10歳--6
ユミカちゃんを連れて庭に出てきた。
新しいウチの庭は日中とかカイの気分次第で庭を走り回れるように、高めの柵で囲ってある。
「カイ〜、遅くなってごめんな。散歩行こうな〜」
毛がフサフサのカイは俺に飛びついてくると、じっと隣を見た。
あ、ユミカちゃんいたんだっけ。カイはけっこう大きいけど怖かったりするのかな。騒がれたらカイも怖がるから嫌だな。
チラッと隣を見ると、ユミカちゃんはカイをじーっと見てた。カイもユミカちゃんを見てるからお互いにじーっと、じーっと、じーっと見てる。
え、何してんの?何これ?怖いの?犬嫌いなの?どんな気持ちの顔なのそれ?
「あ、あのさ・・・」
『嫌なら無理しなくて良い』って言おうとしたんだけど、ユミカちゃんはそこでスッとしゃがんで膝を付いて両手を出した。
「カイ・・・くん。カイ君、私とも遊んでくれる?お散歩、私も連れてってくれる?」
俺に抱きついてたカイはちょっとユミカちゃんを見てたけど、その後ユミカちゃんに寄って行って隣に座る。
「ありがとう、お利口さんね。私はユミカだよ、よろしくね」
カイの背中を撫でながらそう言ってユミカちゃんが笑顔になった。
最初に会った時から見てたニコニコ変な笑った顔じゃなくて!
くしゃって!くしゃ〜って!嬉しそうに、ほにゃって、ほんにゃ〜って感じの!
なんか、すごい笑顔って顔で笑ったんだ!!!
その笑顔を見て、なんでか俺の心臓あたりがグギャッて変な音がした気がした。




