第46話 別動隊
「パンパンパン」
「パンパンパン」
俺達が、プロテクションスーツ室の前に到着すると銃撃戦が行われていた。
「キャロットリーダー、どうなっています?」
「見ての通り、銃撃戦で膠着状態だ」
「旦那様、例の雷力で気絶されば良いのでは?」
「天井が低く、通路も狭い。そのような場所では雷力は使えないんだ」
「キャロットリーダー、ブラスターガンでは膠着したままです。他に何か武器は無いですか?」
「武器は無い。あるのは発煙筒だけだ」
「発煙筒、発煙筒・・。それを貸して下さい」
「発煙筒だぞ」
「はい。それを使います」
俺は発煙筒を受け取ると着火し、敵の前に投げた。だが、発煙筒は煙と光を出すだけで、敵に効果的な攻撃を与える事は出来ない。
「パンパンパン」
相手側は再びブラスターガンを撃って来る。
その時だ。火災報知器が作動し、天井から水が噴き出し、相手戦闘員を濡らした。
「今だ。ウォーターアイス」
水を被った敵の身体が凍って行く。
「さ、寒い」
敵が寒さを訴えてきた。
「ここだ」
俺は敵の前に飛び出し、プラズマソードで敵のブラスターガンを持った腕を斬り落として行く。斬り落とした腕は氷力で固めたので、血が吹き出さない。
「キャロットリーダー、後は任せます。俺達は艦橋に向かいます」
「何故、艦橋に?」
「別動隊が動いている可能性があります」
「何、別動隊だと?」
「こちらはお任せします。行くぞ、リゼルロッテ、イリューシャ」
「「はい」」
通路を走り、艦橋前の扉に着くと、そこには3人のプロテクションスーツを着た男がブラステーガンを持って扉を開けようとしていた。
「合言葉を言って下さい。『山』」
「合言葉だと。『山』」
「不正解です。あなた方は何者ですか?」
「俺たちは『山』だ」
そんなやり取りをしている。
「パン」
リゼルロッテの放ったブラスター弾が一人の男に当たったが、プロテクションスーツを着ている為、その弾を弾き返す。
しかし、その音で俺達に気付いてしまった。
男3人はブラスターガンを捨てて、プラズマソードで俺達の方に向かってきた。プロテクションスーツを着ているとブラスターガンは役に立たない。
プロテクションスーツを斬り裂く事が出来るのはプラズマソードだけである。
一番前を走って来る男とプラズマソードを抜いた俺がぶつかった。
「キン」
「キン」
プラズマソードが交差する独特の音がする。
「とう」
「たー」
お互いのプラズマソードが何度か斬り合うが、相手の身体に通っていない。
通路で俺達が斬り合っており、相手の後ろの二人は再び艦橋へのドアをこじ開けようとしている。
「キン」
「キン」
再び、プラズマソードが交差する独特の音がする。
「えいっ」
「なんの」
お互いに勝負が決まらない。
「アルディ、伏せろ」
その声に慌てて、伏せると頭の上を手りゅう弾が飛んで行った。
「ボン」
扉の前で爆発した手りゅう弾は扉をこじ開けようとしていた男2人を弾き飛ばした。
弾き飛ばされた男達はプラズマソードを持って俺と戦っていた男の背中に当たった。
俺はそのチャンスを逃さずに、男の胸をプラズマソードで貫いた。
「ぐうっっっ」
男が前のめりになる。
男が前のめりになったところにリゼルロッテとイリューシャが飛び込み、扉をあけようとしていた男2人の身体をブラズマソードで貫いた。
「があっっっ」
「ぐわっっっ」
別動隊となっていた男3人が倒れた。
「た、頼む、治癒士に・・・・」
そこまで言って男の息は切れた。
そして、後ろを見ると手りゅう弾を投げたキャロットリーダーがそこに立っていた。
「キャロットリーダー、ありがとうございます。ちょっと、手を焼いていました」
「いつも助けられているからな。これくらいは私の方が役に立って良かったよ」
「それで、あの男達はどうしました?」
「ロープで縛りあげている」
「では、乗って来たスペースコミューターに乗せて返してあげましょう。ついでにこの男達も」
キャロットリーダーの指示で、女性冒険者達が男3人の死体を引っ張って行く。
キャロットリーダーが、艦橋の扉のところに行く。
「では、艦橋に帰ろうか。キャロットだ隔離扉を開けろ」
「合言葉を言って下さい。『山』」
「何を言ってる。私だ、キャロットだ」
「合言葉を言って下さい。『山』」
「いや、何が合言葉だ。私だと言っているだろう」
「合言葉を言えないのですか。『山』」
「おい、ふざけるな、私だと言っているだろう。リーダーのキャロットだ」
キャロットリーダーがキレた。
そこに私が出て行く。
「合言葉は『川』」
「了解です。扉を開けます」
扉が開いて艦橋に戻った。
「私だと言っているのに何故、中に入れなかった?」
キャロットリーダーが怒っている。
「アルディ殿が別動隊が来るかもしれないから、合言葉に合致しない者は何者も入れるなという事でしたので」
キャロットリーダーの言葉に副官が答えた。
「お前達は私の言葉より、アルディ殿の言う事を信じるのか?」
「ええ、まあ、この場合、リーダーだったらどうしましたか?」
「うーむ、私もアルディ殿の言葉に従うかな」
「ですよね?」
「確かにそうだな」
「ところで、アルディ殿、スペースコミューターに閉じ込めた男達はどうする? このまま連れて行き証言者とするか?」
「証言者としたところで、男爵が知らないと言えばそれまででしょうし、下っ端がどこまで知っているかも疑問です。
だったら、スペースコミューターのエンジンを壊して切り離します」
「おい、そんな事をしたら、惑星『WRZ9565』に墜落するぞ」
「ええ、そこで余生を過ごして貰いましょう」
「アルディ殿は恐ろしい男だ」




