ナオと彼女と中学生--4
飲み物を持ってきてナオと彼女、俺とユミカでそれぞれソファーに向かい合わせで座る。
「ねぇタダタカ、これパジャマじゃん。今日一日パジャマなの?」
「寝坊したの。それで起きてきたら2人がいて、そのまま今だよ」
「も〜、先輩いるんだから着替えれば良かったのに」
「だってTシャツと半ズボンじゃん。いるなんて知らなかったし別にいいよ」
くっついて座ってミサンガをつけてる足同士をこすりながら、ユミカが文句を言ってくる。
最近は俺の微妙に生えてるすね毛が気に入ってるらしいけど、そこはちょっと遠慮してほしい。
「距離感狂ってない・・・?」
「通常通常、慣れて」
うん。早く慣れて。
「それでね!タカくんがこんな感じじゃ、きっと学校でも松崎ちゃんのところ行っちゃうと思うの。本当はダメなんだよ!?だから『2人は親同士が仲良い幼馴染、ナオくんは歳が離れてるからそこまでじゃありませんでした』でどうかなって」
「幼馴染って言えば、あの猛獣たちは来ませんか?」
「「もうじゅう?」」
「いや来るわ。でも最初の『なんで仲良いの?』の騒ぎはすぐに収まるわ」
「「さいしょ?」」
「じゃあ先輩『家知ってる?入った事ある?』にはどう返したらいいですか?」
「「いえ?」」
「それは両方『プライバシーだから言わない』で良いわ」
「じゃあ『どんな女の子が好き?』には?」
「『そういう話はしたことないから知らない』って言いなさい」
「じゃあ『私みたいな女の子がお似合いだと思うでしょ?』には?」
「『本人の好みがあるから本人に聞け!』って言いなさい!なんなの!?そんなこと聞かれてたの!?」
「はい。良かった、先輩に聞けて助かりました!」
ほくほく満足そうなユミカと、怒ってるナオの彼女と、撃沈してるナオと、正直ドン引きの俺。
「ユミちゃんでそれってことは・・・もっと辛かったんでしょ?ごめんね」
「もう今さらよ。終わったことだし」
「俺もちょっとおとなしくする・・・」
俺のせいで猛獣をユミカに向かわせるわけにはいかない。
「私も頑張ってるから、タダタカもおとなしくするの頑張って!久しぶりのおそろいね」
嬉しそうなのはユミカだけだよ・・・
期待してた中学生活めちゃくちゃ・・・
「あとは、松崎ちゃんはあの子・・・なんだっけ、タカハシ?2年の高橋さんと仲良かった?」
「アヤノちゃんですか?仲良しです!」
「困ったらあの子に相談してもいいと思うわ」
「はい!ありがとうございます」
アヤノ?誰それ。聞いてない。知らない。
あぁダメだ。頭がぐちゃぐちゃだ。
ユミカ、ユミカは誰のなの?ちゃんとわかってる?
ダメだ、落ち着け。
「ユミカ?話終わったから、詳しいことは俺の部屋で話そうよ」
「いいよぉ。じゃあナオくんと先輩、ありがとうございました」
ユミカを連れて階段を登る。
頭の中がぐちゃぐちゃ過ぎて目が回りそうだ。




