12歳
バレンタインデー。
俺は松崎でユタくんと、ユミカの作ってくれたバレンタインデーのチョコケーキを食べてるところ。
ユミカはおそろいのミサンガをつけてる俺と自分の足を並べて満足そうにくふくふ笑ってる。
ミサンガをつけてから会うたびに何度も何度も、本当に何度もやるから家の中でユミカといる時は寒くても裸足。
「タカも中学生か〜。早いなぁ」
「俺にとっては『やっと中学生』だよ。長かったぁ」
「またユミと同じ学校だな」
「今度は2年間ね!私の方が先輩だからね!」
「背は俺のほうが大きいけどね」
「またそれ言う!!」
「ははは!ユミは思ったほど伸びなかったからなぁ」
ユミカの身長は成長期が終わっちゃったのか、小さいまま。あんまり伸びなかった。
俺はまだ伸びてるから身長差がだんだん開いてきてる。
ハグの時にユミカの前髪が鼻にかからなくなったから、俺としては嬉しい。あれはくしゃみ出そうで辛かった。
「そういえば、ユミこの間店でバレンタインデーのチョコ買ってなかったか?」
「買ったよ?昨日学校で彼氏に渡したやつ」
ユタくんがかじってたケーキをポロって落とした。
「ユミお前彼氏いたの!?」
「え?いるよ?タダタカも彼女いるもんね?」
「うん、いる」
「は!?タカお前も彼女いんの!?」
立ち上がったユタくんが俺とユミカの顔をビックリして交互に見てくる。
「さっきユミカのケーキの前にユタくんにあげたチョコ、昨日彼女からもらったやつ」
「お前ひとくちしか食べなかったじゃねぇか!」
「感想聞かれるかなって思ったから食べた。ユミカ、ケーキもう1個食べたい」
「いいよ〜。次はいちごのソースかけてあげる」
あ、味変わってそれも美味しそう。
「いやいやいやいや!お前ら待て!!」
「「ん?」」
「今日!今日がバレンタインデーだぞ!?」
「「うん」」
ユミカと目を合わせてから2人してユタくんを見る。そうだよ、今日がバレンタインデー。
「なんでお前らは!当日に、彼氏彼女がいるのに、片方は朝からケーキ作って、片方はそのケーキおかわりしてんだよ!!」
だからバレンタインデーだからだってば。
「タダタカが『バレンタインデーはチョコケーキ食べたい』って言ったから、作ったの。彼氏には昨日チョコ渡したってさっき言ったよね?」
「頼んだらユミカが『じゃあチョコケーキ作ってあげるね!」って言うから、彼女には『当日は大事な用があるから、前日学校で渡して』って言って昨日受け取った」
「おかしいおかしい!!」
ユタくんが頭を抱えてる。
おかわりのケーキを持ってきたユミカが隣に座る。
また顔を合わせて、頭を抱えてるユタくんを2人で見てから聞いた。
「「なにがおかしいの?」」




