花】と【チーム松竹梅】のヘルプに向かいましょう!【チームレッド】の三人は【チームグリーン】と合流して緑川先生達の保護をお願いします!」
「「「「「了解!」」」」」
それぞれに指示を受け、少女達は指定された現場へと向かうのだった。
*
マジョリティグリーン、マギキュリィゼロ、ヴァルキリーリーフの三人、【チームグリーン】は瑠璃の研究室のある校舎へと向かう前に、同じように校舎内に研究室を持つ翠山瑠衣博士と碧風恵璃博士と合流していた。
「お姉様達が教師寮にいないのはいつものことですが、こういう時は本当に困りますわ!」
瑠衣の妹であるサンゴ、マギキュリィゼロが非難めいた口調でそう言った。
「誠に面目ありませんわ…、それこそ魔女教の件などもあって【マギキュリィ】システムの量産化を急ぐあまり、最近はずっと研究室にこもっておりましたから…」
「私も、汎用型戦乙女の実用化を急ごうと思って、ここ数日はずっと研究室で寝泊まりしてたから…」
「本当に、三人とも研究馬鹿なんだからー!」
連日連夜研究室に泊まり込んで研究を続ける姉達に呆れる妹達だったが、しかし姉達の研究が人々の平和を守るための研究であることを考えれば強く非難も出来ないというのが本音だった。
「まぁともかくお二人が無事で良かったです」
「あとは緑川博士だけですわね」
瑠璃の妹のサンゴ、マジョリティグリーンを先頭に瑠璃の研究室へと向かう五人だったが、研究室のある校舎が見えてきたところで、その校舎の外の地面に白衣を着た女性が倒れているのが目に入った。
「姉さんっ!?」
その白衣の女性が自身の姉だと気付いたグリーンは一足早く姉の元に駆け寄り、助け起こした。
「姉さん!!大丈夫!?」
「う…っ、サンゴ…、グリーンか」
グリーンの呼びかけに応じる瑠璃だったが、その額からは血が流れ落ちていた。
「姉さん、傷が…!」
「大した怪我じゃない、それよりも研究室に急いでくれっ!彼女達の目的は、」
しかし、その瑠璃が最後まで言い終える前に、目的を達した三人の人影が校舎の方から出てくる姿がグリーン達の目に映った。
「おや、グリーン達じゃないか!来るのが少しだけ遅かったみたいだね!」
「え…!?その声は…!?」
影に隠れてその顔は確認出来なかったが、グリーン達にはその声に聞き覚えがあった。
「まさか…!?」
雲に隠れていた月が現れ、三人の少女達の姿を月明かりが照らした時、グリーン達は少女達の正体を確信した。
「なんで…、先輩達が…!?」
月明かりに照らされた少女達の正体、それは黒い魔法少女の装束を身に纏った魔法少女クラスの二年生三人、石動蘭と海原詩奈、そしてリーリア・スカイウォーカーだった。
「何故先輩達が…!?」
「それに、その黒い装束は一体何ですのっ!?」
グリーン達の問いかけに中央にいた少女、ランが答える。
「これはね、私が緑川博士の【マジョリティ】システムを研究し、独自に進化させた新たな魔法少女システム、〈【マジョルキア】システム搭載型戦闘魔法師〉だよ!」
「【マジョルキア】システム…!?」
「石動さん、あなたがそのシステムを作ったというのですか!?」
「いくら瑠璃ちゃんのシステムを元にしてるとはいえ、学生の身でそんなシステムを作り上げるなんて!?」
ランのセリフに、グリーン達だけでなく瑠衣達も驚きの表情を浮かべている。
そんな中、怪我を負った瑠璃は三人の背中で隠されたモノを指差しながら叫ぶ。
「いや、今はそんなことはどうでもいい!彼女達は魔女教の人間だ!!彼女達の目的は【魔女】の遺体を手に入れることだったんだ!!」
「なんですって!?」
瑠璃に言われてグリーンはラン達の背中にあるモノに初めて視線を向けた。
それは、筒状のカプセルのようなもので、人が一人余裕で入るくらいの大きさだった。
「そう、私達は魔女教のスパイとしてこの学園に通っていました。
目的は勿論、この【魔女】様の御神体。その過程でこの【マジョルキア】システムを完成させられたのは思わぬ副産物でした!!
この【マジョルキア】システムは博士の【マジョリティ】システムの良い点はそのままに、さらに闇の、」
「ねーねー、博士?そんなことよひ早く戻ろー?」
「そうだよ、レンカちゃんの方も首尾よくいったみたいだし、もうここには用はないでしょ?」
ランの説明を遮るようにリーリアとシイナが口を挟む。
二人に説明を邪魔される形となったランは一瞬苦い顔をしたが、当初の目的を思い出し、任務を遂行することにした。
「ふむ…、本当ならここで君達を相手に【マジョルキア】システムの素晴らしさを実演したかったところだけれど…、システムの実演データはアクア達の分があるから十分か。というわけでだ、実に名残惜しいが、」
「そんな簡単に逃がすとお思いで?」
逃げようとするラン達に対し、ゼロが魔砲を、リーフが戦武具の手裏剣を使った攻撃を仕掛ける。
「『アクセルバスター』っ!!」
『ACCEL BUSTER FIRE!』
「『大気裂く雷』!!」
ゼロのマギアロッドから放たれた魔砲と、リーフから投擲された巨大なシュリケンがラン達を襲う、が。
「『アクアシールド』&『シャドゥシールド』っ!!」
「『ファイアシールド』&『シャドゥシールド』っ!!」
シイナとリーリアの放った四枚の魔法シールドによって防がれてしまったのだ。
「なっ!?二属性魔法の同時発動!?」
「しかも闇の魔法ですって!?」
「そんなまさかっ!?」
彼女らが驚くのも無理はない。
二属性の魔法を使用するだけでも普通ではなく、それを同時に発動させるのはこれまでの常識ではあり得ないことだ。
しかも、二属性の内の一つが、普通の人間の魔法師では使用出来ないハズの闇の魔法だったのだから。
衝撃のあまり呆然とするグリーン達に、ランがここぞとばかりに演説を披露する。
「どーです!?これが私の開発した【マジョルキア】システムの優れた点の一つ!闇の魔法を含む二属性魔法の同時行使っ!!これこそが私の研究の成果っ!!この〈マギアコンパクトコア〉には闇の魔力元素を含む〈マジストーンコア〉と、私達の中のマジョリティ細胞、つまりは【魔女】様の細胞を活性化させるための、」
「はいはい博士、御高説はいいから、早く撤退するよ?」
「む……、そうか、そうだな、では皆さん、ごきげんよう」
またもシイナに説明を邪魔され、不機嫌そうな顔になったランは不承不承といった体で指をパチンと鳴らすと、彼女らの立つ地面に『転移』の魔法陣が描かれ、直後【魔女】の遺体の入ったカプセルと共に三人の姿が見えなくなった。
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ラン達が姿を消すのとほぼ同時刻に、【チーム雪月花】達と戦闘を繰り広げていたマジョルキアアクア達も姿を消した。
学園の各地で暴れていた魔獣人達のほとんどはその場で拘束され、その一部は対策が間に合わずに自殺されてしまったが、大半は生け捕りにすることが出来た。
しかし、学園側としても失ったものは多く、マサト達以外にも数人の少女達の行方が分からなくなっていた。
こうして、魔女教による第12魔法都市魔法師育成学園への襲撃事件は突然に始まり、唐突に終わりを告げたのだった……




