10歳--夏休み8
たくさん話したし、ユミカはいっぱい泣いたしで眠くなった俺たちはそれぞれの布団に入ったけど、なんとなく手は繋いだまま寝た。
次の日はすごい寝坊して『怒られちゃうかな?』って2人でドキドキしてたんだけど、大丈夫だった!
でもこの日は2人でソファーで遊んでたらいつのまにか寝てて、そのあとお昼寝もした。
お泊まりの最後の日まで、やっぱりユミカは夜泣いちゃって俺がぎゅーして手繋いで寝るのをずっと繰り返す。
だけど『寝たくない』とか『布団に入らない』はやらなくなったから、俺が頼まれたのはコレかもしれない!
宿題も頼まれた事も全部できた俺すごい!
すごい夏休みだった!!
帰る日になってユタカさんが迎えに来て、ユミカはおじさんおばさんに『いってきます』のぎゅーをしてた。
「お泊まりありがとうございました!楽しかったです!!」
「タカ君が良ければまた冬休みにユミカとおいで。待ってるからね」
「はい!絶対来ます!」
「ふふ、本当にありがとうね」
おじさんおばさんから離れたユミカが俺の手を握った。
「いってきます。また冬休みにくるね」
声は震えてたけど、泣いてなかった。
「「いってらっしゃい」」
車に乗って、手を振るおじさんおばさんが見えなくなってく。
俺と繋いでないほうの手をずっと振ってるユミカがポソポソ喋ってる。
「イイコでいるから・・・頑張るから・・・イイコを頑張るから・・・ちゃんとする・・・」
は!?って思った。違うじゃん!って!
だから繋いでるユミカの手をギュ!てした。
「?」
「俺がいるって約束したじゃん!それは俺のユミカじゃないじゃん!約束は!?」
「!!」
ユミカはすごくびっくりした顔をしたあとに、へにゃって笑った。
「うん。約束、した」
「よし!忘れちゃダメ!」
2人で笑ってたら、運転してるユタカさんも笑ってた。
「タカかっこいいじゃん。ありがとうな」
「頼まれたからね!」
イヒヒって変な笑い方しちゃったけど、かっこいいらしいからいいや。
「ユタくん。タダタカも一緒に連れてってくれてありがとう。また冬休みによろしくね」
俺とユミカは車の後ろに座ってたから、ユミカがちょっと体を前にしてユタカさんに言った。
「・・・・・・いいんだよ」
ユタカさんが鼻すすってる。大人の男が泣いてる時はほっとけって父さんが言ってたから『泣いてるの?』とは聞かない。
それにユミカは本当はユタカさんのこと『ユタくん』て呼んでるんだ。
ちょっとかっこいいな・・・




