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第18話 冒険者としての初仕事

「生活面で何かあれば聴いてね。仕事の方はボブに聴けば分かるから」

 丁度、コーヒーを飲み終わった所にボブが来た。

「あら、噂をすれば何とかね。ボブ、良い所に来たわ。今から艦内を案内する所だったから付き合いなさいよ」

「えっ、俺、今から休憩に入る所だけど・・・」

「休憩って後から出来るじゃない。それより新人教育よ」

 ボブは「えっー」と言いながらも、メラニーの案内に付き合ってくれるようだ。結構、面倒見が良いのかもしれない。

「じゃあ、まずは生活環境から見に行こうか」

 そう言うと、船の一番上に来た。

「ここは主にリーダーの部屋と艦長の部屋があるとこね。それと小さいけど展望室があるわ」

 展望室に来てみると2畳程の部屋だ。外の景色も見れるがワープ中なので、外は真っ暗だ。

「この船はシャッターを降ろさないんですね」

 貨客船ではワープ中はシャッターを降ろしたが、この船はシャッターを降ろさない。

「別にどっちでも良いけど、貨客船は開けていても仕方無いから、降ろしているんじゃないか」

 俺の質問にボブが答えた。

 展望室を出るとそこにはリーダーの部屋があり、リーダーと書いてある。どうやらここには文字があるようだ。

「ここがリーダーの部屋ですか?」

「良く分かったわね。どうして分かったの?」

「だって、扉に書いてありますから」

「えっ、アルディって文字が読めるの?」

 メラニーが驚くように言う。それはボブも同じ顔をしていた。

「ええ、冒険者訓練校の時に勉強したので」

「えー、それは凄いわ。私達のほとんどの人が文字が読めないのに」

「この船でも文字が読めるのはリーダーと艦長、機関長、後はハイクラスの人たちぐらいだな」

「アルディ、もしかして計算も出来るの?」

 メラニーが聴いて来る。

「はい、計算もある程度出来ます」

「信じられないわ」

 二人が驚いた顔をしている。

「もしかしたら、アルディは拾い物だったかもしれないな」

 ボブの言葉にメラニーの首が縦に揺れた。


 その下の階に降りて来たら、仕官クラスの部屋が並んでいる。特にここには何も無いので、その下の階に来た。ここは一般の隊員の部屋になっている。この下も同様に一般隊員の部屋になっている。更に下に降りて来たら、レストルーム、ランドリー、娯楽室、トレーニングルームが並ぶ。

 また、シュミレーションルームやアクセプトルームもこの階になる。

 その下は各種分析室、CICと呼ばれる船のコントロールルームがある。

 船の下層には格納庫があり、アトラスアクター、コスモファイターが納められており、エアロパイロットもこの階に駐機している。

 惑星降下用のスペースコミューターもここにある。これらは左右にあるリニアカタパルトから発進することになる。

 船の後方には着艦ハッチがあり、発進した機体はここに着艦することになる。着艦したら、艦内昇降機で下部にある格納庫に入る事ができる。

 それ以外にも船の上部にも離発着できる所があり、そこには昇降用エレベーターで移動する。

 上部コーテナーの下層にあるのが機関室だ。

 使用しているメインエンジンは融合粒子加速ワープドライブで客船と同じものだが、船の規模によって大きさが違う。

 この船は300m(300メル)級のため、エンジンは以前乗った商船程大きくない。

 商船は蒲鉾型だが、アウトサイダー型と冒険者外宇宙航行船は四角柱を潰したような形になっている。

 長さは300m(300メル)、幅100メル(100m)高さは一番後部の所で75メル(75m)だ。一番後部にあるメインエンジンは高さ40メル(40m)幅40メル(40m)あり、その横に5メル(5m)×5メル(5m)の補助エンジンがある。

 メインエンジンの上がコスモファイターの後部コーテナーになっている。

 これから見るとワープするためのエンジンはかなり大きが、一度のジャンプでワープ出来るのは300光年ということになる。

 補助エンジンは2機あり、左右に1機ずつある。補助エンジンだけではワープ出来ないが2機使えば速度は光速の半分の速度まで出るので、補助エンジンだけでもかなりの出力があるだろう。

 そして、船の前部分にはミジハロスキー粒子収集装置と収集した粒子を圧縮する融合リアクター、圧縮した粒子を貯めておく粒子タンクがある。この部分で宇宙空間に散らばっているエネルギーを持った粒子の収集と融合を行う事でエネルギーを補充する事なく、航海できる。

 粒子融合リアタクターの隣の部屋では、キセノン粒子電子イオン化装置がある。これは、スペースコミューターやアトラスアクター、そしてコスモファイターの燃料になるものだ。

 それ以外にもキセノン粒子はミサイルの燃料や、加圧圧縮することでミサイルの弾頭にも使えるので利用範囲が広い。

 そして機関室の下にあるのが、重力発生装置と水タンク、分子分解装置、再生水製造装置だ。これらは生活で発生した廃棄物を分解するとともにイオン化し、燃料として使用する事が出来る。また、その際に発生した水分は水タンクに保管し、再利用する。

 そして一番下にあるのは、反重力コイルだ。これは艦内の重力制御と星の引力圏からの脱出、艦の姿勢制御ととても重要な設備である。

 この船には戦闘時の武器も備えてある。

 主砲は船の上部に1門、副砲は下部に1門、左右に1門ずつあり、その全てがオプティカルレーザー砲である。

 ミサイルは上部発射管、後部発射管、下部発射管とあり、最大で100発の発射が可能だ。それに宇宙魚雷と対コスモファイター用ブラスターガトリングガンがある。

 艦載機はスペースコミューター4機、戦闘機であるコスモファイターが12機、惑星探査用ロボットのアトラスアクターは25機搭載している。

 これだけ聴くととても素晴らしい戦艦に思えるが、冒険者が使用する戦艦では一般的なものだ。


 何度目かのワープを終了すると「ハーシュハイザー辺境惑星」に寄港する事になった。ここでは、最後の資機材の補給を行うと共に、クルーの休息に入る。休息は2日となった。

 「ハーシュハイザー辺境惑星」はペテルメギウス帝国の辺境にある惑星でこの惑星より先に航路は無い。

 従って、冒険者たちが最後に立ち寄る惑星でもあり、色々な種族を見掛ける。

 俺も宇宙港に着岸したら、ボブとメラニーと連れ立って、街に降りる事にした。

 ここは軌道エレベータで下に降りる。街に降りると、そこは前世で見たビル群と繁華街がある。

 看板にはイラストで何の店か分かるが、文字が書いてある店もある。「居酒屋」と書いてある店もある。

「アルディ、何と書いてあるか分かるか?」

「居酒屋ですね」

 ボブの質問に答えるとボブが口笛を鳴らす。

「ちょっと、昼間から飲みに行くつもり?」

 メラニーが怒った口調で言う。

「いや、流石に昼間から行かないよ」

「まさか、アルディを色街に連れ込もうって思ってないわよね」

「いや、まさか、ハハハ・・・」

 ボブの声が次第に小さくなって行く。

 街を歩いていると、前方に見た姿があった。

「ジョン!」

「アルディか」

 大きな身体で歩いていたのは、リザードマンの「ジョン」だ。

 俺はジョンに駆け寄った。

「元気だったか?」

「もちろん、そっちはどうだ?」

「アルディ、こちらは?」

 メラニーが聴いて来た。

「冒険者訓練校時代の同級生で『ジョン・グリエル』。見た通りのリザードマン族出身です。見た目は怖いですが、優しくて良いヤツなんです」

「見た目が怖いのは余計だ。事実だが」

「ははは、悪い、悪い。それで、航海士になっただろう」

「そうさ、今夜出港して、これから新しい航路開拓に向かうんだ」

「そうか、俺たちは今着いたばかりで、明日出港だ」

「どこに向かうんだ?」

「MZ6494だ」

「実は俺達もそっちへ行くんだ。俺たちが先行するから何かあったら、高速通信で知らせるから参考にしてくれ」

「分かった」

 二人で旧友を暖め合いたいが、ボブとメラニーが居るので、それだけ言って別れた。

「彼らの船もMZ6494に向かうと言っていたわね。先行してくれるなら参考になるから有難いわ」

「そうだな、自分達で確認しながらだと、かなり時間が掛かるから助かる」

 結局、メラニーの希望によりカフェやデパートを巡って2日の休息は終わった。当然のごとく、ボブと俺はメラニーの荷物持ちだった。

 宇宙帝国時間21:00の発進作業を見るために、俺は艦橋に居た。


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