10歳--夏休み4
おじさんおばさんの家で夏休みを過ごす毎日。
確かにユタカさんが言ってたように、ユミカにびっくり驚かされて新しいユミカを知る毎日だ。
まずユミカは自分の事を『私』と呼んでたけど、ここだと『ユミカ』になる。
ここの家にはエリ姉ちゃんとミユ姉ちゃんってお姉ちゃんが2人いて、ユミカは一番下の妹なんだって。
『甘えん坊でしょ〜?』と仕事帰りのお姉ちゃんたちに抱きついて離れないユミカを突っついて言ってたけど、俺はマリカちゃんの自慢のお姉ちゃんのユミカしか知らなかった。
それに松崎の家ではいつも1人な事が別に平気そうだったのに『本当は1人は大嫌いなの』ってここだとずっとおじさんおばさんのそばにいて、2人が仕事してる時は俺の隣にいる。
2人が仕事してるっていっても、おじさんおばさんは和風な家具とかを作ってる会社をやっていて、家に仕事場があるから俺たちはお客さんが来た時に座るソファーで宿題をしたり遊んだりするんだ。
「ユミカ、お手伝い」
「はぁい!待ってて〜」
木とか紙とかのゴミがたくさんになると、おじさんかおばさんがユミカに声をかけてユミカが掃除道具を持って来てテキパキと片付けていく。
「タダタカ〜、紙がいっぱいだから手伝って!」
「良いよ〜!」
俺もたまに手伝うけど、ユミカに頼まれた時以外はユミカが怒るからやらない。
「ありがとうね」
頭を撫でられて嬉しそうに笑ってるユミカ。
ここではユミカのあの変な笑った顔は一回も見てない。
笑ったり怒ったり、拗ねたり半泣きだったり、ここで見るユミカは松崎の家にはいなかった。
俺はユミカのなにを頼まれたのかなぁ?
「タダタカ、ジュリのお散歩行こ!」
「いいよ!おじさんおばさん行って来ます!」
頼まれた事、ちゃんとできてるかな。
カイの散歩の時とは逆で、ジュリのリードを持って鼻歌なんか歌ってるユミカの隣を歩く。




