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第28話 新しい仲間ができました

 宴が終わると俺たちは就寝のため、スペースコミューターに戻る事になった。

 ところが、イリューシャが連れて行けと泣き出したので、仕方なく連れて行く。アトラスアクターは一人乗りなので、その手にイリューシャを抱いてスペースコミューターに戻る。

 スペースコミューターの中を見たイリューシャは、口をポカンと開けている。

 それはそうだ。イリューシャ達の生活はどちらかと言うと文明が育っていない。それがいきなり文明が発達した世界に来たのだ。ジェネレーションギャップも良いところだろう。

 睡眠カプセルに入ろうかとする時にイリューシャが床に座り三つ指をついた。

「ご主人様、不束者ですが、末永く可愛がって下さい」

 いやいやいや、それってどういう意味だよ。と、思った矢先に更に余計な一言を言った。

「私としては、こいつより可愛がって頂ければ満足です」

 こいつと言われたリゼルロッテがキレた。

「ちょっと、誰がこいつよ!」

 イリューシャは、それに答えずに言う。

「今日は初夜となりますので、優しくして下さいまし」

「私だって初夜はまだなのよ。それがこんなヤツが初夜だなんて。旦那様、私と先に初夜をお願いします。私はこんなヤツに負けません」

 何を思ったか、リゼルロッテが胸をイリューシャに見せつける様に張る。

「私だって負けません」

 イリューシャも同じように胸を張る。

「「どちらでもお好きな方をどうぞ」」

「俺はもう寝るわ」

 俺はさっさと睡眠カプセルに入った。


 翌日、村人に別れを告げて立ち去ろうとするが、イリューシャは一緒に行くと言って聴かない。父親の村長に言っても「娘は嫁いだのであって、一緒に連れて行ってくれ」と言われ、結局連れて行く事になった。

 イリューシャは俺の腕に自分の腕を絡めてきてご機嫌だが、反対にリゼルロッテはかなり不機嫌になっている。

 俺達は星の画像撮影をしつつ、星を周回していたが、いくつかの村を発見した。

 だが、その全てが友好的という訳ではないので、発見したポイントだけを記録するだけに留めた。

 そして、星を一周してローランドが待つ、宇宙艦の所に戻って来た。

 スペースコミューターを宇宙艦の格納庫に収納したらローランドの出迎えを受けた。

「よう帰った。ところで、その娘は何じゃ?」

「お父さまでいらっしゃいますか? 私はアルディ様の正婦人『イリューシャ』と申します。

 今後ともよろしくお願いします」

「何じゃ、お主、嫁を貰ったのか?」

「ち、違います。この娘が勝手に言っているだけです」

 イリューシャの正婦人発言に、リゼルロッテが顔を真っ赤にして反論する。

「そうじゃろうな。儂はリゼルロッテが第一婦人と思っていたからの。そっちのイリューシャと言ったかの、お主は第二婦人になろうよ」

 ローランドの発言に気を良くしたのはリゼルロッテだ。

「フ、フフン、見る人が見れば、私が第一婦人って事が分かるのよ」

「師匠、火薬庫でファイヤーダンスを踊るような発言は止めて下さい。話が拗れます」

「フォフォフォ、アルディが困る顔を見るのは面白いのう」

 このじじい、何て事を。


 撮影した画像から地図を作っていく。山の高低、川の流れ、海岸線、湖、村の位置を加えた。

 この星には都市と言うものが無いので、その都市を結ぶ道路も無い。だが、見つけた獣道は書き加えた。

「ところで師匠、この星の名前は何と言うのでしょうか?」

「うむ、知らんな。多分、無いのであろう。二人は知っているかの?」

 ローランドはリゼルロッテとイリューシャに話を振ってみたが、二人は首を横に振った。

「どうやらこの星には名が無いようじゃな」

「でしたら、この星に名前を付けましょう」

「うむ、それは良いかもしれん。いつまでも名無しの星では困るからの。それで何と言う名前が良いかの?」

「『ローランド星』では、いかがでしょうか?」

「それは儂の名ではないか」

「はい、師匠の名を付けたいと思います。『ローランド星』、どうでしょうか?」

 リゼルロッテとイリューシャは賛成してくれた。初めて二人の意見が合致したような気がする。

「分かった。それで良いじゃろう」

 師匠が了承してくれたので、この星の名は「ローランド」に決まった。


「さて、そのイリューシャだったかの、お主のプロテクションスーツとアームデバイス、それにエアロパイロットを決めようではないかの。

 アルディも右腕のリゼルロッテに加えて、左腕のイリューシャが居った方が良いじゃろう」

 いや、どっちも居なくても構わないが、とは言えず「はあ」とだけ言った。

 プロテクションスーツを製作する際は身体の採寸が必要になる。それ以外にもイリューシャの身体は不明なところが多い。

 そのため、採寸と合わせて体の精密調査を行う事になった。

 医療室にあるAMRIで身体を詳しく調べて行く。

 その結果、彼女の身体は驚くべく事が分かった。

 鼻の奥にエラがあり、鼻に入った水は耳の後ろから抜けて行くのは前に聴いた通りだが、それ以外にも魚の特徴があった。

 どうやらイリューシャは、魚から進化した種族であるらしい。

 魚から進化した生き物だと魚人のような姿を思い浮かべるが、そんな事はない。人として見てもとても美しい。

 それは、人として陸上で過ごしていた時間が大きいので、人に近いのだろう。

「イリューシャは、あえて言うなら人魚族と言う事であろう」

 ローランドの出した答えがこれであった。

「人魚族ですか? それは水の中で生活する事が出来ると言う事ですか?」

「そうじゃが、懸念もある」

「何でしょうか?」

「水が無い離れた場所で、生きていけるかと言う事じゃ。今までも、水の近くで生活してきた。それが、陸上の水が無い部分でどれだけ生きて行けるかが分からないんじゃ。

 宇宙に出るとなれば尚更であろう」

「彼女は、この星から出て行けないと言う事ですか?」

「今のところ、出て行ける予定は無いがな」

「でも成層圏ぐらいなら、スペースコミューターで行けますが」

「それ位なら問題無い。問題は飲み水くらいしかない宇宙艦で、長い航海が可能かと言う事じゃ。だとしたら、イリューシャ用のパワードスーツを製作してみるか」

 色々な種族の人が居るので、パワードスーツは専用の機械で個人用に作られる。なので使用する個人の特徴によってカスタマイズが可能だ。

「イリューシャ、全ての検査が終わったぞ。これがお主のデータじゃ」

 フォログラムディスプレイにはイリューシャのデータが表示された。

「身長162メル(162cm)、体重48ケロ(48kg)、バスト88セル(88cm)、ウェスト66セル(66cm)、ヒップ92セル(92cm)」

 それを見ていたリゼルロッテが驚いたように言う。

「私と同じだ」

 確かにそうだ。以前測定したリゼルロッテと同じデータだ。ただ、耳の分だけうさぎ人のリゼルロッテの方が高い。

「もう一度測って下さい。そこのうさぎより少なくとも乳首の分は大きいと思います」

「そう言うなら比較してみようかの」

 ローランドはそう言うと、イリューシャの身体の画像を表示する。そこに今度はリゼルロッテの身体の画像を出して重ねた。

 するとどうであろう、まったく一致した。一寸の違いも無い。乳首の大きさも一緒だった。

「「くっ」」

 二人が同時に声を出す。

「納得出来ません。こうなれば、ご主人様に胸を直接揉んで貰い、揉み心地を試して貰うしかありません。絶対、私の方が柔らかいです」

「そうです、どうぞ私の胸を揉んで下さい」

 イリューシャに続いてリゼルロッテも言うが、ローランドも居る所でそんな事出来る訳がない。

「お前達、いい加減にしろ」

 俺が怒った事で、その場は収まった。

「アルディよ、モテるのう」

 師匠よ、茶々を入れないでくれ。

「師匠、冗談は止めて下さい」

「フォフォフォ、老人のやっかみじゃ」

 このデータからイリューシャのユニフォームの製作を行う。2000メル(2000m)級外宇宙航行宇宙艦には生活を維持するための設備が整っており、服の製作等は簡単に出来る装置が設置されている。

 出来上がったユニフォームのデザインは俺達とまったく一緒であり、リゼルロッテと同じミニスカートとブラシャーそれに上着だ。

 ユニフォームを着たイリューシャが更衣室から出て来た。

「あ、あのう、これってちょっと露出し過ぎじゃないですか?」

「戦闘とかの時にパワードスーツを着用する時に、余計な物が有ると上手く着用出来ないんだ。しばらくすれば慣れるから」

 しかし、スカートの丈が冒険者訓練校のユニフォームより若干短いような気がする。

 俺は小声でローランドに聴いた。

「師匠、スカート丈が冒険者訓練校のユニフォームより若干短いような気がしますが・・・」

「うむ、それは儂の趣味じゃ」

 お前の趣味かよ!

 その後は、パワードスーツの装着を行ったが、これによってユニフォームが短い理由が理解出来たようだ。


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