ナオと彼女と中学生--6
「あとねぇ、アヤノちゃんは私がマユミさんが苦手なのって言ったら『当然だろ、あんな頭おかしい女。あんなの選んだユタカくんの気がしれない!苦手じゃないだろ、嫌いなんだろ?嫌いで何が悪いんだ?戦えないならせめて逃げろよ。その特別?な男のところに行けばいいだろうが』って、そう、言って、くれたんだよ・・・」
俺の頭を抱え直してユミカが泣いてる。
すごいな。アヤノさんは。
俺はユミカにそんな風には言ってあげられなかった。
全力で負けた気分だ。
「そんなアヤノちゃんと仲良くなって、タダタカのこともいっぱい知って欲しくていろいろ話したら『気持ち悪い男だな』って言われて、ちょっとケンカした」
ねぇ、感傷に浸らせてよ。鼻すすりながら涙声でそんなこと言われても。
アヤノさんぶっ飛びすぎてない?
一周回って笑えてきた。
「ふふ、なに?ケンカしたの?」
「あ、元気でてきた?うん。私がタダタカのすごいところとか特別なところとか話しても『キモいキモい』『ウザいウザい』『ないない』って言うから、ちゃんと聞いて!!ってケンカした」
「あはは!それで?アヤノさんはなんて返してきたの?」
ちょっと想像つくけど。
「『アタシにユミちーの男の話聞いてどうしろってんだ!自分の男の良いところは自分の心にでも仕舞っとけ!!馬鹿馬鹿しい!』だって〜」
「あはは!ヤバい!あはは!!かっこいい!!」
すごいな。ユミカが懐いたのもわかる。
すごく自分がある人なんだ。
だから自分の無いユミカは寄っていったんだな。
「はぁ〜、ふふ、まだ笑える。そっかあ、ユミカも学校頑張ってたんだね。じゃあ俺も頑張ろう」
「アヤノちゃんと仲良くなってからは、猛獣とか変な人とか来なくなったから楽になったよ」
「俺もアヤノさんに会いたくなったかも。いつも俺のユミカをありがとうございますって言いたい」
ぎゅううって強めに抱きしめたら、ユミカが俺の後頭部を軽く叩いた。
「アヤノちゃんがね『まずその俺のユミカって言い方がキモい』って言ってたから、ユミカをありがとうございますだけで良いと思うよ!」
どれだけキモいと思われてんだ!!
いいだろ!俺のだろ!!
「そんなにキモいって思われてんの?ショックかも。もっとぎゅうして」
「アヤノちゃんに会ってくれるか聞いてみるからね。はい、ぎゅー」
クスクス笑いながら力を込めてくるユミカ。
いつものハグは俺がユミカの頭ら辺を抱きしめてるからこれもいいな。
柔らかいな。胸だもんな。背が小さくて細身だからペタンコかと思ってたけど普通にあるんだな。
・・・今俺の顔に当たってるのユミカの胸だな!?
「あ、りがとぉ」
「ん?もういいの?」
「うん。喉渇いたから下行こう。ユミカも泣いたから飲み物欲しいでしょ?」
俺だけものすごく気まずい思いをしながら階段を降りる。
まだ会ってもいないアヤノさんの『そういうところがキモい』って声が聞こえる気がする!
違うんです!偶然だったんです!
でもたまにはやってもらえないかな・・・
「あ!タダタカは学校で私のこと『ユミカ先輩』って呼んでね!先輩だからね!」
頑張ります・・・




