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第11話 エルフって噂通り美形だ

 その日はエリーさんとは、それでお別れした。何かあったら船内電話で連絡してくれとの事だった。

 船内電話は部屋番号で繋げる事が出来るが、この船内電話にダイヤルやキーパッドは無い。

 電話に向かって、部屋番号を言うだけだ。

 掛かって来た時は「ok」とか「繋いでくれ」と言うと、AIが了承したとして繋いでくれる。

 マーガレットさんの部屋場号も聴いたので、船内電話で連絡が取れる事になったが、元々彼女の部屋とは3部屋しか離れていないため、直接訪ねて行っても問題ない距離である。

 部屋に戻ったが、窓も無ければディスプレイもない。あるのはベッドとトイレとシャワーだけだ。

 既にアームデバイスも返却しているし、情報を得る端末もないので正直暇だ。

 そう思っていると部屋の中に設置してある船内電話が鳴った。

「10323号室、マーガレット・カスペリアスさんより電話です」

「ok、繋いで」

「アルディ君、何してる?」

「いや、特に何もしてないけど」

「レストランに行かない?」

 マーガレットさんの言葉にお腹が空いていた事を実感した。

「確かにお腹が空いて来た」

「じゃあ、迎えに行くね」

 そう言うと、マーガレットさんが電話を切った後、5分程したらドアをノックする音がする。

「トントントン」

 俺がドアを開けると、そこにはマーガレットさんが立っている。

 ほんの一時間前に分かれたばかりなのに、お互い暇なのか連れ立ってカフェに行く事になった。

 夕食は乗船前に済ましていたが、それから6時間以上も経過しているので、この時間だと夜食という感じになるだろう。

 二人でレストランのある20階に行くと夜中の時間であるにも関わらず、多くの人がロビーやレストランに居た。

「夜中の時間だと思うけど、結構人が居るね」

「そうね、私もアルディ君と二人きりかと思っちゃった」

 ここのレストランはかなり広く、入り口から奥まではかなりの距離があるが、そのほとんどの席が埋まっている。

 俺達は、それでも奥の空いている席を見つけて座った。

 注文は席に備え付けられているタブレットで行うと、頼んだ料理は天井から専用エレベータで降りて来る。

 俺はサンドイッチと紅茶を頼み、マーガレットさんはケーキとコーヒーを頼んだ。

 話は自然と冒険者訓練校の事になる。

「アルディ君は学科は何を専攻するつもり?」

 冒険者訓練校といっても、惑星冒険科、宇宙航海科、鑑定科、治癒科の4つがある。

 惑星冒険科は未知の惑星に降下して調査を行う冒険者を育成する学科であり、場合によっては危険生物と戦闘する事もあり、最も危険が大きいが収入は良い。

 宇宙航海科は未知の宇宙空間を航行する技術を身に付けるものである。航路が無い空間にワープアウトするのは危険が大きいため、これらの対応に関する技術を身に付ける学科である。主にこの2つが人気の学科だ。

 鑑定科は未知の惑星の大気や生物、植物、ウィルスなどを機械を使用して調査する。それ以外にはワープ時の座標特定などの運行サポートも行う。

 危険生物と直接相対する事はないので、危険は少ないが収入も少ない。

 治癒科は治療師を育成する。未知の毒やウィスルに仲間が感染した際の治療は元より、身体の部分欠損が生じるような大怪我をした場合は再生医療を用いて、欠損部位を蘇生させることまで行う。

 それ以外はパーティの宇宙空間での身体機能の維持管理をサポートする。

 治療師の腕が良いと、そのパーティはほとんど死ぬ事はないが、危険が少ない分重要視されず、やはり収入は少ない。

「俺は、やはり惑星冒険科を目指そうと思っている」

「やっぱり、男の子はそうね」

「マーガレットさんは?」

「私ね、ちょっと迷ってるんだ。惑星冒険科も魅力的だけど治癒科も良いかなって。人の命を助けるのって人助けになるもんね」

「でも1年間は共通課程で2年目に専攻を決める事になるから、それまでに決めれば良い事じゃない?」

「うーん、そうしようかな。

 ねえ、アルディって呼んで良いからしら。私の事もマーガレットって呼んで貰って良いから。何だか、アルディ君とかマーガレットさんって呼びにくくって」

「提案拝承、じゃあマーガレット」

「はい、アルディ」

「何だか、ちょっと恥ずかしいな」

「そ、そうね。でも、慣れるわよ」

 俺とマーガレットは寝ていない時は、ほとんど一緒に居た。そしてたまにエリーさんと連絡して色々教えて貰っていたが、何度目かのワープが終わった所で次の停泊地であるエルフレッドランドへ到着するアナウンスが流れた。

 この時はエリーさんの部屋で3人で話をしていた時だ。

「本艦は6時間後に次の停泊地であるエルフレッドランド宇宙港に到着致します。下船予定の方は準備をお願い致します。

 なお、ここより徐々に速度を落とし、4時間後には係留準備に入ります」

 アナウンスが終わるとエリーさんが説明してくれた。

「エルフレッドランドって文字通りエルフの星なんだ。エルフ族は美人、美男が多いからあまり見惚れないように」

 なんと! エルフだって。本当にエルフって居たのか。俺が住んでいたヘーデルランドでは見た事が無かった。

「エリーさん、この宇宙には色々な種族が居ると思いますが、エルフ族以外にはどのような種族が居るんですか?」

「そうだな一般的には猫族、犬族、翼族、リザードマン族、天使族、鬼族が一般的な所かな」

「そんなに種族が居るんですか?」

「最も星の数だけ種族が居ると思った方が良い。生物は色々な進化をして今の生物となっているけど、それは星の環境が影響しているからな。

 僕ら人族だって昔は猿から進化しているたけだから、猫が進化した種族があったって不思議じゃないだろう」

「確かにそうですね。でも、天使族とか翼族っ何から進化したんですか?」

「翼族は鳥からだね。だが、天使族は昔から天使族だったらしい。

 そうそう、この帝国の皇帝は天使族だ。逆に皇族以外に天使族はいない」

「公爵、伯爵も天使族じゃないんですか?」

「公爵、伯爵、男爵の貴族は人族だね。天使族、人族以外で貴族に成った種族はいない。

 最も、それはこの宇宙を開発したのが天使族、人族だったからと言うのが大きいかな」

「本艦はただ今、エルフレッドラッド宇宙港に係留致しました。

 下船の方はコーナテーよりスペースコミューターにお乗り下さい」

 窓の外を見ると色々な宇宙艦が港に接岸している。中には小さな宇宙艦が大きな宇宙艦を押しているのが見えた。

 これはまるでタグボートだ。

「あの小さな船は何ですか?」

 エリーさんが教えてくれる。

「あれはタグボートだよ。貨物船なんかはサイドスラスターが付いて無いのが多いので、自力で係留出来ないんだ」

 サイドスラスターって前世の世界でも聴いたことがある。これがあるとタグボートなしで大型船を接岸できるやつだ。

 窓の外を見ているとスペースコミューターが宇宙港に入って行くのが見えた。下船の人達が降下していくのだろう。

 そして、宇宙港からは地上への降下用コミーュターも出発している。この2つは同じコミューターだが、形が違う。

 地上へ降下するコミューターは翼があり、どちらかというと飛行機に近い。やはり大気の力を利用して滑空する必要があるからだろう。

 そして、降下用コミューターの行く先を見れば、青々とした美しい地上が見える。生物が生存するためには水が必要なので、このように青い星になるのだろう。

「ロビーに行ってみないかい? 乗船して来る人が見れると思うよ」

 エリーさんの言葉で3人で20階にあるロビーに行くと、乗船して来た人たちが居た。

 それらの人はほとんどがエルフであり、特長である耳が長く、そして美しい金髪をしている。

 女性は全員が美形であり、プロポーションも良く、またそのプロポーションを際立たせる衣装を着ている。男性も金髪でかなり男前で身長も高く、こちらもその身体の良さを表す衣装を身に付けている。


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