表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
17/57

第15話「重装の処刑者」

紅く脈打つ炉心核。

その不気味な輝きを胸部中央に宿し、重装砲撃型統治機兵――グラン・バルドは悠然と歩みを進めていた。


一歩。

また一歩。

踏みしめるたび、大地が鈍く震える。


分厚い茶褐色の装甲。

両肩に並ぶ巨大砲門。

背部には無数の補助砲塔。


まさに、動く要塞。

その姿には、以前戦ってきた統治機兵とは明確な“格の違い”があった。


操縦席の光板に赤い警告表示が走る。


――高出力反応、継続上昇。

――砲撃機構、展開確認。


アーク・ギガントの声が頭の奥へ響く。


――砲撃能力はこちらを遥かに上回っています。

――正面防御は非推奨。


「真正面から受けるなってことか……!」


ノアは脚に力を込める。

蒼き巨人もまた大地を踏みしめ、低く構えた。


次の瞬間。

グラン・バルドの両肩が展開する。

内部から現れた砲口が、紅く光を集束し始める。


「来る!」


閃光。

轟音。


放たれた紅蓮の砲撃が一直線に大地を薙いだ。


「今だ!」


横へ跳んで砲撃をかわした勢いのまま、アーク・ギガントはグラン・バルドの側面へ回り込む。

繰り出された拳が茶褐色の装甲を打ち据え、激しい金属音が響く。


だが、グラン・バルドは意にも介さない様子で向き直り、距離を取る。

再び、両肩に紅い燐光が集結する。


「くそっ……!」


アーク・ギガントが大きく横へ跳ぶと、直後に先ほどまで立っていた場所が爆ぜた。

土砂が空高く巻き上がり、爆風が周囲の魔獣も暴走機獣もまとめて吹き飛ばす。

門上から、衛兵たちの悲鳴が上がる。


「なんて威力だ……!」

「まともに受けたら終わりだぞ!」


ミリアも門の上で拳を握りしめていた。


「ノア……!」


ノアも冷や汗を流す。


「もし今のを街に撃たれたら……」


――被害予測:甚大。

――建造物および住民に深刻な被害が発生します。


十分すぎる答えだった。


絶対に、ここで止める。

ノアは踏み込む。

一気に距離を詰める。

接近戦なら勝機はある。


だが。

まるでそれを嘲笑うようにグラン・バルドの胸部装甲が開いた。

内部から伸びる、巨大な鋼杭。


「っ!?」


射出。

轟音とともに放たれた杭が、槍のように一直線に迫る。

ノアは盾を前へ。


激突。


凄まじい衝撃。

蒼き巨体が大きく押し戻される。

地面を削りながら後退。


「重い……!」


ただの砲撃機ではない。

近接戦にも対応している。

しかも分厚い装甲のせいで、拳撃も通りが浅い。


「どう攻めればいいんだ……!」


ノアは右腕の切断刃を展開し、斬撃を繰り出す。

重い衝撃音。

だが、装甲表面を傷つけるだけに終わった。


グラン・バルドの反撃。

再び至近距離からの零距離砲撃が放たれる。

爆炎が蒼き巨体を包んだ。


「ぐっ……!」


警告灯。

視界に赤が走る。


――左腕装甲、損耗。

――駆動骨格、一部歪曲。


アーク・ギガントの声が続く。


――被弾箇所解析、完了。

――戦闘継続、支障なし。


淡々としている。

だが、その冷静さが逆に頼もしい。


「まだだ……!」


ノアは立ち上がる。

だがグラン・バルドは、こちらを見ていなかった。


――抹殺対象の行動意図を予測。

――後方障害物の排除を遂行。


「……!」


ノアが息を呑む。

グラン・バルドの背部砲塔が一斉に展開。

紅い光点が今までよりも強い輝きを放っていく。


狙っている。

自分ではない。

その後方――フェルグラードだ。


「まずい!」


ノアが叫ぶ。

街を守っていることに気づかれたのか。

そちらを撃てば、狙わずとも自ら砲撃を受けに来ると。


合理的にして、あまりにも冷徹。

それが統治機兵の戦術だった。


なんとしても止めなければならない。

だが、どうやって――


ノアに決断の時間は、もう残されていなかった。



――第16話へつづく

※おことわり

本作品は、設定の整理や本文草稿の作成補助・推敲に生成AI(ChatGPT等)を使用しています。使用用途・範囲の詳細については、作品概要ページをご確認ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ