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パパ、またやらかしてる! 〜50歳天然パパ、最強の娘たちともっふるで挑むFランク家族の無自覚無双スローライフ〜  作者: Kou
第三十四章 絆結編〜家族の絆で乗り越えろ⁉~

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第299話 え、パパが勇者!? 最強三姉妹の完璧迎撃!? パパの背中は私たちが守る!?

覚醒した『お米の祝福』によって正気を取り戻した亮と、身体の隅々まで活力を満たしたあんなたち。

その前方に、異様な地鳴りとともに生き残っていた巨大イモムシの最後の群れが蠢き始めていた。


数は、先ほどまでに比べれば幾分か減っている。

それでも、うねうねと不快に蠢く無数の脚と巨大なイモムシが押し寄せる光景は、視界に入るだけで気を狂わせそうな存在感を放っていた。


あんな「……ふぅー……吸って、はいて……よし」


あんなは深呼吸をひとつ挟み、固く剣の柄を握り直した。

先ほどまで頭の中を真っ白にさせていた激しいパニックは、もう引き始めていた。


胸の奥に残るのは、「パパと一緒にここを乗り切る」という確かな意思だけだ。


みゆ「……バイタル異常なし。パニック状態からの脱出を確認しました。……相変わらず非常に不快ですが、正常な判断は可能です」


みゆもまた静かに杖を構え直した。

錯乱して巨大魔法を連発していた先ほどとは違い、その瞳には本来の冷静な分析力が戻っていた。


亮は、そんな二人の表情を静かに見つめる。


自分も闇に呑み込まれ、娘たちを不安にさせてしまった。

自分が全てを引き受け、娘たちを危険から遠ざけることこそが父親の役目だと信じて疑わなかった。

だが、守るということの本当の意味は、一人で抱え込むことではない。

いまは違う。

暗黒の深淵から自分を引き戻してくれたのは、紛れもなく娘たちの強い絆だったのだから。


あんな&みゆ「パパ」


亮「ん?」


あんな「あたし、もうパニックになったりしないから」


みゆ「はい……他の魔物と同じように処理してみせます」


亮は二人の澄んだ瞳をじっと見つめ返す。


亮「……虫は嫌いなんだろ、無理するなよ」


あんな「大丈夫! だって、もうパパだけに全部背負わせて戦わせるなんて絶対に嫌だもん!」


みゆ「同意見です。いつまでも乱心しているわけにはいきません」


亮「……」


娘たちの力強くも頼もしい言葉に、亮の表情がふっと温かなものへと変わる。

激しい地鳴りを立てて、巨大イモムシの群れが一斉に襲いかかってきた。


亮「……あんな、みゆ」


あんな「うん!」


みゆ「はい!」


亮「俺の背中……任せたぞ!」


あんなは太陽のような笑顔で頷いた。


あんな「任せてよ! バカパパの背中くらい、あたしがバッチリ守ってあげる!」


みゆ「任せてください。背後からの接近は、すべて私が完璧に迎撃します」


ベアトリス「わたくしもお忘れなくですわ!」


亮「よし……ここからが本番だ!行くぞ!!」


もっふる「ピィー♪」


亮が剣を抜き放ち、力強く前へ踏み出す。

その大きな背中を、あんなとみゆが見つめる。

亮は娘たちをひとりの頼もしい家族として信頼し、己の命の全てを預けた。


迫り来る巨大イモムシに対し、亮の剣が凄まじい大振りの閃光となって一閃された。


亮「おらぁぁッ!」


ドガァンッ!


一撃で巨体が真一文字に断ち切られ、鋭い衝撃波が後ろの魔物たちを巻き込んで吹き飛ばす。

その死角である右側から、別の巨体が蠢きながら迫ってきた。


あんな「パパ、右は任せて!」


亮「任せた!」


亮は振り返ることなく、目の前の敵へと鋭い剣撃を叩き込んでいく。

すれ違いざま、あんなが迷いなく踏み込んだ。


あんな「大地斬っ!!」


鋭い斬撃が走る。

重厚な刃が巨大イモムシの皮膚を正確に断ち切り、遥か後方へと吹き飛ばした。


あんな「みゆ、左からも来てる!」


みゆ「把握しています。インフェルノ・バースト!」


みゆが掲げた杖から激しい炎の渦が精度高く解き放たれ、横から押し寄せていた群れを的確に焼き払っていく。


ベアトリス「わたくしも続きますわ!火炎剣ですわ!」


ベアトリスが炎を纏った剣技で魔物を弾き飛ばし、もっふるも敏捷な動きで駆け回りながら魔物の足元を乱していく。


もっふる「ピィー!!」


迫る魔物に対し、三人と一匹が一切の混乱なく見事な連携で対応していく。


亮は一度も後ろを振り返ることなく、ただひたすらに鋭い剣技で前方の道を切り開いていく。


振り返らなくても分かる。

背後にはあんながいる。

みゆがいる。

ベアトリスも、もっふるもいる。


自分の家族が、完璧に背中を守ってくれているのだという絶対の信頼。


亮「……さすがは我が娘たち最強美人三姉妹だな!」


あんな「当たり前でしょ! 前だけ見て剣を振りなさいよ!」


みゆ「前方の敵の撃破に集中してください」


ベアトリス「任せてくださいですわ!」


もっふる「ピィー!」


亮「よし、なら俺も格好悪いところは見せられないな!」


神崎家の総力がイモムシを確実に撃退していく。


あんな「減ってきた……!」


みゆ「あと少しです。激減しています」


ベアトリス「このまま一気に決めますわ!」


亮「行くぞ! 俺が剣で前を開ける!」


あんな「その後ろは私!」


みゆ「私がまとめて焼き払います!」


ベアトリス「いきますわ!」


亮が先陣を切り、鋭い剣閃で巨大イモムシの群れの中央を強行突破して道を拓く。

その両脇をあんなの斬撃、みゆとベアトリスの重なり合う炎の奔流が残った魔物を一網打尽にしていく。


そして 地を揺るがしていた巨大イモムシの群れは、ついに最後の一群を残すのみとなり、盆地の壁際へと追い詰められた。


亮「……ここまでだな」


あんな「うん! 決着をつけよう!」


みゆ「攻撃準備、いつでもいけます」


ベアトリス「わたくしもですわ!」


もっふる「ピィ♪」


亮は目の前に追い詰められた魔物たちを見据え、剣を構え直した。

もう、不安そうに後ろを振り返る必要などどこにもない。

背中には頼もしい娘たちがいて、自分もまた娘たちの背中を心から信じているのだから。


亮「みんな、行くぞ!」


あんな「うん!」


みゆ「はい!」


ベアトリス「全力で行きますわ!」


もっふる「ピィーー!」


こうして――

お互いに背中を預け合う真の絆を得た神崎家は、最後の一群へ向けて一斉に駆け出した。

ツッコミどころ満載な、家族の異世界スローライフ(?)は、

最後の決戦の火蓋が、いま完全に切って落とされた。



祝・300話達成!


数千のイモムシ大群に対し、テンション全開のパパが出した大号令とは?


娘たちの超極大合体技『煉獄天空陣』が炸裂し、戦場を完全燃焼!


……って、パパは最後に指示を出しただけで実質ノリノリの「号令係」


神崎家の爆笑と圧倒的絆で、最悪の罠を完全撃破ー!?


次回、第300話 え、パパが勇者!? 300話記念にノリノリ大暴走!? 実質ただの「号令係」で完全勝利!?

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