表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、娘2人ともっふるで挑む最強Fランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第八章 温泉編〜湯けむりの中で無自覚無双!? 癒やしの源泉が聖域化(!?)〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/139

第83話 え、パパが勇者!? 娘たちの超高度な水脈調整をスルー!? 結局『ただの温泉好き』で押し通す無自覚無双ー!?

夕暮れ時。

茜色に染まるミルナ村の入り口に、神崎家の一行がようやく辿り着いた。

村の通りは穏やかな静寂に包まれている。


亮「あれ……お猿さんの姿が一匹もいないぞ?」


あんな「本当だ。屋根の上にも井戸の周りにも、全然見当たらないね」


みゆ「……観測。猿の姿、ゼロ」


ベアトリス「本当ですわ。昨日まであんなにいたのに」


亮は少し残念そうに、静まり返った村の広場を見渡した。


亮「お猿さん、山に帰ったんだなぁ。ちょっと寂しいな。一緒にお酒飲めないのはなー」


あんな「……いや、寂しがってるのはパパだけだから! 村の人たちにとっては、やっと日常が戻ってきたって安堵の瞬間なの!」


みゆ「……特異体質」


ベアトリス「パパのお心は、海よりも、森よりも深うございますわ!」


もっふる「ピィー♪」


亮「よーし、とりあえず温泉入るかー! もっふる、一緒に行くぞ!」


もっふる「ピィー!」


宿に戻った亮は、さっそく自慢の温泉へと向かった。

湯船に浸かると、手足を思い切り伸ばしてふぅーっと大きな息を吐く。

その隣では、もっふるが小さく波を立てながらプカプカと浮いて、実に気持ちよさそうな顔をしていた。


亮「ふぅ〜……やっぱり温泉は最高だなぁ」


もっふる「ピィー♪」


その頃、女湯では――


あんな「不思議ね。山に温泉を作ったのに、こっちの湯量が全然変わらないなんて」


みゆ「……地下水脈の流量バランスを魔法で最適化。一方を立てれば一方が枯れるという短絡的構造を回避し、地下での完全循環システムを再構築済み」


あんな「そこまでしてたの?ただ穴を掘っただけじゃなかったんだ」


みゆ「争いはよくない。共存が最適解」


あんな「……パパがみんなが仲良くできるのが一番だって、いつも言ってるね」


ベアトリス「さすがですわ! 勉強になりますわ!」


翌朝。

一行は事の経緯を報告するため、マーレイ村長の家を訪ねた。


マーレイ「おおー! 亮さん、皆さん! よく来てくださいました! 見てください、あんなにいた猿が一匹残らずいなくなりました。ありがとうございます」


亮「いやー、猿たちも困ってたみたいでね。温泉が枯れちゃってたんだよ」


あんな「山の温泉を復活させてきました」


みゆ「地脈の調整済み。村の温泉への影響はゼロ」


ベアトリス「お猿さんたちも大喜びでしたわ!」


もっふる「ピィー!」


マーレイ「なんと……! そんなことまで……!」


あんな「パパがボス猿に担がれてたよね」


みゆ「……あれは完全に“王”の扱い」


ベアトリス「さすがパパですわ!」


マーレイ「はっはっは! 亮さんらしいですな!」


村長は感激のあまり、目を潤ませていた。


マーレイ「これは……宴を開かねばなるまい!!」


あんな「えっ、また?」


みゆ「……定番化」


ベアトリス「楽しみですわ!」


もっふる「ピィー!」


夕暮れ時、村の広場には大きなテーブルが並べられ、村人たちが次々と料理を運んでくる。


村人A「亮さん! 今回も助けてくれてありがとう!」


村人B「猿の被害がなくなって、本当に助かったよ!」


村人C「温泉も無事じゃし、これで観光客も安心じゃ!」


村人A「あの荒れ狂っていた猿の群れが、亮さんの一言で心を通わせてしまわれるとか」


村人D「いや、猿の王として君臨したらしいぞ!」


亮「いやー、そんな大したことはしてないよー」


もっふる「ピィー!」


噂は尾ひれをつけて広がり、気づけば村長宅の庭では、村を挙げた大宴会の準備が始まっていた。

村人たちは笑いながら、次々と料理を差し出してくる。

焼きたての肉、山菜の煮物、温泉卵、果物酒。

どれもミルナ村の恵みが詰まった温かい料理ばかりだ。


マーレイ「今日は村の救世主、神崎家を讃える宴です! 皆、存分に飲んで食べてくだされ!」


「「「おぉーーー!!」」」


マーレイ「亮さん、これもどうぞ!」


亮「おおー! ありがとう! うまいなー!」


あんな「パパ、飲みすぎないでよ?」


みゆ「……すでに危険域」


ベアトリス「パパ、ほどほどにですわ!」


もっふる「ピィー!」


村人たちの笑い声と、神崎家の賑やかな会話が広場に響き渡る。


あんな「……なんか、ここに来ると毎回宴だよね」


みゆ「……パパが原因」


ベアトリス「でも、楽しいですわ!」


亮「いやー、みんなで笑って食べて飲むのは最高だなー!」


もっふる「ピィー♪」


宴が最高潮に達した頃、亮は村人たちに囲まれて酒を酌み交わしていた。


「亮さん! 次はどんな奇跡を見せてくれるんですか?」


亮「え? 奇跡なんてそんな……。俺はただ、みんなでお風呂に入りたかっただけだよー」


「ははは! 謙遜を! 猿を従える勇者が、ただの温泉好きなんてわけがない!」


あんな「(……もう、否定するだけ無駄ね)」


あんなは、ジョッキを片手に笑い飛ばす亮を眺めながら、自分も鶏肉にかぶりついた。

確かに、村に平和が戻った。

猿たちも、自分たちの居場所で幸せにしているはずだ。


これこそが、神崎家の「スローライフ」なのだと、自分に言い聞かせる。


楽しい時間はあっという間に過ぎ、夜も深まってきた頃。


亮「ふぅ、飲んだ飲んだ。そろそろ帰ろうか」


あんな「そうね。パパ、明日起きられなくても知らないからね」


みゆ「……撤退。睡眠時間の確保を優先」


ベアトリス「楽しい夜でしたわ。また明日からもよろしくお願いしますわね」


村人たちの温かい見送りを受けながら、千鳥足の亮をあんなが支え、一行は宿へと歩き出した。


月明かりが、静まり返った村の通りを優しく照らしている。


こうして――

猿との騒動は、誰も傷つくことなく、むしろ村の結束を深める結果となって幕を閉じた。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が、

宿へ戻る一行の背中を、どこか誇らしげな夜風がそっと押していた。

湯煙の向こうに浮かぶのは、巨獣との熱い友情!?

なんと、亮とボス猿が遠く離れた岩の上と湯船で、言葉を超えた「無言の対話」を開始!

争いの火種を温かな湯気に変えたパパの背中を、闇に潜む「謎の馬車」がじっと見つめる……。


次回、第85話 え、パパが勇者!? 平和解決したのに監視されてる!? 街道を走る謎の馬車と、動き出した『欲』の気配ー!?

感動の完結かと思いきや、新たな波乱の予感!? 湯気の向こうから迫る影の正体とは


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ