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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第35章 安寧編〜ドワーフ国の衝撃の真実⁉ 託された未来と家族の絆!?〜

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第308話 え、パパが勇者!? 神殿に眠る地環石が家族を認めた!? 家族の絆が奇跡の光!?

目の前に立ちはだかる巨大な扉に亮が手をかけると、ズズズ……と重厚な音を立てて静かに開いた。

空間へと一歩足を踏み入れると、薄暗い天井は遥か高く、どこか温もりを含んだひんやりとした空気が肌を撫でる。


その広々とした空間の中、一段高くなった祭壇の中央で、大地の脈動を思わせる深い黄金色の光が、静かに鼓動するように揺らめいていた。


亮「うわぁ……外から見るよりずっと広いな……!」


亮は目を輝かせながら、広大な空間をキョロキョロと覗き込む。


あんな「パパ、むやみに歩き回っちゃダメだよ。何が起きるか分からないんだから」


ベアトリス「とても重厚で、背筋が伸びるような厳かな雰囲気に満ちていますわ!」


もっふる「ピィー♪」


みゆ「構造は不明ですが、満ちているエネルギーの波形がこれまでの洞窟とは明らかに異なります」


亮「こういう場所には、すごい宝物が眠ってたりしないのかな?」


あんな「ダンジョンとは違うよ」


みゆ「肯定します。そのような場所に導かれたとは思えません」


もっふる「ピィー♪」


――フワッ……。


その時、祭壇がぬくもりのある淡い黄金色の光を帯び始めた。


あんな「……光った!?」


亮「おおっ! 何か始まりそうだぞ」


みゆ「私たちの接近に反応しています」


ベアトリス「不思議な光ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


光は柔らかく広がり、やがて足元の地底から、温かい声が静かに全方位から響き渡った。


ランドタートル「……ようこそ。太古の誓いが眠る場所へ」


あんな「太古の誓い……?」


ランドタートル「そうだ。ここは遠き昔、大地の鳴動と人々の祈りを繋ぎ、世界の平穏を願うために建てられた『地環の神殿』」


亮「地環の神殿……!」


あんな「ここが……神殿……」


その圧倒的な静寂さに、神崎家は思わず息を呑んだ。


ランドタートル「そして、その祭壇に宿る光こそが、わしの魂と意思を宿し、大地の脈動を伝達する『地環石』だ」


みゆ「……なるほど。単なる建造物ではなく、大地の精霊たるランドタートルの意識と直結した、神聖な祭祀場というわけですね」


ランドタートル「うむ。ひとつ、問いかけよう……お主らにとって、大地とは何だと思う?」


亮「大地?」


亮は素朴に問い返す。


みゆ「単なる土や岩石の集積体……というだけの定義ではないのですね」


ランドタートル「そうだ。大地とは、その上で生きるすべての命を支えるものだ」


地底の声が、温かく静かに染み渡っていく。


ランドタートル「命を支え、包み込み、平穏をもたらす。それこそが『安寧』の真義 」


あんな「安寧……」


ランドタートル「だが、安寧とは、ただ一度も揺れぬことではない」


亮「なるほどなー」


あんな「パパ、分かったの?」


みゆ「パパが理解した確率は3%と思われます」


亮「こういう時こそ100%と言って欲しいのだけど……」


ランドタートル「……話を続けてもいいか?」


あんな「ごめんなさい。続けてください。ほらパパも謝って」


亮「ごめんなさいって、何か悪いことしたか?」


首をかしげる亮に、地底からの気配が一瞬だけピタリと静まり返った。


ランドタートル「話を続けるぞ。大地とて、時に震え、揺れることはある。それでも、その上の命を支えることを決して諦めぬ。家族も同じだ」


あんな「家族も……同じ……」


あんなが無言のまま、噛みしめるようにその言葉に耳を傾けていた。


ランドタートル「互いに支え合うからこそ、どのような激しい揺れにも耐えられる。そうじゃ、それこそが安寧というもの」


亮「なるほどなあ……」


亮は、あんなやみゆたちの顔を順番に見つめた。


異世界に来てからの日々。

楽しい時も、色々なトラブルに巻き込まれた時も。

誰かが困れば誰かが手を差し伸べ、失敗したら笑ってフォローしてきた。


ランドタートル「お主らは言葉だけでなく、本当にその絆を胸に宿しておるか? 不安や困難が訪れた時、互いを信じて立ち続けられるか?」


問いかけに対して、あんなは振り返り、隣に立つ亮たちの顔を見つめた。


いつも天然で心配ばかりさせられるけど、温かい愛で包んでくれるパパ。

クールで理屈っぽいけど、陰で一番家族を守ってくれるみゆ。

真面目で真っ直ぐで、全力で家族を慕ってくれるベアトリス。

そして、いつもそばにそっと寄り添ってくれるもっふる。


あんなの唇に、自然と柔らかな笑みが浮かんだ。


あんな「はい。私たちは、これからも互いを信じて立ち続けられます」


あんなはまっすぐに佇み、力強く頷いてみせた。


あんな「……特別なことじゃないんです」


ランドタートル「ほう」


あんな「私たちが支え合っているのは、試練だからとか覚悟があるからじゃありません。誰かが困っていたら手を貸すし、私が泣きそうになったらみんなが抱きしめてくれる……ただそれだけなんです」


亮「あんな……」


あんな「私一人じゃ立ち止まっちゃうこともあります。知識も力も足りないかもしれない。でも、この家族と一緒なら、どんな揺れが来ても絶対に倒れません。だから大丈夫です!」


亮「そうだぞ! 俺たちは家族だからな! あんなが困っていたら俺が支えるし、俺がやらかしたらみんながツッコんでくれるんだ!」


みゆ「ツッコミの頻度が多すぎる点には課題が残りますが、データ的にも異論はありません。神崎家は相互補完によって成立しています」


ベアトリス「わたくしも! この剣と命にかけて、大切なご家族の皆様を支え続けますわ!」


もっふる「ピィー♪」


家族の言葉が重なった瞬間、地環石が神殿全体を揺るがすほどの眩い光を解き放った。

それは温かく、まるで日差しのように神殿全体を満たしていく。


亮「うわっ! 光が……!」


みゆ「エネルギー反応が急上昇! ですが、破壊的なものではありません……これは……!」


解き放たれた金色の光は、あんな一人に留まらず、周囲にいた亮、みゆ、ベアトリス、そしてもっふるまでもを優しく包み込んでいく。


ベアトリス「なんて温かい……まるで、大地そのものに抱かれているような心地ですわ!」


もっふる「ピィー♪」


足元の岩盤からは、これまで街を脅かしていた激しい揺れとは真逆の、ゆりかごのような優しく心地よい大地の鼓動が伝わってきた。


ランドタートル「見事だ」


地底からの声に、溢れんばかりの愛おしさと満足感が滲んでいた。


ランドタートル「言葉の飾りではなく、魂そのものが絆で結ばれている。その光こそ、わしが求め続けた安寧の答えだ」


祭壇の柔らかな光と大地の鼓動が、まるで確かな視線となってあんなだけに向けられた気がした。


ランドタートル「あんなよ。お主を大地の友とし、その安寧を繋ぐ者として認めよう 」


温かな光の中、あんなは静かに深々と頭を下げた。


あんな「ありがとうございます……ランドタートルさん」


いつもの太陽のような笑顔を見せたあんなの周りで、亮たちが賑やかに喜び合う。


こうして――

導かれた神殿で太古の巨亀に家族の絆を認められた神崎家。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)が

温かい光に包まれながら新たな日常へ向けて静かに動き出していくのだった。

静寂に包まれた空間で集束する黄金の波動。

大切な存在へ託される力を前に、相変わらずの調子でズレた言動を繰り出すパパ。

温かな空気の中で繰り広げられる、神崎家ならではの賑やかなやり取りから目が離せない!


次回、第309話 え、パパが勇者!? 地環石の神力を継承する!? 温かな絆に包まれて新たな日常!?



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