10歳--夏休み3
「え・・・?」
お父さん?お母さん?ただいま?
おじいちゃん?おばあちゃん?
どう言う事・・・?
わけわかんなくて呆然と立ってる俺に向かって、おばあちゃんが人差し指を口に当ててる。
シーって?内緒って事?内緒?秘密?
秘密!!!
黙ってウンウン!と頷く俺に安心したようなおばあちゃんが、おじいちゃんに声をかける。
「ほらお父さん、ユミカと荷物を家に持ってってちょうだいな。タカ君は私が連れて行きますから」
「お母さんは?」
「お母さんはタカ君と後から行きますよ、ユミカは自分のお部屋に荷物置いて来なさい」
「わかったぁ」
おじいちゃんに抱っこされたユミカが、俺とユミカの荷物と一緒に運ばれていく。
俺の荷物結構重かったのに、おじいちゃんすごいな・・・
「さて、タカ君いらっしゃい。よく来てくれました。さっそくでごめんなさいなんだけど、一つだけお願いがあるの」
おばあちゃんが俺に笑う。
「なに?」
「私たちは、ユミカのおじいちゃんおばあちゃんなんだけど、ユミカがとっても悲しむからタカ君もおじいちゃんおばあちゃんとは呼ばないで欲しいのね」
おじいちゃんおばあちゃんだけど、そう呼ぶとユミカが悲しい。
だから呼ばないで。
あぁ、あの時ユミカが俺を睨んだのはおじいちゃんおばあちゃんって言ったからか・・・
「なんて呼べばいいの?」
そんなに考えないで返事を返した俺に、おばあちゃんはちょっと驚いてたけど優しく笑ってくれた。
「私はハツエで、あの人はミツヒロと言うの。タカ君はどんな呼び方が良いかしら」
「う〜ん」
ユタカさんみたいに『さん付け』『名前呼び』も変。おじいちゃんおばあちゃんだから。でもおじいちゃんおばあちゃんはダメだ、ユミカが悲しくなるのは嫌だから。
「おじさんおばさんでもユミカは悲しくなる?」
俺の答えにおばあちゃんはニッコリ笑って頭を撫でてくれた。
「それなら大丈夫。ありがとう、タカ君は優しくて強いね。ユミカと一緒に来てくれて本当にありがとう」
「いいよ。俺もユミカと一緒にいたかったから!あ、おばさんこれからお世話になります!」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ニコニコ嬉しそうなおばさんと手を繋いで家に向かって歩いた。




