第16話 冒険者の船
「宇宙港は、最大240艦の宇宙艦を接岸できる大きさがある。1階層に12艦接岸出来、それが20階あるからな。
最も、10階以下の階層は貨物船専用だ。俺達の母船『レッドブラッド』は5階層に停泊している」
「貨物船ですか?」
「冒険者の船なんて貨物船扱いだよ。客船扱いで停泊出来るのは『ホワイトサミット』ぐらいだ」
「『ホワイトサミット』って、冒険者パーティ『白き頂』のですか?」
「そうだ、そう言えば、現在ここに停泊しているから、その窓から見れるぞ」
俺は近くの窓に近づいてみると、窓の外に白い船体に青いラインが引かれた、かっこ良い船が停泊していた。
その船は客船のように大きいが、いくつかの砲塔が見える。
「大きいですね」
「あれは、もう大戦艦だよ。うちの母船と比べたら反則レベルだ」
ロビーから1階下に降りたら、エレベータホールがあった。その中の一つに乗ると下に向かう。
5の数字の所に降りて、廊下をボブについて行く。ある扉の前で停まると、ボブがアームデバイスを操作し出した。
すると、扉が開き、そこにはボーデングブリッジがあった。そのボーデングブリッジを徒歩で進む。
すると再び扉があったが、これは宇宙艦の乗船扉だ。再びボブがアームデバイスを操作するとその乗船扉が開く。
俺達がその中に入ると、そこは宇宙艦の中だ。
そして船内のエレベータに乗り、ボブについて行くと着いたのは艦橋だった。
艦橋の扉が開くと、かなり大きな部屋の中に所狭しと制御用の装置が並び、その前には多くの人が監視や操作をしていた。
「リーダー、連れてきました」
「おおっ、君がアルディ君だな。私はこのパーティのリーダー『ジョー・トーマス』だ。こっちは、この船の艦長『アルステッド・ローラー』だ」
俺は、二人から出された手を握った。
「メラニー、ちょっと来てくれ」
メラニーと呼ばれた若い女性が来た。この女性もミニスカートとブラジャーに上着といった格好だ。歳は俺より上だろうか。身長は俺より若干低い。
「こちらはアンディだ。これからこの船のクルーとなる。最初は分からない事があると思うので、色々と準備してくれ。まずは制服とアームデバイスの接続だな。
それからプロテクションスーツだな。採寸とか頼む」
「分かりました。では、アルディ君、私に付いて来て。」
俺の前を形の良いお尻が左右に揺れている。ミニスカートから伸びる白い脚が、とても素敵だ。
俺はボーっと、そのお尻を見ていたが、急にメラニーが停まった。俺はメラニーの背中にぶつかった。
「あっ、すみません」
「ボーっとしないでね。何か知らないけど男の人って、私の後ろを歩く人はみんなボーとしてしまうのよね」
うんうん、分かる、分かる。
俺はもう一度謝罪した。
メラニーに連れられて部屋に入ると、その中には試着室のような小さな円柱のBOXがある。
「そこに入って」
俺は自動で開いたBOXの中に入った。
すると、赤い光の線が上から脚の方に降りて行く。ピーという音がしたら、扉が開いた。
「出て来て良いわ」
「身長175セル(175cm)、体重70グル(70kg)、バスト83、ウェスト82、ヒップ85、股下87。左右の視力は1.2ね」
メラニーは何か操作していたが、どうやら終わったようだ。
「そこにユニフォームが出て来るから、そっちの部屋で着替えてみて。不具合があったら今言ってね」
しばらくすると、棚の一部の扉が開き、ユニフォームが出て来た。俺はそれを持って着替えてみた。
「良いと思います」
「何か支障がある?」
「いえ、特に何も」
「では、同じ物を3着作るから」
同じ棚からユニフォームが3着出て来たので、それを持つ。
「えーと、部屋はどこだっけ?」
「まだ決められていませんが・・・」
「あっ、そうか。じゃあ案内するね。君は衣装を持って付いて来て」
俺の目の前をミニスカートと形の良いヒップが揺れ出し、それをまたボーと見っているとメラニーの脚が止まった。
「ここね」
メラニーがアームデバイスをドアに近づけると自動ドアが開いた。
そこには6畳程のスペースに、ベッドとディスプレイがある。それに机とロッカーだ。
トイレとシャワーは無い。
「トイレとシャワーは共同になるから後から場所を確認しておいてね。それじゃあ、今からアームデバイスとドアの設定をするから」
メラニーは、そう言うと俺のアームデバイスとドアのペアリングを行った。
「これで、君のアームデバイスじゃないとドアは開かないから。じゃあ、次は『プロテクションスーツ』のサイズ合わせに行こうか」
部屋に荷物を置いた俺は、再びメラニーのミニスカートと揺れるヒップを堪能した。
「着いたわ。ここが、アクセプトルームよ」
示されたドアは、かなり重厚な作りになっている。アームデバイスからそのドアを開けると、中は円柱の試着室のようなものが沢山並んでいる。
「えーと、アルディはそこのB0Xに入って。上着は脱いでね」
俺は上着を脱いで指示されたBOXに入った。するとアームデバイスから声がした。
「聴こえる? 後ろにあるヘルメットを被ったら、アームデバイスを胸の所に持ってきて『アクセプト』と言って」
俺は後ろの棚に置かれているヘルメットを被って、言われた通りにやってみる。
「アクセプト」
すると身体中に白い糸が纏わり付き、あれよあれよと言う間に宇宙服のようになっていく。
実は、これは冒険者訓練校でも着衣の実習をしていたから、何度か着た事がある物だ。
その後は赤い光が出て来て、きちんと装着しているかをチェックする。良ければBOXの扉が開き、NGなら再度装着し直す。
BOXから出るとメラニーが俺を見た。
「okのようね。ちょっと動いてみて」
俺は屈伸をしてみたり、身体を捩じったりしてみた。訓練校で装着したプロテクションスーツは、ちょっと動きにくかったが、これは簡単に動く事が出来る。
やはり、実戦に使う物は使い易く出来ている。
「問題なさそうね。それじゃあ、脱いでみて」
俺は、もう一度アクセプトBOXに入り着用と反対の事を行う。
「アクセプトアウト」
すると、プロテクションスーツが上から徐々に糸が解れるように無くなって行き、最後はヘルメットのみになった。
そのヘルメットを脱ぐと着脱終了だ。
「どうだった?」
「訓練校で着た物より動き易かったです」
「惑星冒険者は現場での行動が決め手になるから、なるべく動き易くないとね」
その後にメラニーから母艦の説明を受けていた時だ。艦内アナウンスが響き渡った。
「当艦はイチゴーマルマル時、予定通り離岸する。ニイイチマルマル時にワープインで当初予定の恒星系に向かう」
アナウンスが終わるとメラニーに聴いた。
「発進するんですか?」
「ええ、今回は物資の補充と君の乗艦が目的だったから。それに係留費用も掛かるから目的達成したら、早めに離岸するのが良いのよ。
特に帝国惑星の宇宙港なんて、他の男爵領の宇宙港に比べたら、比較に成らないほど係留費が高いもの」
冒険者も色々事情があるようだ。
ユニフォームに着替えた俺は、メラニーについて艦橋に来た。そこではクルーが出港の準備で慌ただしくしている。




