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ナオと彼女と中学生--5

ユミカと部屋に入る。

ダメだ。頭の中ぐちゃぐちゃで、言葉が出ない。

なにか、何か言わないと。


「タダタカ?どうしたの?」

「・・・どう、も、しない」


声が出ない。


「おとなしくするの、無理そう?できない?」

「・・・ちがう」

「ハグする?キスする?そうしたら元気出る?」


ハグ・・・キス。ユミカが今俺だけに許すこと。


「・・・する」

「いいよ」


抱きついてこようとしたユミカから離れて、ベッドに座る。


「タダタカ?」

「こっち来て。こっちでハグしてほしい」

「いいよ?」


手を引いて俺に跨らせて抱き締める。

ユミカは俺を跨いで膝立ちしてるから、いつもと頭の位置が逆になった。


「どうしたの?大丈夫?」


片手でおれの頭を抱きしめながら、もう片方の手で頭を撫でてくる。

少し落ち着いてきたかもしれない。


「ねぇユミカ?」

「なぁに?」

「アヤノって誰?仲良いならなんで俺に言ってくれなかったの?」


そのままの体制でボソボソ話しだす。


「アヤノちゃん?アヤノちゃんは、ユタくんの勤めてる会社の社長さんの娘さんだよ。小さい時にユタくんの会社に行って一回会ったことあるんだけど、その時は全然仲良くしてくれなかったの。でも、中学入って少ししたらアヤノちゃんがいて、アヤノちゃんのほうから声かけてくれたの」

「うん」

「最初に『ユタカくんのところのユミちーで合ってる?』って聞かれて、誰のこと言ってんのかなってでも私だなってビックリしたの」

「ユミちー」


とんでもないあだ名つけられてるな。

その場面を想像してかなり面白くて落ち着けそう。


「それからアヤノちゃんが学校に来てる時は声かけてくれてたの」

「学校に来てるとき?」

「うん。アヤノちゃんはヤンキーで悪い子だからって、あんまり学校来ないの」


あー、そういう感じか。


「よく仲良くなれたね」

「アヤノちゃんはかっこいいから、すぐ仲良くなったよ!だからタダタカの話して、アヤノちゃんのこと教えてもいい?って聞いたら・・・」

「聞いてくれてたの?ダメって言われた?」

「話聞いたあと『そいつ気持ち悪いからダメ』って言われた・・・タダタカは気持ち悪くないよって言ったんだけど『アタシは無理。ダメ。来年入ってくるならその時に会うかもしんないけど』って」


ひどい言われようだ。しかも会う気もなさそうだなこれ。


「そっか」

「ナオくんのこと聞いてくる子達を猛獣って言ったのもアヤノちゃんだよ。ピッタリだよね!それで『上はうまく行ったけど、下はダメだろ。言いくるめてきな』って言われて今日来たよ」


俺の印象最悪すぎないか?


「その、アヤノ先輩?高橋先輩?に会ってみたいかも」


ぜひとも印象回復のために。ユミカも仲良くお世話になってるみたいだし。貴重な人だ。


「どうだろ?アヤノちゃんは嫌いな人が話しかけたり近寄ると怒るから。学校あんまり来ないのもそのせいだし」

「ヤンキーだからじゃないの?」

「それもあるんだけど。アヤノちゃんすごくカッコよくて綺麗だから人気でね『自称トモダチいらねぇ』『オマエ程度がアタシの男になれると思ってんのか』『うぜぇ奴らと絡むために学校来てるんじゃねぇ。帰る!』って怒るのすごいおもしろい」


強すぎない!?ユミカも口悪い時あるけど、全然だった。優しい。


「最初の頃にナオくん狙いの猛獣に困ってた時『発情なら本人の前でやれよ』って追い払ってくれて。すごかったんだよ!」

「そりゃすごい。というよりヤバい」

「そのあと怒られたけどね」

「なんで?」

「『オロオロ困って対処出来ねぇなら原因シカトして他人にでもなってろ!』って。なるほど!ってナオくんと距離置いた」


強い強い強い!!


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