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第61話 アルテミスの性能

 二人と別れて1時間程すると俺のアームデバイスに「ジョー・トーマス」と「アルステッド・ローラー」から着信があった。

 二人から「ジョー・トーマス」と「アルステッド・ローラー」に連絡が行ったのだろう。

 内容は無事だったらどうして連絡くれなかったのかというものと、俺の事を心配する内容だった。

 取り敢えず落ち合って話を聴きたいと言う事だったが、「若き血潮」のメンバーはクエストで他の惑星に行っているらしく、帝都に戻って来るのは1か月半後と言う事だ。

 その頃には、戦艦アルテミスの進水も終わっている頃だろう。


 資源運搬船で宇宙ドックに戻った俺達は、各自が与えられた訓練に従事した。

 そして、船の内装の一部が残すだけとなった時点でチャーリー博士に船内を案内して貰う。

 この場には、俺達以外にもタシューさんや建造に携わった人達も居る。

 まず来たのは外回りだ。ちなみに宇宙ドック内は隔離壁で外部と隔離されているので、空気はあるが、重力は無い。なので、無重力で移動する。

 上部コーテナーに到着すると後方の上に窓が見える。

「あそこが艦橋になる」

 チャーリー博士が指差す。灯りが点灯しているため、艦橋の中で作業員が作業しているのが見える。

 前方を見るとかなり前方にちょっと盛り上がったカップをひっくり返したものがある。

「あれが主砲ですか?」

「そうだ。あれが主砲『重粒子加速砲』だ」

「この上部コーテナーの横にある蓋は何ですか?」

 上部コーテナーの左右に蓋が10個ずつ並んでいる。

「あれは垂直発射ミサイルVSLだ。左右に10門ずつ、合計20門ある。一発で300メル(300m)級宇宙艦を大破する事ができる。

 1発ずつの発射も可能だし、20発一斉の発射も可能で、全てが別々に照準ロックオン誘導機能付きだ」

「垂直尾翼についている穴は?」

 2つある垂直尾翼に穴が6個ずつ開いている。

「30セル(30cm)クラスミサイルの発射口だ。左右垂直尾翼に6門ずつ、計12門あり、これも照準ロックオン誘導機能付きになっている。ただし、6発撃つと次のミサイルが垂直尾翼下から充填装置で充填するため、次弾の充填に時間がかかるのが難点だ」

「翼の端にある丸い筒のようなものは何ですか?」

「オプティカルレーザー砲だ。オプティカルレーザー砲は垂直尾翼が2砲、主翼が左右で2砲、そして、イカロスの前方に1砲の計5砲ある。

 威力は従来のオプティカルレーザー砲と同じだが、違うのは後方にも撃てると言う事だ。つまり、追跡された場合、追跡してくる敵にも有効になる」

 上部コーテナーから後部に廻ってみる。まず目につくのがメインエンジンだ。後ろの部分の下部分に大きなエンジンが見える。それでも、このエンジンはかなり小型化されているとの事。そして、エンジンの上には後部コーテナーがある。

 上部コーテナーは主にアトラスアクターの発着に、後部コーテナーはコスモファイターの着陸に使用する。

 後部コーテナーの左右に4つの穴があるがあれもミサイルの発射口だろうか。

「チャーリー博士、あの4つの穴もミサイル発射口ですか?」

「そうだ。後部発射ミサイルになる」

 艦の下部に来るとほぼまっ平だ。これはこの上に反重力コイルがあるからまっ平になってる。そしてそのまま前方に行くと、2つの発射口があった。

「これもミサイル発射口ですか?」

「これは次元魚雷発射口で見た通り2門ある」

「次元魚雷って普通の魚雷とは違うんですか?」

「簡単に言うとワープ中に敵艦を攻撃出来る」

「えっ、ワープ中に艦を攻撃できるんですか? それってこの艦だけの武器ですか?」

「いや、『ホワイトサミット』で採用されている」

「どうして、他の艦は採用していないのですか?」

「これは皇族限定の秘匿武器なんだ」

「それをこの艦につけて大丈夫ですか?」

「問題ないだろう」

 そういう問題なのか?

「水中でも撃てるのですか?」

「水中なら普通の魚雷だ」

 そんなものなのか。


 艦内に入り機関室に行く。そこにはかなり大きな「反転融合粒子加速ワープドライブエンジン」が中央にあり、壮観の一言だ。

 そして、「反転融合粒子加速ワープドライブエンジン」の前部には「粒子融合反転リアクター」が見える。

 現在は起動していないため静かだが、これが起動した後はもの凄い出力を発揮するだろう。

 その機関室の下にあるのが、反重力コイル室だ。

「前にも話したが、この艦は地上への降下が可能と言ったが、それを可能にしているのが、この二重反転反重力コイルだ。

 これは今までの8倍もの重力制御が可能だ。そのおかげで地上降下を可能としたんだ」

 その反重力コイル室の前方には大きな何もない部屋があった。

「チャーリー博士、この部屋は何ですか? 何もないのですけど?」

「ここはバラスト室だ」

「バラスト室?」

「人が住む惑星は5割以上が水の割合になっている。それぐらい無いと人は生活できんからな。

 そうしたら、そこに着水する可能性だってある。その時に潜水出来た方が良いだろう。そのために水を船内に取り込む部屋だ。

 水を取り込まない場合は格納庫や倉庫としても利用可能だ。

 それと、奥方用に外へのハッチも用意した。着水した場合はここから水の中に出る事も可能だ」

 指差された場所を見ると二重扉になっていて、外に出入り出来るようになっている。

「このバラスト室もエンジンが小型化出来たから実現したのだけどな」

 いや、これだけでもかなり大きなエンジンだと思うけど。


 次に来たのは主砲下部にある重粒子加速器だ。かなり大きな装置だが、ここで重粒子を加速して主砲から打ち出す訳だ。

「重粒子って何ですか?」

「カーボンフォーティーンってやつだ」

 いや、分からん。聴いた俺が馬鹿だった。

 主翼の中に来た。主翼はかなり厚くなっており、左右の主翼にコスモファイターが20機ずつ格納されている。

 射出は主翼付け根にあるリニアカタパルトを使用する。現在置いてあるコスモファイターは翼が折りたたんであるので、かなりコンパクトになっている。

「結構、小さいですね」

「全長5メル(5m)、翼を広げても幅6メル(6m)、折りたたむと幅3メル(3m)しかないからね」

「人が乗って操縦するとなると、パイロットが40人必要か」

「いや、AI搭載しているから無人での攻撃が可能だ。もちろん人が乗る事も可能だから、非常時の脱出用としても使える」

「と、言う事はパイロット40人は・・・」

「不要だな。艦橋からの攻撃命令に従って攻撃する事で無人攻撃が可能だ」


 最後に来たのが艦橋だ。まだ作業している箇所もあるが、ほとんどが完成している。

 前面に大きな窓があり、その上にはモニターが並ぶ。メインパネルの右側がメインパイロット席、左側がコパイロットの席になっている。

 パイロット席の後ろが鑑定士席、コパイロットの後ろがレーダー員の席になっている。

 鑑定士席とレーダー員席の間、丁度艦橋の中央にあるパネルが砲撃席になっている。

 艦橋の横には通信士の席と艦載機の離発着を行う席、それと機関士の席がある。

 パイロットはジョン、コパイロットはチェルシー、鑑定士はシュリー、レーダー員はイリューシャ、砲撃手は俺がやり、艦載機の離発着はリゼルロッテに任せるとして、通信士と機関士がいない。

 それに治癒士もいないが、そこはマーガレットをスカウトする予定だ。


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