10歳--夏休み2
「ねぇ、本当に一緒に行くの?おとうさんと帰っても良いよ?」
「行く。ユミカと夏休み遊ぶから」
もぅ何回繰り返したかわかんないやりとり。
「ユーミ、諦めろ。アッチもユミが友達連れてくるって楽しみにしてんだから」
「だって・・・」
プイッと窓の外を見るユミカ。
「イイコにしてろって言ってないだろ?いつものユミの夏休みにタカを混ぜてやれって言ってんの」
ユタカさんの言葉にユミカがチラッと俺を見たから、わかんないけど頭を縦に振る!
「・・・びっくりするかもしれない」
「いいよ!」
「変だって、きもちわるいって思うかも・・・」
「ユミカに!?それはない!」
「・・・うそつきだって言わない?」
「言わない!!!」
言い切った俺の顔をユミカがジッと見てくる。
だから、俺は笑った。
「大丈夫!ユミカといる!」
ユミカは諦めたようにため息をついて、俺にしかしないフンッで笑った。
「・・・じゃあ、いいよ」
よし!!!
ユタカさんの言う『アッチの家』は車で2時間くらいかかったと思う。
一階建ての大きいお家だった。本当にすごく大きい。
「デカ!」
「あー、会社やってるから。作業場があるんだよ」
駐車場に車を停めてるユタカさんと俺が話してる間、ユミカはずっと窓の外を食い入るように窓ガラスにくっつくように見てる。
車を停めて、家の前に立ってる人のところまで泊まりの荷物を持って歩いてく。
「「いらっしゃい」」
え?ユタカさんの親ってことは、おじいちゃんとおばあちゃんなんだよね?なんか若くない!?
俺のじいちゃんばあちゃんもっとヨボヨボだよ!?
「この子が話してた『タダタカ』で、タカって呼んでる。ユミの事はちゃんと呼んでる」
「あれ!」「おや!」
ユタカさんの話に2人がびっくりして俺を見てる。
「白沢タダタカです!ユミカと一緒にお泊まりに来ました!よろしくお願いします!!」
ペコッ!と頭を下げて挨拶する!最初が大切だって父さんが言ってたから!
「本当だ。よく来てくれたねぇ、ユミカと楽しく遊んで過ごすと良いよ」
ニコニコとおじいちゃんが言ってくれた!よし!
あれ、今おじいちゃん『ユミカ』って言わなかったか・・・?
どうなんだろってユミカを見てみたら、なんかずっとソワソワしてる。
あっち見てこっち見て、おじいちゃんおばあちゃん見て、口もモゴモゴしてるみたい。
え、こんなユミカ初めて見た・・・
どうしちゃったの?大丈夫?
「じゃあ俺帰るわ、何かあったら連絡して。タカ、ユミ頼んだ」
「え?うん。俺は大丈夫」
変なユミカに戸惑う俺なんかどうでもいいみたいに、ユタカさんが俺の頭をひとなでして帰っていった。
車が見えなくなって。
「お父さん!お母さん!ただいま!!」
ユミカがおじいちゃんおばあちゃんに抱きついていた。




